表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/27

聖剣伝説

 ゴッッ!!


 突然、聖剣の(つか)が俺の口元を激しく殴打した。


「クゥア」


 俺は思わず叫んでいた。激痛に目が覚める。しかし、その暴力はさらに激しさを増し、俺の顔面をぐちゃぐちゃにどつき続ける。


 ゴッゴッゴゴゴゴゴッッ!!


「うばしゃあああ」


 口から(ほとばし)る鮮血。濃い味。マジで痛いです。やめてほしい。


 あ、でもこれって「テンプレート」を破壊しようとしてくれてるのか。


「なっ、その剣は!? このクソチーギュ、剣を離しなさいィッ!!」


 マイコ・ラスが叫んでいるけど、俺は何もしてないし動けない。聖剣リイグスターが意思を持ってるのか知らんけど勝手に暴れてるんだ。


「止まらないなら! テメエの腕ごと叩っ斬ってやるよォォー!!」


 ズバグッ。


 向かってきたマイコ・ラスを、聖剣は一刀両断にしてみせた。こいつマジでやりやがった。


「がッ……」


 肩口から真二つにされたマイコ・ラスは崩れ落ち、絶命。


「きゃああああッ!!」

「ラスさんが!!?」

「チーギュ・エルドレッド……えげつねェ……」


 ガキュッ。


 返す刀で、俺の(あご)も吹っ飛ぶ。痺れるような感覚が走り、リイグスターは俺の顔面ごとテンプレートを取り出した。


 ザギャギャッ!!


 宙に浮いたテンプレートは、俺の歯茎ごと微塵(みじん)切りにされた。えげつねェのはこの聖剣リイグスターのほうだ。


 刹那、暗転。


 出血で俺の意識が途切れたのか? いや「不死(アタナトス)」のスキルがあるから、それは違うだろう。


≪宇宙の法則が乱れる!≫


 また視界に出たよ謎字幕。と思った瞬間、俺は蒼い宇宙にいた。


 調子が悪いPCに出てくる機械語(スクリプト)のような、記号混じりの英単語が、俺の視界を駆け抜けていく。


「どうなってんだ……」


「私が『宇宙の理(テンプレート)』を破壊したからです」


「えっ? 誰?」


 謎の空間に突然、女性の声が響き、俺は狼狽した。


「私です。聖剣リイグスターです! テンプレが壊れたから、今は私も話せるみたいね」


「リイグスター? 剣が意思を持ってるのか」


「そう。チーギュ・エルドレッドさん、そしてアル様! この時をずっと待っていました。私の体に伝わってきます……懐かしい何かが」


 懐かしい? どういう意味だ?


「すみません、話は後ですね。おそらくは今からラスボス戦に突入します」


「ちょ待てよ。ラスボスって何?」


「チーギュ……いえ、『山田一郎くん』。あなたにとっての敵は、『この世界そのもの』なんですよ」


≪スキル「次元斬(フロントドア)」を使用します≫


 ザンッ!!


 紙を破るような音を聞いたかと思うと、リイグスターは目の前の空間を切り裂いてしまっていた。


「さあ、今やこの世界に『セーブポイント』はありません。覚悟はできていますか!?」


 聖剣の声は、何故か少し笑っているように聞こえた。


「セーブが無いなら、覚悟もクソもないよ」


(おっしゃ)る通りです。では、この空間の外へ!!」


 俺は超音速で空間の裂け目へ突入。




 超展開ッ!! 宇宙は、山田はどうなってしまうのかッ!!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