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勇者がお手伝い  作者: こたつねこ
アマゾネス、戦う
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アマゾネス、土で戦う

 二回目の魔石洞窟はレナード隊長さんたちも一緒だ。洞窟の外に本部を置いた本格的な攻略になる。私は前と同じでアランさんと他二名と一緒に入る事になる。今回は大人数なので午前中で最下層を調べ終えるみたい。

 

 前回も不思議に思ってたけど、地図もコンパスも持たずに良く道が分かるよね?

 そんな事を私の後ろに歩いているアランさんに聞いてみた。すると普段は照明を持っている先頭の人が地図を見ながら歩くらしいんだけど、皆は道順を覚えてしまったらしい。

 すごい、私ではあっと言う間にはぐれそうなのに。ではこの洞窟全体の地図もあるのかと聞くとまだ無いらしい。そんな話を聞いて、自分が今どこに居るのか知るためと、地図を記録するのに必要な魔法をちょっと考えてみる。

 

 スマホだと衛星からGPSで? 人工衛星作ってどうするの。うーん、前に登山が趣味の人が持ってたコンパス、方位磁針だっけ? あれを考えながら、スマホの現在位置を知るためにどうしてたかを参考に想像してみる。

 どちらが北か南か分からないけど、一定方向に向いたまま移動経路を残していくようにガラスの玉の中に色を付けていく。中は方角に合わせて自由に動かすために持ち手になる外側の玉と二重にする。何かスノードームみたいになったかな?

 

 作った水晶玉を持って近くをうろうろ歩いてみる。動きに合わせて私の位置を中心に移動経路が分かる様になった。玉の端まで行くと消えちゃうから、それは紙に書き写さないと駄目だなぁ。見た目は魔女の水晶玉みたいになって楽しい。

 

「……それは歩くと道が分かるようになっているのか?」

「はい、ちょっと作ったばかりなので問題があるかも知れません。遠くに行き過ぎると端の方が消えちゃうので紙に写さないと駄目ですね」

「どんな魔法なんだ……」

「あれ? そういえば水晶や硝子って何になるのかな? 土?」

「土か、今度は砦で割れた窓硝子を作ってもらう事になるかも知れんな」

「あはは、そうですね」


 窓ガラスを作る職、ゲットだよ。



  ●〇●〇●〇●〇



 それから試しにアランさんや他の人に持たせてみても問題無く作動? した。機械じゃないけど、機械っぽい。アランさんは何も無い所から魔道具を作るって反則だろうって言ってだけど、魔道具ってどうやって作っているの?

 アランさんは長針弓の針を一本を私に寄越して同じ物を作ってみてくれと言ってたけど、この鉄って特殊な物だよね? それに鉄って高温で溶かして形を作るんでしょ? 悩みながら坩堝を作って熱し始めた私を慌ててアランさんが止めた。

 

「炎は使ってくれるな。それにその水晶玉は普通に出てきただろう?」

「──そうでした。ちょっとやってみます」


 うんうん唸りながら目の前に針が出てくる事を祈ってみる。

 

「隊長、壁で光ってる屑魔石が小さくなっていきます!」


 その声に驚いてそっちを見たら、カチーンと足元で音がする。視線を下げるといつも見てる針に似たものが地面に落ちてた。拾い上げてよく見ると、いつもの特殊針に見える。それを驚いて見ているアランさんに、はいって手渡す。

 

「まさか、周りにある魔石から取り出して作っていたのか?」

「良く分かりませんが、そうなのかなぁ?」


 おお、すごいなぁと言いながら針を調べてたけど、強度を測るために力を入れたら、くにゃって曲がってしまった。

 

「……」

「……どうやら人の手によって鍛えないと使い物にならないみたいだ」


 針職人には成り損ねたみたい。

 

 それでも一日目の終了時に本部で報告すると隊長さんは水晶玉に驚いてた。ぜひ全班の分を作ってみてくれと頼まれたので、せっせと内職に励む。後から聞いた話だと、ガラスは砂にも混じっている鉱物で、多分地面の土から取り出したのだろうと聞かされた。

