87織姫と4人の彦星
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織姫と彦星は出会ったら先ず何をするだろうかと考える。
駐輪場上の憩いの広場で綾香は短冊を手に考えた。
季節は七夕。
今日は織姫と彦星が久々の再開を楽しむ日である。
しかしながら何故そんな出会いの日に、人は願いを託すのだろうかと綾香は悩んだ。
(何で他人様がデートしてるときに願いを書くんだ? だって久々に再開したらすることするだろうに、
そんな途中にあれやれこれやれ言われたら迷惑だろ……愚かな。なんと愚かなり人間よ……)
と考えつつ、願いを書く。
『好きな人と結婚して幸せになれますように♡ 子供は5人くらい欲しいです♡ 小林綾香』
「よし!!!!!!!!!!1」
駐輪場に設置された笹に短冊をつるす。
たぶん高くにあったほうが願いが叶うきがして、綾香は脚立を昇ると天辺に短冊をつるした。
「綾香―」
「その声は織姫!?」
「おん。俺も短冊つるそうと思って」
脚立の上から下を見れば、イヴも同じように短冊を手にしている。
脚立から豪快に飛び降りると、綾香はイヴにすりよって短冊を見ようと覗き込む。
「まだなんも書いてねーよ」
「何書くの?」
「うーん、そうだなぁ」
ペンを顎に当てて考える。
綾香とは違い、イヴの頭に浮かぶのは純粋な願いばかりである。
母親が安産でありますように。
家族が皆健康でありますように。
「うーん……」
色々と思いつくが、なんというか年寄り臭くて書くのを躊躇ってしまう。
今の自分は女子高生である。それならば、やはりそれらしい事を書きたいと思ってしまう。
「そうだなぁ……ぁ、決めた」
「なになに?」
『友達とずっと一緒にいれますように。楽しい想い出が増えますように。 六道イヴ』
随分と達筆な字で書かれる短冊に、イヴは満足げに微笑んでいる。
(友達とずっと一緒にいれますように……だと!? やはり織姫と彦星は結ばれる運命だったのか!?!?!?!??)
織姫の笑顔に、きゅんとした表情を見せる彦星。
「ね、ねぇ、イヴ……」
「おん?」
「こ、子供は何人欲しい……? わ、私頑張るから……」
(急にどうしたんだ、綾香は)
乙女ちっくに恥ずかしがる綾香に、イヴは熱射病にでもかかったのかと額に手を当てる。
熱は――ちょっとありそうだ。
「綾香ちょっと熱っぽくない。大丈夫?」
「大丈夫。常にお熱だから」
「夏風邪?」
「うぅん、これは――心の病だから」
(病んでんのか?)
綾香がちょっと何を言っているのかわからなくて、イヴはとりあえず短冊を笹につるそうとする。
どうせなら綾香がしたように上にやったほうがいいだろうと、脚立に手をかける。
短すぎるスカートが脚立を昇っていく。
綾香の視線が即座にスカートにくぎ付けになると、脚立に捕まる。
「脚立揺れないように抑えとくね!!!!!」
「おー、ありがと」
(うおおおおおおおおおおおお!!!! イヴの生パンチラ!!! 摂れたて新鮮生パンツ!!!!)
綾香の瞳にイヴのパンツが映る。
短すぎるスカートは昇ればすぐにでもパンツが見えてしまう。
(おぉ、織姫……今日は黒なんて履いて……いやらしい……ま、待てよ!?)
短冊に書かれた願い。
一緒にいたいという想い。
見せつけるように目の前に広がる景色。
(さ、誘ってんのか!??!!?!?? イヴは私のことを誘ってんのか!?!?!!?!)
「よいしょと。これでよし」
短冊を飾り付けると、脚立を降りてくるイヴ。
「イ、イヴ!」
「どした、綾香」
「き、今日は……今日は帰さないぜ……!!!」
「おん? どっか寄り道してく?」
「そ、そうだね。うん。密室系のところだね。うん、イヴの言いたいことは分かったよ」
「? カラオケでも行きたいの?」
疑問符を浮かべるイヴであったが、綾香は何故かもじもじとすると両腕を抱きしめている。
(やはり――七夕には願いが叶うのだな!!!! 織姫と彦星が出会ってすることをするんだね!!!!
小林綾香15歳、今日大人の階段を昇りますッッッ!!!)
彦星のつもりが、思いがけずシンデレラになってしまいそうで、綾香は身をよじった。
ピロン。
ラインの通知音がなり、イヴがポケットからスマホを取り出すとグルチャに連絡が入っている。
送信元は千鶴である。
『今夜皆で七夕会しない?』
「綾香、ちーちゃんが夜七夕会しようって」
「はいぃ?」
「面白そーじゃん。あ、美里と凛も来るって」
「え、あ、あの、わ、私との密室は……?」
「どうせならイツメンで集まったほうが楽しいじゃん?」
(楽しくねーじゃん?)
