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14 鑑定石2

「次は私がやりたーいっ!!」


 親バカ丸出しの発言をするルーガスと、それをそうとも言い切れない程の数値を示したフィンク。

 ともに誇らしげに微笑んでいたのだが、ここでエミリーが我慢出来ずに割って入った。


「お兄ちゃんがすごいなんて分かりきってるじゃない!今更よ!今更!」

「まぁ確かに」


 なんとも見も蓋もない感想ではあるが、的を得ていると頷いてしまうロイド。

 そんな妹弟にフィンクは苦笑しつつも、それでも信頼を感じる言葉に嬉しさも感じていた。


「そうだね、先に使っちゃってごめんね2人とも。ハードルを上げすぎてやり辛くなってしまったなら謝るよ」

「ははっ、比べようとも思ってねぇよ。さすが兄さん、で片付く話だわ。むしろ少しは慢心して俺達が追いつくのを待ってもいいんだけど?」

「あり得ないね。まだまださ」


 フィンクのからかうような発言にロイドは軽く返す。むしろこの兄が平均レベルならこの世界ではまともに戦える気がしない。

 フィンクが努力しているのは家族全員が知っている事だ。ロイドも負けじと頑張ってはいるが、その背中は変わらずに遠い。


「よーし!んじゃいくわよ!」

「………」


 そんな軽口を叩く兄弟を脇目に早速エミリーが鑑定石に手を向けて魔力を注いでいた。

 兄弟はなんとなしに目を合わせて苦笑し合い、エミリーに目を向ける。


「んんっ…!まだ足りないの?!」

「頑張ってねエミリー」


 魔力量が厳しくなってきたのか、額に汗をびっしり浮かべて叫ぶエミリー。


 シルビアが応援しつつ何か魔法を発動させようとしているが、それをルーガスが無言で手で制する事で遮る。シルビアがルーガスに目を向けると、

 ルーガスは何も心配してないと言わんばかりに表情を変える事なくエミリーを見ていた。


 先程のフィンクの魔力量の表示からすると750減少していた。元々一切減ってないとするならこの鑑定石の起動には750ほど必要であり、同世代の魔力量の平均では到底足りない量でもある。

 それに気付いていたシルビアが身体魔法の高等技術の1つである『魔力譲渡』を施そうとしたのだが、ルーガスの表情を見て無言で手を下ろした。


「こんにゃろぉおっ!」


 もちろん、エミリーはそんじょそこらの少女ではない。ウィンディア家から長女にして、その名に恥じぬ能力を身につけつつある才女だ。

 才能と努力を兼ね合わせ、風の妖精などという呼び名まである彼女に起動出来ない訳がない。――気合いの掛け声は妖精のイメージには似つかないものではあったが。


 そしてついに、掛け声に応えるように鑑定石に文字が浮かび始めた。


「で、出来たわっ!」

「うむ、よくやったぞエミリー」

「ふふっ、さすがエミリーだわ。余計な事をしようとしてごめんね」


ん?余計な事って?と首を傾げるエミリーに、なんでもないと言わんばかりに頭を撫でるシルビア。

 エミリーもそんな事より褒められた事が嬉しいのか猫のように目を細めて気持ち良さそうに撫でられている。


「さて、文字が出てきたな」


ルーガスの言葉にはっとしたようにエミリーが鑑定石に目を向けた。それにつられるように全員が目を向ける。


==========

魔力量 100/850

魔法適性 風100 火65 水25 土5 身60

スキル 風魔法適性

==========


「凄いじゃないエミリー」

「えへへっ!当たり前でしょっ!」


表示されている数値はフィンクには劣るもののかなり高水準と言えるだろう。得意げにするエミリーをシルビアは再び頭を撫でてあげる。


「姉さんは火の適性が高いんだな。扱うのは見た事あるけど、こんなに高かったんだ」

「そうだな、今度は火魔法の稽古をしても良いかも知れん」


 ロイドの独白に近いセリフにルーガスが反応し、今後の教育について思案していた。

 ロイドはなんとなく「風の妖精」という通り名もそう長くないかも、と内心呟く。そんな事を考えていると、フィンクが肩をポンと叩いてきた。


「それじゃそろそろロイドもやってみよう」

「ん?おう、そうだな。起動出来るか自信はないけど、やるだけやってみるか」


 正直姉のエミリーがギリギリで起動させる程の魔力を自分が持っているとは思えなかったロイドだが、挑戦するだけしてみようと鑑定石に近づく。


「大丈夫、ロイドならいけるさ。というよりこの為に父上が無理して取り寄せたんだし、やってあげないと可哀想だろ?」

「ぅえ?そーなん?」


思わずルーガスに目を向けるロイドに、ルーガスは頷く。


「無理をして、かは別としてロイドに使わせるのが目的で借り受けた物なのは確かだな。

ーーお前の魔法適性や、場合によってはスキルによるものが原因で魔法が使えないのではないかと思ってな」


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