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勇者がお手伝い  作者: こたつねこ
アマゾネス、戦う
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アマゾネス、水で戦う

 炎がダメなら氷でいいじゃない。

 

 そんな考えから的を凍らせてみた。アランさんの反応を見ると中々の様子。でも戦闘中に使うのは時間が掛かり過ぎて使いにくいとか。だって、凍らせるなら水分が必要でしょ? だから初めに水分を集めて温度を下げるしかない。

 そんな私の説明にアランさんは魔獣だって体に血が流れているんだから、それを凍らせてみれば? と即答。おお、確かにそうですね。私、うっかりしてました。

森の近くに生えている木で試してみたら、確かに凍り付いて亀裂が入った。


 的が木製でも乾燥してたから気付かなかったんですよ……

 

 ああ、何てことでしょう。私は氷結の魔術士になってしまったのです! そんな私の喜びも、アランさんは魔法の使用前に何を使うか言っておけ、と特に賞賛も無く私に指示しただけでした。ちぇっ! もっと褒めてもいいんじゃない?

 

 その後は私が色々考えて使おうとした魔法のダメ出しをされた。風は味方も吹き飛ぶ。水も同じ。土を弄ると洞窟が崩れる。え、氷結の魔法だけしか使えないの? 昔の記録にある魔法では強すぎて使えないそうです。



  ●〇●〇●〇●〇



 凍らせるアイデアは良かったから、他にも何か出来ないか考えてくれ、と私に言うだけ言って、アランさんは隊長の所へ報告に行ってしまった。狭い洞窟で使える魔法なんて、簡単に私に考え付ける訳ないのにねぇ。

 

 うんうん悩んでみても、そう易々と良いアイデアなんか出てこない。とりあえず疲れたので自分の部屋で少し休むことにする。ちなみに外での行動の時は水着を着てる。肌触りが良いのもあるけど、布で作った下着では心配だったから。。

 もしも外での行動中に雨が降ったり、水辺での戦いがあった時など、服が濡れて透けてしまい大変な事が起きるのを防げる意味もある。アランさんたちにはどちらでも大変かも知れないが、少なくとも私は安心だからね。

 

 ああ、そうだ。今の内にお風呂に入ろう。というか入りたい。今日まで体や髪の毛を濡れた布巾で拭くだけだったからね。他にも色々あるけれど……。とりあえず風呂桶どうしよう。外で壁作って目隠しして、湯船作ってお湯を貯める?

 うーん、他の人に説明しないといけないよね。そこまで面倒な事はしたくないから大きな桶でも借りられないか聞いてみよう。良く話しをする炊事場の人に聞いて見ると洗濯用の大桶があるらしいので、お願いして借してもらった。

 

 洗濯場に置いてあった桶は一メートル半弱くらい? 深さが五十センチくらいのもので、私がお湯に漬かって体を洗うには十分な大きさだと思う。でも、どう見ても重そうだ。運べないし、ここで入るしかないかな? と思ったら簡単に持てた。

 自分の理不尽な力にちょっとだけ悩んだけど、お風呂に入るという目の前の欲望には敵わなかった。肩に担いでる私を他の人が変な目で見てたけど、キニシナイ!

 

 自分の部屋に運び込んで、扉を閉めてカギを……無い。あー、カギを使うような女性は私だけだし、今まで必要とされた事もなかったんだろう。でもどうしようかと迷ったけど、入る前にはノックするよね? 大丈夫、大丈夫。

 それから桶を部屋の片隅に設置して、この前やったみたいにお湯を出す。人肌よりちょっと熱いお湯よ、出ろー。

 

 さらさらと桶に溜まっていくお湯を見ながら、そういえば石鹸あったかな? と思い出す。洗濯用は有りそうだけど、お風呂用はどうだろう。お風呂が用意出来たら誰かに聞いてみよう。そんな事を考えている間にお湯が溜まった。

 湯船をそのままにして、おなじみの炊事場の人に石鹸のような物があるかと聞いて見る。さすがに食べ物の油汚れを扱うので知っていた。と言うか普通に店で売っているらしい。この砦には商店は無いけれど、色々な種類があると説明してくれた。

 私向きの、良い香りがする物を特別にいただいた。こちらでは蠟石と言われているらしい。なるほど、蝋燭みたいにも見えるかもね。もらった蠟石の中に何かの花びらが散りばめられていた。お、お高い物じゃないの、これ?

