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終焉の龍の卵  作者: レッドヴォルト
始まり
15/101

小鬼

ギューリーとグリフィンをたらふく食い散らかして新しいスキル、再生を入手することができた。再生はその名の通りで四肢の欠損などを治すスキルだった。だがlevelが低いうちは、部位や大きさによるがMPを大量に使い激痛が伴うと書いていた。俺もさっき左腕の神経を切られたからな・・・やるしかないな。MPはまだ余裕がある。あとは俺が痛みに耐えるだけだ。行くぞ・・・再生!


再生を左腕に使った瞬間、針で直接肉を刺された痛みが走ると同時にゴッソリと力が抜けた。


「グギャァ!?」


『どうシタ!?』


いや再生を左腕の神経に使ったんだが・・・めちゃくちゃ痛かった。MPも2割くらい吸われた。


『大丈夫カ?腕は動クか?』


俺は左腕を動かすと問題なく動かせた。再生、levelを上げたら使えるスキルだろうが、痛覚耐性とMPの消費を軽減させないと真面に使えないな。痛いのは嫌だが積極的に使っていこう。


『グリフィンって美味インダナ』


確かに鳥肉に近い味だが獣臭い。でも歯応えもあるし調味料さえあればもっと化けそうだ。


数分後にはグリフィンの死体は全て俺とギューリーの胃袋に入っていた。いやー食った食った。寝床はギューリーが、掘った穴で寝ることになった。それにしてもよく1人でこんなデカい穴を掘れたな。


『大変ダッたンダゼ。3日は掛ケタかな?』


次があれば俺も手伝うよ。2人でやった方が早いだろうしな。


『その時は頼厶』


ギューリーは剣と盾の整備。俺は何もすることがないから適当に岩や倒木を運んで簡易的なバリケードを作ることにした。ただ岩と倒木を集めて載せただけだが、結構しっかりとしたバリケードができそうだ。


『バリケードか。コレで夜モ安心シテ眠れるナ』


バリケードの見た目は貧相だが、耐久性はありそうだ。これなら小さい魔物に寝首を搔かれることもないだろう。これでグッスリと眠ることができる。


俺とギューリーはお互い壁の端により寝ることにした。明日も早いし早く眠らないとな。



俺とギューリーはグッスリと眠れたが朝起きるとバリケードの一部が破壊されていた。爪や牙ではなく何かで殴られて壊された痕跡がある。だが痕跡の大きさから見てかなり小さな魔物の仕業だろう。これなら数分で修復できるな。


『この痕は・・・ゴブリンじゃネェカ?』


ゴブリンってあの緑色で醜悪で間抜けなあのゴブリンか?


『ア〜その認識デ大丈夫ダ。デモ奴らは弱いガ間抜けデはない。油断シテいたラ足元を掬ワレルぞ』


ギューリーから話を聞いた感じ俺が知っているゴブリンと同じ認識で大丈夫だそうだ。でも馬鹿ではないらしく狡賢く物量で攻めてくるらしい。


『オイ感じタカ?』


ああ、確かに感じた。バリケードから2メートルは離れた茂みの中に6匹くらいの小さな気配を感じた。ギューリーが言ってたゴブリンか?


『コの気配はゴブリンだナ。上位種も居ル油断するナ』


上位種も居るのか。俺は分からなかったぞ。


『無理もナイ。気配ヲ消すのが上手イ・・・来ルぞ!』


茂みが揺れて小さな影が飛び出してきた。俺が想像していた通りのゴブリンだ。棍棒を持って突っ込んで来た。


『ウォーターアロー!』


「ギャァ!」


ギューリーが放ったウォーターアローが1匹仕留めたが、もう1匹が突っ込んで来る。俺は爪を地面ごと抉る様に振るった。するとゴブリンは呆気なく切り裂かれた。


(経験値20入手しました)


まあ首を斬られたら流石に即死だろうな。って危ねぇ!


茂みから俺の目を狙って矢が放たれたが、避けることに成功した。アイツは囮だったのかよ!


四方八方から矢が飛んでくる。ギューリーも盾で防いでるがお互い防戦一方だ。このままじゃ攻撃できないぞ。


『ウォーターウォール!』


地面から水の壁が現れて矢を全て受け止めた。


『長クは持たナイ!早ク!』


リトルブレス!えーとダークスフィア!


俺のブレスが茂みを焼き払い、黒い球体が炎の中を貫通して何かを粉砕した。


(経験値60入手しました)


経験値の量から見て4匹はやったな。あとは2匹だけだ!


『残リは上位種2匹だ!』


上位種2匹か・・・大丈夫か?って痛え!何だ!?


『敵ノ魔法だ!メイジが居ルぞ!厄介ダナ・・・』


魔法使いのゴブリンか。姿は見えないが気配は分かる。メイジを守るようにもう1つ大きな気配がある。多分だがもう1匹の上位種だろうな。


また魔法が飛んできた。土の槍が、俺の頬を掠めた。ギューリーも応戦して茂みに魔法を放つが反応がない。なら俺がインファイトで一気に潰してやる!


『俺も詰メル!』


ギューリーも茂みに盾を構えて突撃した。茂みに思いっ切り体当たりしてみると何かにぶつかった。ギューリーももう1つの気配に斬りかかった。


「グォォ!」


「ギャ!」


俺はぶつかった異物を、無理矢理跳ね飛ばした。数秒後に木に何かがぶつかり声を上げた。顔は見えない程ローブを深く被っており手には木の杖が、握られている。間違いないメイジだろう。


そしてメイジの隣でギューリーと剣を、交えているのは俺より一回りは小さな二足歩行の()()、ミノタウロスだった。おいゴブリンじゃねえのかよ!


俺はメイジよりもミノタウロスの方が危険と判断してミノタウロスに突進する。ギューリーも俺の行動に気づいたのか後に引いた。


メイジの相手は頼む!俺はコイツをやる!


『分かッタ!注意シロ!数回打ち合ったが強いゾ!』


「ブモォォ!」


「グォォ!」


確かにギューリーの言う通りだ。こいつは強い。早くコイツを倒さないとな。気配が集まって来ている。行くぞ牛野郎!

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