別れ道へ
俺はギューリーを担いで道を進む。少し進むと律儀にベットと2つ肉の塊が置かれた小部屋に出た。一体何が目的何だ?殺しもしないし捕まえにも来ない。いやもしかしたら捕まえに来れる状態じゃないんじゃないのか?でも悪魔も俺らを捕まえに来ないし・・・まあ警戒しといて損はないか。
流石に俺はベットで寝れないのでギューリーを寝かせて肉の塊とエンシェントワイバーンレプリカの右前脚とクロウドレイクの右前脚を食らう。やっぱりあんな強い魔物の死体を放ってたら勿体ないしね。
俺はクロウドレイクとエンシェントワイバーンレプリカの右前脚を放り込んで食べる。すると体の奥底から力が湧き上がってきた。
(スキル、古代魔法level1と俊足level1を入手しました)
古代魔法・・・エンシェントワイバーンレプリカが使っていたよく正体が分からない魔法だ。一体どんな力を秘めているのだろうか?
(古代魔法)
禁忌魔法や深淵魔法の本質に近い原始の魔法。今や使える者は少なく人智を超えた者や古龍の血を引き継いだ者にしか発現しない。全ての魔法に互換性があり威力を高めたり術式を書き換える事ができる。古代魔法を魔物以外で見出した聖女ゾナは狂っていった。彼女は魔法の本質に何を見出したのだろうか。
level1 低級術式書き換え 古き盾
説明文に書いてる通り魔法を書き換えたり出来るらしい。でもlevelが低いからか低級までしか書き換えれない。だがおまけで古き盾と言う魔法を入手した。この魔法は魔力を込める程、防御力が上がって速攻で出せる盾らしい。これなら急な攻撃から身を守れるだろう。まあ書き換えはまだどうやって使うか分からないから保留だな。
肉の塊も食べてみたがスキルは入手出来なかった。てか見た目は肉なのに味は野菜に近かった。肉の見た目をした野菜なのか味が野菜の肉なのかどっちなんだろう。
少し時間が経つとギューリーも目覚めて肉モドキを食べ始めた。肉だと思って齧りついたが味が野菜だったので顔を顰めている。あまりお気に召さなかったようだ。
お互いの傷も癒えたと言うことで先に進むことにした。相変わらず代わり映えのない石壁と石畳しか目に映らない。こうも同じ景色が続くと眠くなってくる。異形や魔物の気配も感じ取れない。もしかしたら出口が近いのではないか?
そんな甘い考えで進んでいた俺達が馬鹿だった。急に壁が横に広がり石畳が砂へと変わったのだ。勿論この光景に俺達は驚き動くことが出来なかったが、突如真下にとてつもなく強大な気配を察知した。お互い左右に跳んで全速力で走った。数秒後、俺達が居た場所を砂ごと吹き飛ばした。
現れたのは俺の2倍はあるめちゃくちゃデカいサソリだった。だが尻尾が3本もあり鉄のような甲殻を纏っている。一目見ただけで分かる。こいつあの馬鹿みたいに強かった異形以上の化け物だ。
「キシィィィ!」
種族アイアンスコーピオン(深種)
名前ゴロモコ
level48/60
HP1020
MP970
攻撃力493
防御力695
魔攻302
魔防603
素早さ43
スキル
噛み砕くlevel5 挟むlevel3 猛毒針level3 大地魔法level3 ブレスlevel2 咆哮level3 穴掘りlevel5 スタンプlevel2 ロックブラスターlevel2 気配察知level4 剛力level5
耐性
衝撃耐性level3 氷耐性level2 土耐性level8 炎耐性level1 深淵耐性level5
固有スキル
猛毒生成level2 穿つ鋏level3
ランク
C+
称号
原罪の下僕 深種 魔物の殺戮者 ジルヴァ砂漠の主
ギューリー以外の初めてのネームドの魔物。そして初めてCランク級の魔物。そしてこいつは、施設の主の原罪の探求者の下僕らしい。あの防御力じゃ俺らの攻撃でダメージを与えるなんて無理だろう。幸い奴は足が遅い。地中からの攻撃さえ気をつければ大丈夫だろう。
ギューリーも同じことを考えていたのか全速力で入口へ向かってる。入口の大きさからして奴は入って来れないはずだ。あそこまで行けば俺達の勝ちだ!
「キシィィィ!」
地面にいきなり穴が開いたり砂の槍が飛び出してこようが俺とギューリーは走った。止まれば死ぬ。そんな思いで俺とギューリーはなんとか石畳の入口へ戻ってくることが出来た。
『ハァハァ・・・戻ルか?』
勿論だ・・・あんな化け物まだ倒せないしな・・・はぁまた最初からだ。いつか食ってやるからな!はぁ出口だと思ったのにっ――
「キシィ!」
「グァ!?」
「ウガァ!?」
諦めたと思ったが口から岩を吐いてきやがった。ここに居たら危ない。直ぐに移動しないと。
「キシィィァァァ!」
サソリの咆哮を背にして俺とギューリーは引き返していった。
引き返して結局あの別れ道へ戻って来た。だが流石に疲れたのでギューリーと替わりながら休息することにした。そしてお互い腹が減ったと言うことで倒したクロウドレイクとエンシェントワイバーンレプリカも引っ張って持ってきた。勿論腹が減っていた俺達は欠片1つも残さず綺麗に頂いた。味はどちらも鶏に近い味で結構美味かった。
隣で寝ているギューリーを横目にステータスを確認する。最近全然見てなかったらな。もしかしたら新しいスキルが増えてるかもしれない。
種族 深黒竜亜成体 stage3 (深種)
名前オメガ
level10/45
HP642
MP259
攻撃力236
防御力101
魔攻102
魔防69
素早さ50
ランクE+
スキル
鑑定level3 リトルブレスlevel4 噛みつきlevel4 竜の尻尾level3 世界の声level2 闇魔法level4 竜の爪level3突進level2 闘争心level5 毒牙level4 気配察知level3 テールスイングlevel1 魔力操作level2 魔力感知level2 再生level2
深淵干渉level1 深淵喰らいlevel1 麻痺の邪眼level1 古代魔法level1 俊足level1 念話level3
固有スキル
竜鱗level3 終焉の加護level3 異能喰らいlevel2 底なしの胃袋level2
耐性
麻痺耐性level2 魔法耐性level1 毒耐性level2 深淵耐性level1
-聖属性耐性level3
称号
転生者 終焉龍の息子 竜族 深淵殺し
何個かのスキルがlevelupしている。新しいスキルはないがランクがE+に上がってる。
それに俺の種族が黒竜から深黒竜に変わってるしサソリと同じく種族の隣に(深種)と書いてある。心当たりがあるとすれば・・・あの異形を食べた時に種族が変わったような。まあ種族解説を見れば分かることだ。
(深黒竜亜成体 stage3 E+)
黒竜が深淵に適応した姿。深淵の影響でより凶暴になり亜成体とは思えない程の力を有する。黒竜より肥大化した角は魔力を蓄えており魔法杖として利用される。深淵に適応したがその影響で聖属性の攻撃にかなり弱くなっている。そして深黒竜はかなり珍しい種族であるが、その姿から邪龍の手先として一部地域では恐れられている。
黒竜が深淵に適応した姿か。まあかなり強くなったのには違いはない。だがまだ足りない。もっと食らって強くならねば。俺が目指すのはもっと上だ。