第132話 それでいいのか王女様?
どうにか前よりは少し早めに書けました。とは言え、もう既に0時回ってますけどね(~_~;)
しかも、今回そんなに話が進まないという、、、
「・・・って、訳でな。少女達にあんなことしたのも、ミルに酷いことをしようとしたのも、全部自分の娘にもう1度会って謝りたいがためにやったことなんだ。」
俺はミルに、一通りの説明をし、そう締め括った。
「そうだったのですか・・・でも、結局リーク様のお陰でもう1度会えたのですよね?」
「まぁな。」
「お凄いですっ!リーク様、とてもお凄いのですぅっ!そのようなことがお出来になるなんて、とっても凄くて凄いのですっ!」
「お、おい、ちょっと落ち着いてくれ。」
何か知らんが、ミルは興奮しまくって語彙力がヤバいことになってる。
「はっ!?も、申し訳ないのです・・・取り乱してしまったのです・・・」
「まぁご主人様が凄いのは本当ですから、そうなるのも仕方ありませんね!」
今まで空気になっていたニノが、何故か自慢げに語る。
正直、今話に介入されるとややこしくなりそうなので、もうしばらく黙っていて欲しいんだが・・・
と、そんな思いを汲み取ってくれたらしいココが、俺に小声で聞いてきた。
「のぉ、リーク。妾達はもう少し黙っておった方がよいか?」
「あぁ、頼む。」
俺が短くそう答えると、ココはニノを静かにさせに行った。ニノの顔がすっと青褪めたのを見ると、きっと黙らないと俺に嫌われるとか吹き込まれたのだろう。
取り敢えずニノのことはココに任せ、ミルを色々説得しなきゃならない。
「あの、リーク様あの方達は・・・?」
「あーっと、旅の仲間って言った方が良いかな?」
「リーク様は旅をされているのですか!?」
「うん。・・・で、それは良いんだが・・・」
「はい?どうかされたのです?」
ミルが小首を傾げた。ちょっと可愛かったが、今はそんなことを思っている場合ではない。
ちなみに今は本当にどうでもいい事だが、俺がミルに説明とかをしているので、へピルストンは1人で少女達に魂を戻す作業をしている。魂を戻しても、1〜2時間は起きないらしいから、起きる前に欠損を治せばOK。
「・・・ミルは王女だし、被害者としての面から見てもこんなこと承諾なんてしたくないだろうけど・・・俺は、出来るだけあの男に重い刑を課させたくない。甘いことだと思うし、ミル達被害者からすれば納得いかないだろうけど、協力して欲しいんだ。」
「・・・」
「・・・どうしても駄目だったら、俺は諦めるけど・・・けど、俺は共感しちまったんだ。だから、出来る限りは・・・」
「リーク様の為であれば、ミルは協力は惜しみません!・・・ですが、既に被害者様達には誤魔化しきれない証拠も残ってるです・・・流石にこれはミルにはどうしようもないのです・・・」
俺の心配も何のその。あっさりと俺に協力すると言い出したミル。本当に良いのかな・・・?願ったり叶ったりではあるが・・・まぁいいや。ミルの言う証拠ってのは、多分少女達の欠損と記憶のことだろう。魂さえ戻せれば、後はどうとでもなる。
「それについては大丈夫だ。その・・・あんまり知られたくは無いけど、俺は欠損を治せるし、恐らく記憶もどうにかなると思う。」
そう言うと、ミルは呆けてしまった。
「・・・す」
「す?」
「すっ、凄いのです!そのような事までお出来になるなんて・・・リーク様凄すぎるのですぅ!」
びっくりした。いきなり顔を上げ、目を凄い輝かせながら大声で言うんだもんよ。今はまぁ、バレてもさほど支障のない(ミル以外)人しかいないから良いとして、外だったらヤバかった。釘は刺しておこう。
「なぁミル。これはあんまり知られたくないんだ。だからさ、誰にも言わないでくれないか?」
「ふぇ・・・そのような力がおありになるのなら、是非とも魔王を倒すために力をお貸し頂きたいと思ったのですが・・・」
