57夢かなう
「わぁー、ほんとうにトロトロになってる♪」
きゃっきゃ言いながらトロミのついたお湯を掬うイヴ。
その指先からゆったりと絡みつくように落ちていくお湯に、綾香はもうたまらない気持ちを覚える。
「なんて……なんてえっちなんだ……」
思わず声に出てしまう。
「ちょっとローションぽいよな。二人してローション塗れとかえろいな」
笑うイヴ。
別にそんなつもりはないのだろうが、とろとろのお湯に包まれているせいでやたらとイヴが妖艶に見えてしまう。
掬っては指先をすり抜けていくお湯。
「それにしても、綾香も本当に体つき変わったよなー」
さわさわ。
そのもやし体形は以前とは別物。
ちょっぴり筋肉質になった綾香は少しだけ逞しく思える。
まるで女子ランナーのような体系。余分な脂肪を削ぎ落したような、素晴らしきラインである。
「そ、そうかなぁ(鍛えて良かった!!!! 鍛えて良かった!!!!)」
するりするりと指先が這う。
とろとろのお湯のせいで、その触り方までいやらしく感じる。
「まー、でもまだココがたりないけどな」
揉ッッッ!
「ぴぃ!!!」
Aの象徴を揉みしだかれ、綾香は変な声が出てしまう。
「ほれほれ、ここがええのんか、ええのんか」
「あぁ、もっと、もっとお願いします!!!!」
「あはははは、AVみてーだな」
「で、ですね……」
ふざけるイヴに『この小悪魔め』と睨む。
ちょっと視線を下げれば、そこにはイヴのものが存在感を強調している。
「今度は私の番だから……」
揉ッッッ!!!
「やん♡」
「指先が!!!! 沈んだだと!!?!?!?!??!?」
「まー少しでかいからな!」
「あぁ、こんなこんなことが……」
指先がイヴの脂肪を掴んでいる。
指先がイヴの皮膚に直接接触している。
指先がイヴの乳を直接!!!
「ちょっと、触りすぎだって……」
「もうちょっと、ちょっとだけだから、ちょっとだけだから」
イヴの顔を見れば、赤くなって下を向いてしまっている。
時折こぼれる声は女らしすぎて、触っている綾香まで赤くなってしまう。
「だ、だめだから。もう、綾香!」
綾香の手をイヴの手が退ける。
(なんていやらしい顔してんだ!!!!!!!! こんなの男だったら即○○不可避じゃねーか!!!)
「もー! めっ!」
デコピン。
でも、痛くはない。むしろご馳走様な気分である。
幸せなやりとりとしつつ、綾香の目は泳ぐ。
そう、すでに夢は叶った。だが、夢の先を綾香は目的にしてしまった。
桶の中には、お湯対策のフリーザーバッグにいれられたスマホがある。
「あ、そうだ。音楽聞きながらお風呂でもいい?」
「いいよー」
「じゃ、お言葉に甘えて」
そっとカメラを起動させる。
いじっているふりをして――イヴのほうへ!!!
カシャ。
「ん?」
「……」
(バレた!? さ、さすがにまずかったか……!!!???)
