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辛くて愉快な珍道中 区長視点②

「私は18歳の自分で言うのも何ですが、その、性別は女になります。その、こんなと言うかこういう状況で女が出て行くと目立ってしまうのではと顔を隠し男装をして参加していました。」


何とチョウと言う少年は少女であった!

ほんのり頬を染めて恥じらいながら説明するチョウは可愛い!驚く程可愛ゆい!!

通った控えめな鼻すじ、ふっくらとした色の良い唇、艶のある明るい赤毛と言う名の茶色い髪、この戦闘服でこの可愛さじゃ!是非国の姫姫達と同じ格好をして貰いたい。元々出されていた二重の目と合わせると国の三本の指に入る可愛さだろう。


顔を隠して男装は正解じゃ!大正解じゃ!この男どもがひしめき合ったむさ苦しい所で、一輪の花が見つかったら危険すぎる!


「以前此処の近くで温泉に入った事があったので、少し綺麗になりたくて、でもバレて沢山の男の人に囲まれたりしたら怖いので、黙って出かけてしまいました。サルは心配してついてきてくれました。あの、本当にごめんなさい。」


美少女はペコリと頭を下げた。


許ーっす!!

もう誰が何と言おうと許す!

ワシの頭の中では白い鳩が青空の中飛び立つ。

こんな可愛い娘子なのにあんな戦場に出されて可哀そうにのぅ。

少し視界がボヤける。く、涙腺が、年かの、、。

そして両手を胸の前に合わせ握り、視線をやや下に送る美少女をもう一度よく見ようと瞼をより広げた。


さぞ怖かったろうに。あんなに鬼に囲まれて血の海を作って、、


ん?血の海を、、、


作る?


危なかったー!

ホントに危っっない!!

ワシの鳩達は何処かに飛んで行った。


この娘子はあの鬼の大群を血の海に沈めた倫理観が異常サイコパスじゃよ!!おかしいじゃろ!この細腕で怯えた目もせずバッサバッサ鬼を切断しまくる美少女とか!不気味すぎるじゃろ!


ワシの頭の中はどでかい大嵐の真っ最中じゃが表情は穏やかを保てているはず。


視線を左右に振れば銀さん銀さんの緊張が解けている。


ーー騙されおって。

と悪態は心の中で。

此れはワシの負けじゃの。この話は此処で打ち切らねばなるまい。

ワシは悟った。


この3人は色んな意味で危険じゃが、強さは申し分ない。鬼に対しての反応も見る限りでは繋がっているとは思えない。見た目はまだ大人とは言い難い姿で、後ろ盾もない様に思えた。

一瞬だけ目を閉じて思案する。

そして、このワシの元で働くならまずは様子を見ようと彼らに向けて口を開いた。

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