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勇者がお手伝い  作者: こたつねこ
アマゾネス、戦う
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アマゾネス、風で戦う

 屑魔石が魔獣に反応して光っているのを見つけた。調べてみると魔石自体じゃなくて、一緒に含まれている何かの鉱物と魔石が混合して光っているみたい。

 

 これってやはり魔力に反応しているのかな? これを使ってレーダーっぽい物が作れないかな? 私はとりあえず別の水晶玉を作り、その中に光る元の粒子を含ませるイメージをする。全体的に均等になる様に作ったら全部光った。何で?

 隊員の人に私に反応しているみたいな話をされたから、私の魔力に反応しているのかも。うーん、粒子を薄くすればいいのかな? 私がいる中心の位置だけが光るまで調整してみた。それを持って魔獣に近づくとまた全部が光っている。

 

 その後、外周部と中心部の粒子の濃度を色々調整して、何とか試作品一号が出来た。それをアランさんに見せると、すごく喜んでくれた。今までで一番素晴らしい発明だと。ちょっとー、もう少し褒め方ってあるんじゃない?

 二つも水晶玉を持つ訳にはいかないよね? GPSになっている水晶玉にレーダー機能をくっ付けてみたら問題無く作動した。うーん、ますます機械っぽくなったけど、アランさんたちはすごい魔法だと喜んでくれたのでこれで良しとする。

 

 この班は私が居るし、その私が色々と魔法を試してたので他の人たちより遅れている。それでも、大丈夫だ問題ないとアランさんは言ってくれたから安心する。それが原因だったのか分からないけど、私たちが付く頃に中央部では大変な事が起きてた。



  ●〇●〇●〇●〇



 先行した他の人たちの班と、魔獣の群れが戦っている所に私たちは送れて到着した。戦っている魔獣の群れはアリ型がメインで、それよりも大きいアリの魔獣とムカデ? みたいな脚がいっぱい付いている魔獣が居た。

 普段ならムカデの、しかもあんな大きい姿を見たら失神してる自信がある。もしかして魔獣じゃない虫も居るかも知れないけど、でも今は何となく平気だった。魔獣というのが大きいかも。そんな群れが坂道にいっぱい。上の階層から降りてきたらしい。

 

 アランさんは短く戦闘準備を指示し、私には戦闘に参加せず、長針弓の装填を頼んだ。昔見た戦国時代の火縄銃の弾込めみたい。私は急いで補給物資の中から特殊針の束を取り出し、いつでも装填出来るように準備する。

 最初に隊員の人が打ち終わると、持ってた私の長針弓と交換して新しい針を装填し始める。自分では落ち着いているつもりでも手が震えて、上手く開口部を開けない。それでも深呼吸を一つして装填していく。

 

 もしもこれが火薬を使った武器なら、煤も掃除しないとダメなんだよね? でもこれは水蒸気を使った魔道具らしくて、少し水で濡れているだけ。掃除の手間が掛からないことに感謝して、どんどん交換と装填を続けていく。

 やっといる内にコツをつかんだので余裕が出来てくる、ついでに隣の班の人の分もやってみた。いきなり交換してくる私に驚いてたけど、助かると礼を言って受け取ってくれた。もっと頑張ろう。

 

 

 それでも少しずつ魔獣が押してきているのが分かる。アランさんは何も言わないけれど、私の方をチラチラ見てる。もしかして、私に氷結の魔法を使わせるか迷っている? 確かに一部だけを凍らせても効果は薄いかも。

 それでも使うなら早めにしないと、他の隊員の人たちを巻き込んじゃう。一部だけ凍らせても押し止められない。どうしたら……。

 

 うーん、穴を掘って……、それだと何か洞窟が崩れそうなのでダメ。あっ、そうだ、柱を立てちゃおう。アランさんに言われてたから、最初に大声で説明した。そして手遅れにならない内に、魔獣の群れと隊員の人たちの間に柱を念じる。

 

 えーと、百本でいいかな? 柱よ、出ろー、出ろー。

 