「今写真撮ったろ?」
滝汗。
「あ、あ、あ、あ、あの……そにょ……」
イヴの手が伸びる。
スマホを取り上げられるのか、怒られるのか、それとも殴られるのか。
今になってやってはいけないことをしてしまったのかと、綾香は後悔にかられる。
グイ。
「え?」
「なぁに写真とってんだよスケベ。ほれ、どうせならもっといいの撮ってやるよ」
スマホが取り上げられる。
身体が、顔がイヴのほうへと引き寄せられる。
くっついた顔、くっついた肌。
イヴはお湯を掬うと綾香の顔に垂らす。
そして、頬にイヴの唇が――。
カシャ。
「どう?」
「……」
撮られた写真を確認する。
あわあわとする綾香の顔には、とろみのついたお湯が垂れて、頬にはイヴが噛みつこうと唇をつけている。
「えろくない?」
「とっても……とっても……えっちだと思います……」
「誰にも見せるなよ! お風呂の写真とかめっちゃはずいんだからな!」
「もちろん!!!! これは私の一生の宝だよ!!! 一人でベッドの中でしか見ないよ!!!!!」
「なんか、それはそれで違う意味に聞こえて嫌だな……」
「ぐへへへへ」
「さて、そろそろあがろうぜ」
「あ、はい」
先に浴槽から立ち上がるイヴ。
(!!! こ、これは――!!1)
立ち上がったイヴの身体に絡み着いたとろとろのお湯が流れていく。
まとわりつくお湯が、身体をすべって、ぬるぬるしていて、そのスタイルに張り付くようで。
大きな脂肪の塊から落ちたお湯の雫たちが。
「おい、綾香また鼻血」
「い、イヴのせいだよ」
「なんで?」
「だって……いや、いい。あがろう」
「?」
◇ ◇ ◇
お風呂からあがると、二人で代わりばんこでドライヤーをかけた。
綾香は至福を噛んでいた。至福を噛み続けていた。
こんなことがあっていいのだろうか、こんなに幸せでいいのだろうか。
髪を乾かし終わると、イヴは思い出したように膝を叩いた。
「い、いいの?」
サンドイッチの時間である。
「いいっていったじゃん。ほら、おいで」
「お、お邪魔します……」
太ももの上に頭を預ける。すると、顔の上にはイヴの乳が覆いかぶさる。
「う……うぷ」
「気持ちいい?」
「最高です……最高です……」
「綾香は時々男みたいになるよな」
「多分前世は男だったんだと思う……」
「ははは、そうかもな」
イヴは前世が男である。
だからこそ、男を好きになれないし、女にはなったが女といるほうが楽しいと思える。
綾香に前世の記憶があるのかどうかは分からないが、もしかしたら本当に。
「イヴは前世なんだったと思う?」
埋もれながら聞く。
「そうだなー。俺も前世は男だったかもね。一人称俺だし」
「でも、イヴが一番女の子らしいと思うけどな。凛さんよりも、千鶴さんよりも、私よりも」
「そうだったら嬉しいな」
前世が男だからだろうか、イヴはその影響もあってより女らしくありたいと願う。
せっかく女に生まれ変わったのだから、女の子を楽しみたい。
可愛くなってみたい、綺麗になってみたい。
せっかくの転生を楽しみたい。新しい人生を楽しみたい。
「イヴってさ」
「うん?」
「なんか、大人だよね」
「どうして」
「こうやって、私のこと甘えさせてくれるし……私だけじゃない凛さんも千鶴さんも」
「だって、皆友達だし、親友だろ。普通じゃね?」
「そうかな……」
「まーでも、皆俺のこと好きすぎてるけどな」
なんて笑う。
一瞬、気持ちを見透かされてしまったみたいで、綾香はドキッとしてしまう。
自ら綾香は太ももから離れる。
なんだか自分が子供に感じてしまう。
甘えてばかりいる自分が小さく感じてしまう。
それほどに、イヴは母性に溢れているように思えてしまう。
「ねぇ、イヴ、私も膝枕してあげる」
「本当? じゃ、遠慮なく」
長い金髪が、麗しの輪郭が、綾香の太ももに横になる。
「どう?」
「うん。癒される、でももうちょっと脂肪つけたほうがいいけどな」
「が、がんばって太るよ!」
「そーしな」
あと何時間、こうしていられるだろう。
いつかはこんな時間も過ごせなくなってしまうのだろうか。
綾香は思う。何故なら同じ思いをした少女は、綾香以外にも二人いるのだから。
「綾香、撫でて」
「うん」
「ずっとこうしていたいな」
「ずっと、こうしていたいね」
指先を金色が流れていく。
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