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149精力メニュー

 食卓を囲む爺とアラサー女性、そしてJK。

目の前にある食事は――随分と豪勢なものに見えた。


 ニンニクを効かせに効かせた鶏肉の揚げ物。

 うなぎの白焼き、薬味マシマシ。

 貝類を存分に使ったスープ+こちらも薬味マシ。

 チーズ、ナッツ、アボガドで埋まったサラダ。


「さぁ、たーんとおあがり♪ かすみさん特性精力マシマシメニューよ♪」


 まるで仏壇にあげるような山盛りの白米を盛りつけると、イヴへとよこす。


「病みあがりでこんな食えるかなぁ」


「若いんだからお食べ♪ それともあーんしてほしいの?」


「……いただきます」


「そこはあーんしたかったぞ☆」


 なんかウザいなこのナースと思いつつ、イヴはうなぎの白焼きをつついてみる。

なんだろう、薬味が存分に効いているせいかうなぎの味が際立っている。

ご飯にも合う味で、これだけで白飯がいくらでも食えそうである。


「へー料理うまいじゃん」


「だてに花嫁修業してなかったからね。ちなみに今日のメニューは全部精力メニューだからね」


「んだなぁ、オラのマイサンも数十年ぶりに元気になりそうだ!」


「爺は黙って食えよ。飯がまずくなる」


「男性だけじゃなくて、女性にも効果あるんだから! きっと今日のイヴちゃんは感度3000倍になるわ!」


「おめーも下ネタいってんなよ、飯時に」


「あぁん、一回りも年下に怒られちゃった☆ てへぺろ★」


「てへぺろとか久しぶりに聞いたわ」


「アラサー舐めんな☆★」


 がぶり。

 はもはむ。

 ちゅぷっ。

 ズズッ……。

 しょむしょむ。

 がぷ……。


 たいそうな量が用意されていたはずが、いつの間にかそのほとんどを食い尽くしてしまっていた。

病み上がりで身体が食事を求めていたのか。

それとも味の薄い病院食だったので、こういった食事が嬉しかったのか。


「田中さん料理うまいな、全部くっちまった」


 指についた汁を舐め、満腹のげっぷを吐き出す。


「でしょお☆ それと、田中さんなんて他人行儀よ☆

これからはカスミンって呼んでいいんだぞ☆」


「田中さん、さっさと食器片づけて」


「あぁん! イけずぅ!」



 ◇



「かゆいところはありませんかぁ? もしくは気持ちいいところはありませんかぁ?」


「わざとらしく当ててくる乳がうざいかな」


「やん、イヴちゃんたら☆」


 食後、一人で入浴していたはずなのに慌ただしく駆ける音がしたと思ったらかすみが入ってきていた。

即座に全身を泡だらけにしたかすみは、現在イヴの背を流している。

ただし、その手にスポンジもタオルも握られてはいない。


 背に当てられる柔らかい感触。

そこそこにデカい大きさのかすみの脂肪がイヴの背中を上下している。


「もう洗えただろ、流してくれる?」


「あ、ちょっと待って、私が気持ちよくなってきたから」


 シャワーの蛇口を捻り冷水をぶっかける。

かすみは『ぴぎゃぁ!』という驚いた豚のような声をあげると、やっとイヴから身体を離す。


「マジであたしの貞操が危うく思えてきたわ」


「大丈夫☆ かすみさんが守護ってやるよ☆」


「てめーに奪われそうなんだよ」


 本当は久方ぶりの自宅の風呂にゆっくりと浸かりたかったが、かすみがいると何をされるか分かったものではない。

さっさと泡を流すと、逃げるように風呂場から去るイヴ。


「あぁ、待って☆ いいとこだったのに!」


「うるせぇ痴女! 看護婦なら看護婦らしくしろ!」


「看護婦兼イヴちゃんの性欲処理機だぞ☆」


「しね!!!!!!!!!」



 着替え終わるとかすみは本来の看護婦としての役割を果たした。

イヴの体温や血圧、酸素飽和度などを測定するとタブレット端末に記録していく。


「頭痛がするとか、眩暈がする、身体のどこか異常はない?」


「これから田中さんがずっといると思うと頭痛がするな。眩暈もするな。

鳥肌も立つ」


「異常なし、と」


「異常しかねーわ」


「ところでイヴちゃん、看護婦と患者のイケナイ恋って魅力的だと思わない?」


「思わないし、終わったら席を外してね」


 何をいおう、測定しているこの場所はイヴの部屋。ベッドの上である。

ベッド上に対面して座っていた二人はパジャマ姿で並ぶと、まるで仲の良い友達同士にも見える。

しかし、あくまで関係は患者と看護婦である。


「ダメだよ。このあとは触診もしなきゃだから」


「頭打ってんのにどこを触診するの??? っていうか看護婦だよね、触診は医者のすることだよね?」


「大丈夫だから、ちょっとだけだから。先っぽだけだから」


「大丈夫じゃないし、さきっぽって何のさきっぽなの?」


 パジャマのボタンを外そうとしてくる手をイヴの手が掴む。

病み上がりのせいなのか、それとも純粋にかすみの力が強いのか、イヴは徐々にベッドへと押し倒される。


「少しだけだから、触診するだけだから」


「だから頭打ってんのに、何でパジャマ脱がす必要があんだよ」


「いいから、いいから、おねーさんに任せて。優しくするから」


「ダメだ、やっぱアンナのいうようにイカレ野郎ばっかりかもしれねぇ!!!」


「え、イキたいって? 任せて!!!!!!!!!」


「てめーも頭診てもらってこい!!!!!」


ポイントおなしゃす!!!!!!!


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― 新着の感想 ―
[一言] やべーー!!!下ネタのオンパレード!!!!!。 田中かすみ=(凛+ユリカ)÷2 この計算式が当てはまると愚考致します。
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