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175デート

「デートじゃねぇのかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


「公の場で絶叫すんなおかっぱ♡」


 デートなんていうもんだから……。

最強に気合を入れてオシャレして、香水つけて、メイクして、勝負下着をつけてきていた綾香は、高すぎる夏空に絶叫した。

 てっきり二人きりでのきゃっきゃうふふなデートかと思えば、姿を見せたのはイヴだけではなく、凛も一緒だ。


 想像では――。

久方ぶりの二人きり、何も起こらないわけもなく。。。

二人で待ち合わせして、水族館なんかいったりして。

カフェでおしゃべりして。ウィンドウショッピングして、時間も良い頃になって。

スペシャルなディナーを迎え、雰囲気もできあがると二人のはじめての夜。


「なんて想像してたのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」


「うるせぇ♡」


「え、なんで? なんで凛さんもいるの? ばかなの? あほなの?

え???? 帰っていいよ??? うん、秒で。なう、なう帰宅。ゴーホーム!!!!」


「今日はどこ行くのイーちゃん♡」


 公の場で叫び声をあげる綾香を放置し、凛はイヴの腕に自分の腕を絡ませるとそそくさと歩き出す。


「無視してんんじゃねぇえええええええええええええええええ。

あ? 試合決定か? 試合決定するか?

今ここでやってもいいんだよ綾香ちゃんは。あ? グローブなしでいいよ。素手でやりあおう、凛さん」


「綾香ー、さっさと行くぞ」


「はーい♡」


 イヴに一言言われただけで、綾香はその矛を収めるとスキップしながらイヴの隣へとつく。

反対側に凛はいるが、それでもイヴと過ごせる時間は綾香にとって最高に嬉しいものであることに変わりはない。


「ねぇ、イヴ」


「おん」


「竜司って誰?」


「ヴほぉっ♡」


 いきなりのぶち込みに、凛は盛大に噴き出すとゲホゲホと荒い息をあげている。

流石綾香。ある程度の行動予測などはしていても、それをさらに上回るのが綾香クオリティである。

深呼吸してイヴのほうを見てみれば、イヴは一瞬顎に手をあてて考えた素振りをし、綾香へと顔を向けた。


「俺の前世の名前なんだよ。舞依は前世の彼女。いろいろ迷惑かけたよな。すまん」


 綾香に対し、深々頭を下げるイヴ。


「なーんだ、そういうことだったのか! あーびっくりした。

どこの馬の骨の名前かと思ったよ。

イヴの前世の名前なのね、りょーかい! 綾香ちゃん理解しました!!!」


 ビシッと敬礼してみせる綾香。へへへと頭を掻いて照れたような表情のイヴ。

これだけのやりとりでいいのかと首をかしげる凛。


「え、今ので全部OKなの?♡ オールオッケーなの?♡」


「うん、疑問は解けたし。竜司はイヴの前世の名前なんでしょ?」


「おん、そうだ」


「えぇ、綾香ちゃん飲み込み早すぎ♡」


「そっかー、イヴは前世の記憶があるの?」


「おん、あるぞ。俺っていうのも前世の名残だな。前世男だし」


「そっかー。イヴには前世が……前世は男かぁ……」


 随分と間を置いて、綾香の頭の中に流れた情報に整理がつく。


「イヴに前世が……イヴは前世の記憶を持っている!?!!?!?!?!?

前世は男だと!?!?!?!??!!!?!?!?」


「だからそう言ってんじゃん」


「ふぁー!!!!!!!!! まじ!!!!! イヴに前世の記憶が!!!!!11

え、そんなことあるんだ!!!! あるんだ!!!!!!!!」


「すげーよな。俺も最初びっくりしたもん」


「まああああああああああじいいいいいいいい。クソっ!!!!!!!

イヴが前世男だったなんて!!!!!!!!! あー、まじもう、まじもったいない」


「なにが」


「イヴに……イヴにち〇こがついていたなんて」


「よし、綾香ちゃん一回落ちつこ♡」


「イヴにあれがあれば!!!!!!!! いろいろと!!!!!!!1 まじであれができたのに!!!!」


「こりゃデートより先に受診が必要だね♡ 頭と精神のな♡」


「はぁー。前世のイヴも見て見たかったなぁ。きっとイケメンだったんだろうなぁ」


「もうその話はよせよ。今はただの六道イヴだ。俺は俺だ」


「イヴはイヴか。ってかさ」


「ん?」


「凛さんは知ってたの?」


「知ってた♡」


「なんで?」


「そりゃーあたしがメインヒロインだから♡ え、綾香ちゃん自分がモブって自覚なかったの?♡」


「よーし、凛さん。殴り合おうか。バチバチにやりあおうか。私が主役って思い知らせてあげるよ」


「かかってこいよおかっぱ♡」



次話は26日更新




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