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Y1 国王の謝罪

サブタイのYとは、勇者サイドのことです。勇者サイドといっても、誰か分からなかったら、読者の

皆様には何のことやらさっぱりだと思うので、勇者サイドの時には必ず、「ーーーside 〇〇」というのを付けておきます。忘れてたら教えて下さると助かります。主人公が出るのは次ですかね。

ーーーside 桐翳葵


私達は神凪君を逃がすことに成功したらしい。


らしい、というのは、聞いた話だからです。どういうことかと言えば、話は神凪君を逃がしたところに遡りますーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神凪君を逃がした後、私達は兵士達と戦っていました。この場に居たということは、それ相応に強い実力を持つ側近・・・近衛兵とでも言うべき人達でしょう。おそらくはLv1の勇者よりも強いはずだと思われます。それに私達勇者は、召喚された当時の時と装備が一緒です。つまり、肉弾戦もしくは魔法で戦うしかありません。


どれくらいやっていたのでしょうか。10分?30分?それとも1時間?分からないけれど、私達はどうにか時間稼ぎが出来ていました。私達の方が、多少数が多いとはいえ、近衛兵を相手に出来ていました。相手がそれほど弱いのか、或いは私達が勇者だから手加減をしているのか・・・とにかく、このままもう少し時間を稼ごう、と思った瞬間、


「っ!?」「うっ!」「ぐぅ・・・」


皆が次々と倒れていきました。相手の攻撃は受けていないのに、です。これは一体・・・?


「ふぅ、ようやく魔力切れが起きてくれたか。」


兵士達の中でも強そうな人がそう言いました。魔力切れ?もしかしてステータスのMPが切れたら倒れちゃうの?


「君達が勇者だから傷つけるわけにもいかなかったし、魔力切れで倒れてくれるのなら好都合だ。・・・それに、私達も本意では無いからな。」


最後の方に何か言っていた様ですが、上手く聞き取れませんでした。そして私も魔力切れが起き・・・気が付いたら、皆と共に豪華な部屋に居ました。どうやら私を含め、全員が気絶したところで、使用人達が皆を部屋に連れて行ったらしく、そこで、神凪君が逃げ切ったことを知ったのです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神凪君が無事だったのが嬉しいですが、あの国王様は酷すぎます。・・・よくも私の神凪君を・・・。おっと、今のは聞かなかったことにして下さい。とりあえず神凪君をあんな風に扱った以上、私達はあの国王様に協力する気が無くなりました。・・・しかし魔王を放置しておくと、他の罪もない人達が犠牲になってしまうかも・・・どうしたらいいのでしょう。


そんなことを思っていると、


コンコン


と、扉をノックする音が聞こえました。扉を開けるとそこには、この国の王女様がいました。


「どうしたのですか?王女様」


「あの・・・お父様が酷いことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。しかし、お父様は本当に国民のことを考えておられるのです。それにお父様は感情的になるとたまに行き過ぎた事を言ってしまう癖があるのです。きっと今回の件、お父様も冷静になって考えてくだされば、カンナギ様を追うことはしないはずです。ですからーーー」


その続きは、他でもない噂をされていた人物、国王様によって遮られました。


「待ってくれ、リンシア。それ以上は余が言わねばならん事じゃ。」


「お父様・・・」


・・・国王様は一体何を言うつもりなのでしょうか?


「まずはお主達に謝らねばならん。この度は本当にすまなかった。先ほどリンシアが言っておった通り、余は感情的になると少々過激なことを言ってしまう癖がある。余も冷静に考えてみれば、あれがやり過ぎであるとすぐに気付いた。確かにカンナギ殿があの場にいたのは、勇者だと思っておった我らに責任がある。にもかかわらず、余はカンナギ殿にあのような事をしてしまった・・・これが許される事では無いのはわかっておる。相応の処罰を受けるつもりじゃ。それに、カンナギ殿の口封じをするのは止めるよう、この国の兵士にも厳命する。ただ、これは余の我が儘で、お主達にしてはならぬものだとも理解しておる。しかし、どうか魔王討伐に協力してはくれんか?余が国民のことを大切に思っているのは事実なのじゃ。信じてもらえるとも思ってはおらん。じゃが!どうか、どうかこの通りじゃ・・・」


そう言いながら、国王様は私に・・・いえ、いつの間にか集まっていた私達に向かって、深々と土下座をしたのです。頭に被っていた王冠も、着ていた豪華なマントも脱ぎ、国王としての尊厳までかなぐり捨てて、私達に土下座をしたのです。・・・まさかここまでやるとは思いませんでした。神凪君にあんな事をしたのが、例え国民を守る為でも絶対に許しませんが、魔王討伐になら協力してあげようと思いました。皆はどうするのでしょう?そう思い皆の顔を見ると、


「国王だって好きでやってた訳じゃないし、まぁ魔王を倒すくらいは手伝ってやっても良いんじゃないか?」


「やったことをちゃんと反省しているのなら、それくらいは協力しますよ」


「皆やるの?じゃあ私も!」


どうやら皆もやる気があるようだ。


「分かりました。魔王の討伐、協力しましょう。」


「おぉ・・・本当にありがとう。そして、すまなかった。」


「ただし」


「え?」


私が付け加えると、国王様も王女様も、クラスの皆でさえも驚いていました。


「先ほど国王様は、相応の処罰は受ける・・・と仰っていましたよね?」


「そ、そうじゃが・・・」


「あ、ま、待ってください!それはせめてお父様の夢が叶ってからにして頂けませんか!?」


王女様が真っ青になって私に懇願してきました。でも私は容赦なく要望を突き付けます。


「駄目です。それでは遅いので」


「そ、そんな・・・」


「だって国王様の処罰はーーーちゃんと神凪君に面と向かって謝ることだからです。」


「・・・え?」


またしても皆がポカンとしています。私は何かおかしいことでも言いましたか?


「そ、そんなことで良いのか?」


「はい。それで神凪君は許してくれるかは分かりませんが、少なくとも王としては処罰になるでしょう?」


『・・・』


皆が固まっています。私、別に変なこと言ってませんよね?


「・・・分かった。余もカンナギ殿にはちゃんと謝りたかったのだ。その罰、しかと承った。」


こうして私達は魔王討伐に協力し、国王様もまた、神凪君に謝ることになったのです。

今までで1番長いんじゃないでしょうかw何故勇者サイドの時に・・・って思いますよね。私もそう思います。でも勇者サイドは一気にやりたかったんです。どうか許してください(土下座)

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