ギューリー
『頼厶!殺サナイデクレ!』
えーと一時休戦?てか俺って喋れるのか?言葉は分かるが喋れなかったら休戦できないぞ。聞こえてるか分からないが、休戦しようかリザードマン。
『ホ、ホントカ!?アリガトウ!サッキハスマナカッタ!』
まあ先に手を出したのは、俺だからな。こっちも襲ってしまってすまなかったな。
『イヤ、コノ世ハ弱肉強食ダ。逆二殺サナイデクレテ感謝シテイル。自己紹介ガ遅レタナ俺ノ名前ハ、ギューリー、リザードマンノ族長ノ息子ダ』
よろしくなギューリー。俺はオメガ、少し変わった黒竜の亜成体だ。
『オメガ・・・マア魔物違イダロウ。ヨロシクナ』
ギューリーは何でここに居るんだ?群れで暮らすって説明にはあったけど
『ソノ事カ・・・マア、オ前二ナラ話ソウ』
ギューリーは、少し暗い顔で語り始めた。
『俺ノ村ハ、滅ボサレタンダ』
(スキル、念話level1を入手しました)
念話を続けていたからか念話を入手できた。さっきよりも声が、聞き取りやすくなった。
それで何があったんだ?
『最近、魔物の活動ガ活発になってルンダ。前までは倒セタンだがな・・・1匹の魔物二村は滅ぼされタンダ』
俺のイメージだけどリザードマンって結構他の人型の魔物と違って戦闘力が高い筈だよな?魔法も使えるしそんな簡単に村が、滅ばされるのか?
『そうナンだ・・・リザードマンは他の人型の魔物ヨリも強いンだ。それに沼地は俺らリザードマンに有利ナ土地だ。だが奴ハ難なくリザードマンを滅ぼしタンダ。勿論上位個体ノ者も居たンだが・・・俺ヲ助ケルために・・・親父は・・・あいつらは・・・うっ・・・うっ』
・・・すまんなこんなこと聞いて。
『いや、イイんだ。俺がもっと強かッタら・・・親父は死ななカッタかも知れん。そして逃げた先が・・・この場所ダッたんだ』
・・・そう言う訳だったのか。もしよかったら何か手助けできないか?昔っから困ってる奴を放っておけなくてな。
『イイのか?なら・・・アノ魔物を殺させてくれ!俺は復讐ガしたい!』
分かった。俺もその復讐に協力しよう。まあ本音は経験値が欲しいだけなんだがな。それでその魔物の種族は、分かるのか?
『分かラないが・・・闇魔法デはない黒い魔法ヲ使ってたのハ覚えテル』
闇魔法じゃない黒い魔法か・・・世界の声は分かるか?
《はい。恐らく深淵魔法、もしくは死霊魔法だと予想されます。現場に向かえば魔法の跡から魔物の解析も可能です》
なら行くしかないな。手がかりがおいギューリー今から村の場所まで案内してくれるか?魔法の跡を解析して魔物の正体が、分かるかもしれない。
『分かった。案内シヨウ。俺モ皆の墓を作りたい。付いて来テくれ』
案内よろしくな。道中の護衛は任せろ。
俺はギューリー付いて行きリザードマンの村があった場所へ向かった。途中から地面が泥に変わっていき景色も森から湿地帯に変わっていった。魔物の種類も鳥や虫、蛙や魚等の湿地帯に生息する魔物に変わっているが、全て弱かった。スキルもゲット出来なかったしな。
『ここガ村だ・・・もう全部焼かれてイルがな』
・・・道案内ありがとうなギューリー。早速解析を頼む。
《了解しました。解析中・・・深淵属性を確認・・・現場から推測します・・・データと一致・・・解析終了。魔法を使った魔物の種類が分かりました》
早速教えてくれ。この画面ってギューリーも見れるのか?
《はい。見せたい相手に見せることができます》
ギューリー魔物の解析が終わったぞ。今から結果を表示するから一緒に見よう。
『分かッたのか!今行く!』
さてギューリーも来たし解析結果を頼む。
(サモンアークデーモン B+)
召喚されたアークデーモン。アークデーモンとは異なり1段ランクが落ちているが、それでも上級デーモンの名に恥じない力を持つ。サモンデーモンだが知能も高く深淵魔法も使えるため危険度が高い。
召喚された・・・デーモンだと?ならギューリーの村を滅ぼしたのはデーモンで滅ぼすように命令したのは召喚者ってことだ。一体何のために村を滅ぼしたんだ?
『俺は・・・俺ハ何故村を滅ぼシタのか召喚者二聞きたい。デーモンを痛メつけて主の名ヲ吐かせてやる!』
おいギューリー!今の俺らじゃ無理だ!相手は上位デーモンだぞ!一旦落ち着け!
『・・・ソレもそうだな・・・オメガ!』
どうしたギューリー?
『俺ヲ・・・仲間にしてクレ!俺は強クなりたいンだ!』
分かったよギューリー。俺も強くならないといけないからな。改めてよろしくなギューリー。
『こちらコソよろしくなオメガ!』
《眷属にギューリーが加わりました》
おい世界の声。ギューリーは眷属じゃないぞ!仲間だ!訂正しろ!
《・・・了解。仲間にギューリーが加わりました》
『オメガもう行こウ。墓も作った。早く強くりたい』
分かった。取り敢えず1度あの川へ戻ろう。
新たな仲間、ギューリーと共に俺は森へ戻ることにした。