 にょき! って感じ石で出来たゴツゴツした柱が乱立した。魔獣がぶつかっても簡単に折れなくて一安心。それでも一際大きいアリの魔獣がその大きな牙を使って削り折っている。私は慌てて追加する。

 それで群れの速度が鈍くなったみたい。魔獣が進む速さより、倒す速度が上回ったことによって余裕が生まれた。これなら大丈夫だよね? その後は、たまに柱を追加しながら交換と装填を続けた。



  ●〇●〇●〇●〇



「助かったよ、トウカ、ありがとう」


 アランさんを初め、カールさん、ブルーノさんや他の人たちから礼を言われた。

さすがにちょっと照れる。でも、私たちの班がここに到着が遅れたのも私のせいだから、あまり喜べないんだよね。


 何とか魔獣の群れの殲滅が終わり、中継地点の基地の設置前に魔獣の死骸の後片付けをしてる。変なニオイもするし、ここに置いておくと別の虫を呼び寄らてしまうからと説明された。普通の虫だと私は見れないと思う。

 少しならそのままにする特殊針も、さすがにここまでの数だと補給が大変なので魔獣から取り出すらしい。取り出した死骸を遠くに捨てに行く人たちと、針を取り出す人たち、私もお手伝いしようとしたら止められた。

 アランさんが言うには、今の内に水晶玉の改良をして欲しいらしい。それならばと水晶玉を持っている人を全員呼んで、端からレーダーの機能を付けていく。私の作業を不思議そうに見てる人に、機能の説明するとものすごく驚いてた。

 

 調整にちょっと時間を取られたけれど、何とか出来たと思う。出来上がった水晶玉の端で、何個かの光の粒がウロチョロしてるのが気になる。この近くではないけれど、上の層で単独行動している魔獣がいるみたいだね。

 出来上がるたびに、中心の光は私だと説明し、邪魔になってごめんなさいと謝っておいた。見てる人たちは何だそんなことか、と笑っていた。

 

 数時間かすると魔獣の後片付けが終わり、それからやっと中継地点でのテントを立てることになる。でも、そのまえに魔獣の体液のニオイが気になる。他の人は慣れたといってたけれど、私が無理だったので水鉄砲の魔法で洗い流した。

 濡れた地面は温風で乾かし、まだ漂っていたニオイを気流を作り出してこの層の奥、死骸を運んだ方に向かって流した。色々疲れたので、食事前にお風呂に入る事をアランさんに無理やり許可してもらった。

 

 なんだかんだと言っても、隊員の皆さんも疲れていたんだろう。私が作ったお風呂に喜んで入っていた。私はその端の方で壁付きの一人風呂を満喫してた。あー、後で洗濯も考えた方がいいかな? 洗濯魔法を作っちゃおう、乾燥機も。

 

 私はテントで寝る時の為にパジャマ代わりの貫頭衣を用意しているのだけど、他の人は制服を着たまま。本部基地に戻った時にでも川に行って洗濯するらしい。とりあえず、アランさんの他、五人ばかり捕まえて上着を脱がす。

 土で丸く洗濯桶みたいな形を作ったら、制服を放り込んで、汚れが落ちやすいと思って熱湯を入れた。それから水流で時計回りと逆回転を交互に繰り返し、しばらくしたら取り出して水を絞る。

 それを脱がせた人に渡して裾を両手で持ってもらい、裾の方から温風を当てる。風で膨らんだ服が吹流しっぽくなっていた。それでも特に問題無く乾燥出来たみたいで、綺麗になったとアランさんは言っていた。でも下履きはダメです。

 

 その日からお風呂に入っている最中に服を洗い、下着と下穿きを穿いたまま、上着を手に持ち、全身に温風を当ててもらうのが当たり前になった。洗濯魔法は私が大変だと言う事で、隊員が各々で服を洗うことになったらしい。

 

 あ、虫の体液って血液みたいに冷たい水じゃないと落ちないかな?

 

 

 

 

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