106べいびーどぉる
いよいよシンデレラコンテスト用のポスターが学内に掲示された。
総勢10名の立候補者の内、すでに数人の生徒のポスターが張り出されている。
「な、なんだこれは……」
登校していた綾香はその写真に息を呑む。
張り出されたポスターのほとんどは制服姿である。
クラスではそこそこの人気があるであろう女子生徒たちの姿。
振り返る笑顔だったり、花を持って微笑んでいる姿だったり、放課後の教室で寂しげな表情になる姿だったり。
女子高生という武器をフルに使って撮られた渾身の一枚たち。
その中で、一枚だけ異色の写真があった。
まるで周りが制服で撮られることをあらかじめ知っていたように――
一枚だけ制服ではないポスターが張られている。
「わー、あれ生徒会長だよね、可愛いー」
通りすがりのグループがそんな声をあげる。
綾香はその顔を引きつらせながら生徒会長である南沢桃子の写真に釘付けになっていた。
そう、南沢桃子一人が、制服を着ていなかった。
その姿は――
ベイビードール。
桃子だけが際どいラインを攻めまくったベイビードールの服装をしていた。
黒いベイビードールを着た桃子が棒つきのキャンディーを持つと、ちっちゃな舌でキャンディーをペロリとしている。
「なんだ……この清純的エロ豚は!!!」
周りが制服姿だというのに――桃子は攻めすぎた格好をしている。
黒いシーツの上で女の子座りする姿は、女子でも少しドキッとしてしまう姿だ。
そしてその表情も――ずいぶんと艶めかしいものである。
半分だけ開かれた眠たそうな目。力が抜けたようなだらしなさを感じるが、確かな目線がポスターを見るものへと向けられている。
セクシーさを感じる。
しかしながら、その幼児体系が見事にエロさを中和すると、ほどよい可愛い女の子へと仕上げている。
「綾香ちゃんおはよ♡」
「り、凛さん……」
「わ、コンテスト用のポスター張られたんだ♡……なんだ、あの豚は?」
声をかけてきた綾香同様に凛の顔も引き攣る。
「生徒会長……南沢先輩の写真えぐくない?」
「えぐいっていうか……なにこれは♡ 下着メーカーの素材にでもなったつもりか♡」
「どうしよう……」
「どうしようったって♡」
ポスターの中で目を引くのは間違いなく桃子の写真である。
他の生徒たちもそれはそれはモデルのようで、絵になっているが、それにしても桃子の写真は目立ちすぎている。
制服姿の中、唯一あるベイビードール。
あからさまにセクシーなその写真は男子だったら確実に投票したいと思えるものだ。
「凛と綾香じゃん、おはよ」
「イヴ……」
「イーちゃん♡」
ポスターに釘付けになっていた二人に、生徒会長に喧嘩を売られた本人が姿を見せる。
イヴもまた二人同様にポスターを見るが、真っ先に視線が向けられたのは勿論桃子の写真である。
「うわー、パイセンすげーな。超可愛い」
「「可愛くない!!!」」
二人の怒鳴り声が重なる。
「え、なんで? パイセンかわいーじゃん。めっちゃエロく感じるけど、子供っぽいからほどよい感じしない?
しかも周りが制服ばっかだから超目立ってる。飴舐めてるってのもなんか卑猥だけど子供らしさもあるし」
ライバルだというのにイヴはそんな相手を褒めちぎる。
そんなイヴのポスターはまだ掲示されていなかった。
写真は存分に撮ったが、まだポスター掲載用の一枚は決めかねていたのだ。
「どうしよう凛さん、これじゃ負けちゃう……私のイヴが負けてしまう!!!!」
わなわなと涙を流しながら敗北を感じる綾香。
凛は顎に手を当てて考えるフリをする。
「確かに、ももちゃん先輩が目立っている――だったら!」
キラン☆
目がとてつもなく輝く。
「これに負けないセクシーなイーちゃんを撮ればいいだけじゃないの!?!??!?!??♡♡♡」
凛の一言に、綾香の心の中の何かが弾ける。
「凛さん……あなた、天才か」
「うふふふ♡ 凛ちゃんはかしこいのよ♡」
「だったらさっそく撮りましょう!!! イヴのドスケベ写真を撮りまくろう!!!!!
イヴが〇〇〇〇〇して〇〇〇〇〇で〇〇〇〇な最高な写真を撮りまくろう!!!!!」
先ほどまで泣いていた綾香が、今度は鼻から赤い液体を流しながらそのテンションをあげていく。
「もっちろんよ♡♡♡ 超絶スタイルがよくてボインなイーちゃんなら、ももちゃん先輩なんて簡単に殺せる写真が撮れるに決まってる♡♡♡
さぁ、イーちゃん!!! そうと決まったら撮影の再開よ!!!!
こんなこともあろうかと凛ちゃんミラーレス持ってきてるから♡♡ 放課後さっそくハ〇撮……撮影会しよう!!!」
「さすが凛さん!!!!111 私もこんなこともあろうかとたまたまイヴに超絶似合いそうなセクシーな衣装を持ってきてるから!!!!
こうなったらイヴの魅力で全生徒を――いえ、学園の全員を惚れさせる写真を撮ろう!!!!!!」
いつもはいがみ合う二人が、これ以上なく意気投合している。
イヴを置いて盛り上がる二人は、共通の敵と共通の目的を持つと、恐らく最初で最後の握手まで交わしている。
「俺あんまりエッチなのはちょっと……」
「イヴ!!!これ勝つためなの!!! イヴのこの超絶ボイン様を使えばあの憎き生徒会長を倒せるのよ!!!」
ここぞとばかりに綾香は後ろからイヴの乳を鷲掴みにする。
「ちょ!! 綾香!!!!」
いきなり乳を鷲掴みにされて頬を染めて叫ぶイヴ。
「そうよ!!!! ももちゃん先輩なんてイーちゃんのこのナイスボディに勝てってこないわ♡♡♡」
正面からイヴの乳を鷲掴みする凛。
「やっ……! ちょ、凛も! ふ、二人して乳揉むな!!!」
イヴのデカくてふわふわな乳を楽しむ二人。
いがみ合う二人が、また同じように鼻血と涎を垂らすと、その手の感触に集中している。
「イーちゃん、ももちゃん先輩に勝つんでしょ♡♡ イーちゃんが負けないって言ったんでしょう♡♡♡」
「そうだよおおおおおイヴ。これは負けられねぇ戦いなんだよぉぉぉお。イヴだけじゃない、もう私らの命もかかってんだよぉぉぉお。
あぁ、ふわふわでやわらけー……」
「分かったから! 分かったから!!! もう乳を揉むなぁ!!!」
朝から乳繰り合う三人に、周りの生徒はポスターよりも頬を赤らめる金髪美少女を見て、同じように頬を赤らめていた。
一言でもいいので!!!
感想おなしゃす!!!!
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