 

 さっそく部屋に戻り、お風呂に入る準備をする。戻ると湯気が部屋中いっぱいになっていた。湿気は良くないよね。少し窓を開け、魔法でゆるい気流を作って湿気を外に排出する。石鹸よし、お湯よし、ふき取り用の布よし、入るぞー! 

 

 服を脱いで湯船に入る。さすがに腰より少し上くらいまでしか漬かれないけど、久しぶりのお風呂が嬉しい。ぬるくなると熱いお湯を足していく。では今度は石鹸で体を……洗った後、すすぎのお湯をどうしよう? お湯があふれてしまう。

 うーん、湯船のお湯をどこかに捨てるまで考えてなかった。目先の欲に目が眩んで、後先考えない自分の行動に呆れた。でも後悔はない。そうだ、窓から水鉄砲の様に飛ばせばいいんじゃない? ちょっと遠くに飛ばす必要があるけど。

 

 お湯を空中に持ち上げる想像をすると、ソフトボールぐらいの水玉が浮かび上がる。水鉄砲じゃなくて、これでいいやと水玉を人が居ない方向に飛ばした。これでよし。それからは私は石鹸で体を洗い、汚れたお湯を窓から飛ばしまくった。

 もう一度、新しいお湯で体についた泡を洗い流して窓からポイっ。もう一度新しいお湯を貯めてあったまる。そのお湯を窓から……。

 

「トウカ! この部屋から変な玉が飛んでいるって皆が……」

「えっ? きゃああああ!? アランさんノックしてよ!」


 ビュウウウウウ!!

 

「あばばばばばっ!」


 こうして私は水鉄砲の魔法が使えるようになりました。

 

 

 アランさんはノックもしないで女性の部屋に入った事、裸の私を見た事等を謝ってくれた後、こんな所で風呂なんか入るな! と逆に私が怒られました。今度からは洗濯場の一部に壁を作って、そこでお風呂に入るように言われました。

 

 ……ついでに他の隊員の分も出来ないか? と頼まれ、結局は十人くらい入れる湯船を土で作り、それにお湯を貯める事が出来たので、私の仕事が風呂焚き? 係になりました。皆さんから感謝されたのでいいですけど。

 

 アランさんに使った水鉄砲の魔法だけど、アランさんは関心を示して、どのくらいまで出来るか? という感じで色々やってみた。まず水源が必要であり、水の近くか、私が水玉を作って水量を確保してから実験を開始する。

 大きな水玉を作れば水鉄砲も強力になった。水玉を熱湯にすればそれだけで武器になる事、飛距離はそれほどないけど、飛んでる鳥にも使えそう。前見た映像では宝石の粉を液体に入れて噴出せば硬い物も切れるんだっけ? まあ今はいいか。

 

 何故か野営時にはお湯を作ってシャワーみたいな事もやったりした。皆は大喜びしてるし、私も使う事にする。お風呂に眼が眩んでシャワーも忘れていたよ。最初からシャワーにすれば、お湯を捨てる手間も少なかったのにね。

 初めの時も思ったけど、作った水を飲んでも別に問題ないみたい、それからは樽で持って行く水の量も減らすみたい。飲み水、煮炊き、お風呂、色々使えて皆さんはすごいなぁと褒めてくれるんだけど、アランさんは微妙な顔をしてた。

 

 そんな事があった日から十日ほど経つと、改めて魔石洞窟への遠征が決まった。水問題が改善されたのもあって、今度は六十人くらいになるらしい。アランさん、カールさんの他にブルーノさんとレナード隊長さんまで一緒になるらしい。

 

 本格的な洞窟の攻略とあって、私も緊張してきた。

 

 

 

 

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