 自分でも水晶なのかガラスなのか分からなかった。適当に透明な水晶をイメージしてたから。それでも十個以上のなんちゃってGPS水晶玉が出来た。さすがに疲れたよ。作ってはうろうろ、作ってはうろうろして試してたからね。

 

 でも、そんな苦労の甲斐があったのか、隊長さんを初め、皆さんが喜んでくれて食事時のおまけが多くなった。何だか明日も頑張れる気がするね。



  ●〇●〇●〇●〇



 水晶玉作りでで疲れたと思われたのか、お風呂を作るのは免除された。私も入りたかったから、別に良かったのにねぇ。

 

 それぞれの班が水晶玉を持ちながら、二階層を目指して再び洞窟に入って行く。私たちの班もゆっくり入って行く。そろそろ魔獣の群れが出るらしい。隊長にも無理はするなと釘を刺された。虫の群れは見たくないから言うとおりにします。

 二階層への階段、というか坂道は、最下層中央付近にあって、二階層までではなく。山の中腹辺りまで伸びている。その坂道の登り始め付近に中継地点を作るのが二日目の主な仕事らしい。そのためにそれぞれの班での荷持つが多い。

 

 アランさんは私にはいつも通りでいい、と言ってくれたんだけど、私だけ楽するのは嫌だったから、頑張って持ってみた。そうしたらアランさん初め、皆さんが微妙な顔になってた。やっぱり少なかったからかな?

 照明を持つ先頭の人、GPS水晶(仮)を持つ二人目、荷物持ちの私、後方警戒のアランさん、坂道まで問題無く行けるらしい、けど注意を払うのを忘れてない。そんな中、私は別の魔法を考えるのに夢中になっていた。

 

 虫の群れを見るのが嫌だ。なら見なければいいじゃない。そうだ虫除けを作ろうと思ったけれど、殺虫剤や虫除けスプレーの成分が分からなくて困る。下手に適当に毒煙なんて作ったら自分たちにも被害があるからね。

 虫が嫌がるものってなんだろうね? そんな事を延々と考えていたらアリの魔獣が出たと先頭の人が叫ぶ。慌ててそちらを見ると一匹だけのそれでも一メートルを超える大きくてトゲトゲしたアリが居た。

 

 私は長針弓に手を当ててアランさんを見ると、こちらを見て首を振り、前に行ってしまった。私はまだ使っちゃだめらしい。でもアリの魔獣を見ても嫌悪感は感じなかったんだよね、何でだろ? トゲトゲしているからかな?

 アランさんは冷静に長針弓を向けると頭に向かって二発を打ち込んでた。金属に無理やり杭を打ち込むような音がした後、アリは地面に伏せた。どうやら倒せたらしい。何気なく近くの壁を見ると一ヶ所光ってた所があった。

 いつもよりちょっと明るい壁の石はアリが倒れたと同時にいつもと同じ明るさになった気がした。

 

 うん? アランさんがナイフで突いてアリが死んだのか確かめている。それを横目に壁で光っている石を取り出せないかと念じてみる。そうすると少し盛り上がったと思ったらポトリと取れた。

 

「どうした嬢ちゃん? それは魔石のクズだから使い物にならないぞ?」


 水晶玉を持ってた隊員の人が私に石の価値を教えてくれる。

 

「これって何で光っているのか、不思議になって見てたんですよ」

「嬢ちゃんが入ってから光っているんだ、案外嬢ちゃんに反応しているのかもな、ははは」

「まさかー」


 でも、本当に私……の魔力? に反応しているのだったら? 取り出した石を手に持ちながら先を進むことにした。次に現れたアリの魔獣の時、攻撃にするために前に出たアランさんの直ぐ後ろで、攻撃が終わるまで石を見ていた。

 アリが出た時は確かにいつもより明るい、それに倒し終わると明るさが元に戻った。

別の普通の大アリの時は光は普通だった。それよりも大アリが怖かったよ。魔獣の識別と言う意味では私が適任のようです。

 

 そんな事より、虫除けを考えていたら魔獣が近くに居ると分かる魔法が出来そうな気がした。

 

 

 

 

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