「放課後に駅の踏切集合だって」
「午前2時に踏み切りに望遠鏡担いでいけばいいの?」
「望遠鏡持ってるの? すげーな。時間は17時だって」
「あ、はい……わかりやした」
◇ ◇ ◇
午後5時、踏切に望遠鏡は担いでいかなかった。
いつものメンバーが踏切付近に集まると、一行は近くの高台を目指した。
高台は公園になっており、七夕のこの時期は大きな笹が飾られると人々が願いをつるしている。
高台の上にあるベンチに腰掛けると、それぞれが持ち寄ったお菓子を食べながら広大な空を見上げている。
「星……み、みえないね……」
長細いポテトのお菓子をカリカリしながら言う美里。
「そりゃまだ夕方だもん♡ 見えるわけないよ♡」
「でも、空も近いしそのうち一番星くらいは見えるんじゃない?」
千鶴も言いながらお菓子をぱくり。
「あーあー、織姫と彦星がイチャラブしようとしてたのにぃ。くっそ」
「綾香さん何か予定あったの?」
「あ、いえ、無いです……大丈夫です」
凛ならば悪口で返せるが、千鶴にそう言われると綾香は委縮してしまう。
もうすでにこの面子にも馴染んだが、凛とは違い、千鶴はどこか純粋で悪口を言い合える距離ではない。
乾いた笑い声をあげながら、綾香は悲しみのコーラ一気をキメた。
「どうせまたおかしなこと考えてたんだろ♡」
「おかしなことじゃないよ。私はただ純粋に自分の夢をだな」
「ぁ、ぁやヵさんは……な、何をお願いしたの……?」
「結婚して幸せになって子供作りたいって書いたよ。美里さんは?」
「ぇ、ぇっとね……ぃひひ……は、はじゅかしぃ……」
「みーちゃんは友達とずっと一緒にいたい♡ とか書いてそう♡」
「ょ、ょく分かったね……凛ちゃん……」
「あ、俺も同じこと書いたよ。この面子とずっと一緒にいてーなぁって」
「り、六道さんと……ぉ、同じかぁ……ち、ちょっと嬉しい……ぇへへ」
5人もの女子高生が集まれば、話題は尽きることがない。
他にどんな願いをしただとか、きっとこのまま皆一緒にいるだろうだとか、大学にいっても一緒にいたいだとか。
好きな人と結ばれたいだとか。
話ているうちに日は少しずつ傾き、やっと暗さが落ちてくる。
周りには同じように天の川をみようと見物客たちがみえている。
しかし、まだ空には星は輝きそうにない。
それならばと凛は輪から少し離れると、スマホでどこかに電話をかけている。
「りーん、電話?」
「ちょっと待ってて♡ 今バイト先に連絡してるから♡」
「今日バイトだったのか?」
距離を置いた凛が何やら話している。
会話はほとんど聞こえないが、口元を覆っているのでよほどに聞かれたくないことなのだろう。
「うん……小型の……それっぽく見えるように…………5分後に……」
電話を切ると、凛はいつもの笑顔で戻ってくる。
イヴの腕を掴むと、凛は暗くなりつつある空を見上げた。
「まだ星みえないな」
「ちょっとこのまま皆で空見てようよ♡ 凛ね、流れ星が見える気がするの♡」
「そこまで見えるほど空綺麗じゃねーだろ」
「いいからいいから♡」
凛に言われるがまま、皆が空を見上げる。
空にはやっと一番星が見えて、少しずつ星たちが見えてきたくらい。
「ぁ、」
美里が声を漏らす。
「何か見えた?」
「ぃ、今ね……な、流れ星……」
「え、どこどこ?」
美里が指さすほうに皆の視線が集まる。
するとまた一つ。
また一つと流れ星が落ちていく。
「うわ! マジだ!」
「だから言ったでしょ♡」
「ね、ね……み、みえた……でしょ?」
「まさか流れ星見れるとは思わなかったね」
「……こういうのなら、皆で見れたほうが良かったな」
なんて呟く綾香。
イヴと二人きりで織姫と彦星デートを考えたが、こういう皆での七夕もいいかもしれない。
というか、いいに決まっている。
皆で集まって、まさか流れ星を見れるなんて、滅多にあることじゃない。
きっとこのことはずっと覚えているだろうし、将来皆が大人になったときも話題になる気がする。
「また来年も、見れるといいな」
「大丈夫♡ 凛ちゃんがいる限り流れ星は見えるよ♡」
「まるで凛が流れ星操ってるみたいな言い方だな」
「うふふふふ♡」
流れ星に。願いを込める。
ずっと。
これから先もずっと。
「来年も見に来ようぜ。またこの面子でさ」
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