「悪いけど、俺の存在はバレるわけにはいかないんだ。・・・だから頼む。」
俺は頭を下げた。すると、
「はわっ!?あ、頭をお上げくださいっ!リーク様はミルの命の恩人なのですっ!リーク様がどうしてもと仰るのでしたら、ミルは何よりも優先するのですっ!」
ミルが折れてくれた。やっぱり、命の恩人ってとこはポイントが高いようだ。俺は一安心し、少し笑ってミルにお礼を言った。
「ありがとう、ミル。」
「はうぅっ!は、はいなのです・・・」
何か、めちゃくちゃ顔が赤くなった。俺、何かしたかな?・・・命の恩人に惚れたとか?・・・そんな訳ないか。王女様なんだし、もっとレベルの高い人を好きになるだろう。
「じゃあ、軽くこれからどうするかの俺の考えを言おうと思うけど、良いか?」
「は、はいなのです!ミルは何でも協力するのですっ!」
「頼もしいな。んじゃあ説明するぞ。まず、あの男・・・へピルストンは自首する方針だ。そこでは、取り敢えずミル以外の少女達を誘拐したってだけの罪状にしたい。へピルストンから聞いた限りだと、皆同じ日に誘拐したらしいし、皆ずっと眠らされてたっていう名目でなら、俺が少女達の欠損を治し、軽く記憶を弄って、ここでの記憶を消してしまえば良いだけだ。ミルについては、こことは別の場所で迷子になってたってことにしたいんだけど良いか?」
「は、はい。ミルは大丈夫なのです!」
迷子ってのは若干恥ずかしいかもしれないが、そこは我慢してもらわねばならない。
「んで、へピルストンが自首して、少女達も皆戻してある程度経ったら、皆でミルを王城に送り届けようと思う。こうすれば、多分へピルストンとミルの関係性は無いと思われるんじゃないかと思う。かなり楽観視した作戦だけど、どうだろうか?」
「恐らくは大丈夫だと思うです。ですが・・・ミルの護衛の兵士様達が心配ですです・・・」
ですですって言う人本当に居るんだ・・・あぁ、いや。そんなことはどうでもいいんだよ。でもそっか、迷子になった上にそんなにも遅くに見つけても、軽く打首にされるかもしれないのか。じゃあ先にミルを帰すべきか・・・?
俺が物思いに耽っていると、
「一応、この娘達の魂は戻し終わったぞ。」
へピルストンから、魂返還終了のお知らせが入った。
「終わったのか。じゃあ先に怪我治して記憶弄っとくか。」
・・・何かこれだけ聞くと、どっかで酷い研究してる奴みたいだ。やってることは悪党とあんまり変わんないような気がするけど、まぁしょうがないと割り切ろう。
「んじゃ『再生』・・・と、『記憶操作』。」
『記憶操作』のスキルは、さっき創った。これ、能力がかなりヤバいから、封印しとくべきだと思う。だって、操作も消去も出来んだもん。敵の強いやつに使えば、洗脳してこちら側にもつかせられるし、それでも駄目なら、人間としての基本的な記憶・・・それこそ、本能の部分にある心臓の動かし方とかでさえ忘れさせられるんだぜ?あかんわ。これも封印スキルの1つに加えとかなきゃ。
・・・で、取り敢えず全員の怪我を治し、記憶も消しといた。これで一応は終わりだ。
「まさか本当に出来るとはな・・・一体何者なんだ?お前は。」
「凄いですぅ!凄いですっ、凄いのです!凄くて凄いのです!流石過ぎるのですリーク様っ!!」
比較的まともなへピルストンの台詞と、語彙力がさっきよりもさらにとんでもないことになったミルの台詞が飛ぶ。まぁ、普通は無理であろうことをやってのけたのだから、仕方ないと言えば仕方ないんだろうな。
「んじゃまぁ、作戦会議の続きといこうか。」
そして、これからの作戦が決まっていくーーー
こんな王女様も良いと思いません?(遠い目)
え?駄目?
ならば皆さんに聞きます!こんな王女様、アリかナシか!?ジャッジメントですの!