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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
始まり
16/101

増援

ミノタウロスが持っているのは、力任せに振るえて重い一撃を繰り出す大剣だ。錆びてはいるが、威力は凄まじく木が切り裂かれた。これは・・・当たったら最悪即死だろうな。そもそもゴブリンとミノタウロスって協力するものなのか?まあ後でギューリーに聞けばいいことだ。まずはこいつを倒す!


「グォォォォ!」


「ブモォ!」


俺は咄嗟にダークスフィアを発動させた。MPを全く込めてないから当たってもダメージは、ほぼないだろう。だがこれは目潰しようだ!


「ブモォ!?」


突如、現れて目に突っ込んできたダークスフィアを、ミノタウロスは腕を振るい掻き消した。目を奪えたらでかかったんだが、まあ想定内だ。これでも喰らいやがれ!


俺はダークスフィアに気を取られているうちに奴の死角まで周りこんだ。そしてガラ空きの脇腹に爪を刺そうとしたが、コンマ数秒後にはミノタウロスの大剣が俺の爪を弾いていた。確かに強い。動きも良いし反応速度も速い。


「ブモォォ!」


ミノタウロスが大剣を大振りに振りかぶって来た。俺は後ろに跳んで避けようとした瞬間、奴はそれに合わせて大剣を落として拳で向かって来た。わざと大振りに!?ヤバい避けれない!来る!


「グホォ!」


腹に重い衝撃が来る。俺は何とかその衝撃を利用して距離を取ることに成功した。内蔵は大丈夫だ。思ったより浅い一撃だったから良かったが・・・本当に手強いな。大剣を囮に使って拳で仕留めようと考える程の知能はあるってことか。奴の行動に注意しないとな。


「ウラァァ!」


「ギャギャ!」


「ギィ!」


ギューリーは新手のゴブリンを相手にしながらメイジからの魔法を避けている。顔にはまだ余裕が有りそうだが、早く加勢しないとな。


俺はミノタウロスに向かってブレスを吐きつけた。黒炎が視界を塞ぐ。突如、ミノタウロスの気配が黒炎の向こうから目の前に移動した。こいつブレスを突っ切って来るのか!?


俺はブレスを止めて右に跳んだ。さっき俺が居た場所にミノタウロスの大剣が、地面に突き刺さる。だが流石にブレスに突っ込んだせいで火傷の痕が残っている。だがブレスに突っ込んだはずなのにピンピンしてやがる。


「ブモォォ!ブモォォ!」


ミノタウロスが大剣を横薙ぎに払う。俺はギリギリの所で避けて払い終わった腕に爪を突き立てた。爪で皮を切り裂くと奴の顔が苦痛に歪む。直ぐに大剣で反撃してくるがギリギリの所で避ける。


「ガァ!」


「ブモォ!?」


大剣を振り終わってガラ空きになった腕に俺は食らいついた。奴はまさか噛みついて来るなん思ってなかったようで驚いた顔をしている。


「グァ!」


「ブホォォ・・・ブロロ・・・」


大剣で腹を少し斬られたらが、危険を冒して噛みついた甲斐があった。牙の毒が上手く効いたようで奴の顔が青ざめていく。それに噛まれた腕は、壊死寸前なのか片手で大剣を握っている。完全にこっちが有利になった。あとは時間の問題だな。


ミノタウロスはフラフラとした足取りで向かって来る。そして大剣を振るって来るがさっきよりも遅く力がない。こうなったら簡単に倒せるな。


俺は大剣の柄を握りミノタウロスの腕の動きを封じる。そして首に噛みついて一気に力を入れる。


「ブロォ!」


(経験値480入手しました。levelが4に上がりました)


骨が砕ける音と同時に経験値入手のアナウスが聞こえた。これで厄介なミノタウロスを始末できた。ギューリーの所に援護へ向かおう。


俺が援護に行こうとギューリーの方を見るともう戦いは終わっていたそうでメイジとゴブリン共は、倒れていた。


『まだ来ルゾ!』


ああ!確かに気配が来ているな。数は多いがまたゴブリンだろうな。これなら勝てるはずだ。


「ギャギャ!」


「フゴ!フゴ!」


「キシィ!キシィ!」


『嘘ダロ!?』


おいおいマジかよ・・・ゴブリンは分かるが二足歩行の豚とワームまで追加されてるじゃねぇか!いやでも戦闘力はゴブリンより少し強い程度だ。数は・・・30以上は居てやがる。


『ワーム系統の魔物は見ル物全て食べヨウトスル魔物だ!何で協力シテルンダ!?』


そうなのか・・・もしかしたら裏で何者かが手を引いてるのか?だとしても何で俺らを狙ってるんだ?


『考エルのは後デダ!まずはコイツらを潰ス!』


そうだな。後で考えよう。


俺は爪を振るいゴブリン共を薙ぎ払って行く。ギューリーもオークからの攻撃を、盾で防いでカウンターで倒している。


「ギャ!」


「フゴ!」


「キシィィィ!」


(経験値120入手しました)


爪を振るう度に経験値入手のアナウスが流れる。着実に数は減らせてきている。だが何かおかしい。こいつら俺らを倒すってより時間を稼いでる気がする。あまりにも動きが単純すぎる。


(経験値190入手しました)


『チッ!鬱陶シイ!』


オークとゴブリンは全て倒れたが、何処から湧いてきたのか分からないが、ワームが増えている。


「グォォ!」


『助カッタ!』



ワームが・・・数え切れない程居るな。levelもゴブリンやオークを殺したお陰で6に上がったが、倒せるか怪しい。ここは一旦逃げるが勝ちだ!


ギューリー逃げるぞ!


『分カッタ!』


ワームのスピードなら追いつけないだろう。それに嫌な予感もするしな。


俺はギューリーと森の中へ走り出した。

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