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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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第131話 鬼が出るか蛇が出るか

気が付けば1週間( °.° )忙しくて執筆してる暇が御座いません。少しだけいつもより長いような気がしないような気がしないでもないので、どうか勘弁してください!くっ・・・どうしてせっかくの休みがバンバン潰されるんだ・・・

「・・・世話になったな。」


「まぁ、境遇が似てたからな。何となく、どうにかしてやりたいと思っただけだ。」


へピルストンの言葉に、俺はそう返した。

今俺達は、獣人国の王城の前にいる。へピルストンは、兵隊らしき人達と一緒にいる。まぁ、分かりやすく言えば、へピルストンは自首して、最後の挨拶みたいなのをしてるのだ。


「私がこれからどんな刑に処されるかは分からんが、どんな罰であろうと受けるつもりだ。例え死ぬことになろうと、受けた恩は忘れんぞ。」


「・・・そうだな。何にせよ、しっかり自分のしたことを反省するといい。また会うことがあれば、借りを返してもらうとするか。」


俺はちょっと悪人面で笑った。それに対し、へピルストンは苦笑いをした。


「私が生きて出られれば、な。」


「もう良いだろう。行くぞ。」


兵隊さんがそう言う。どうやら、これ以上は待たないようだ。


「それではな。本当に世話になった。・・・ありがとう。」


「・・・あぁ。じゃあな、へスティ(・・・・)さん?」


「なっ!?き、貴様!その名で呼ぶんじゃない!・・・ええぃ!覚えていろ!絶対に生きて出てやるからな!この借りは絶対に返してやる!」


「はっはっは!その意気だぜ。達者でな。」


「ぬぇい!どの口が言うか!クソっ!あっ、ちょっと待て!もう少し奴に言ってやらねば気が済まなぃ・・・ぇぃ!・・・!・・・、・・・!!」


へピルストンは、最後は鬼の形相で兵隊達に連れて行かれた。ま、あれだけ元気なら何があっても大丈夫そうだな。俺も色々やったし、案外死なないかもな。


「・・・さて、と。一旦宿に戻るか。」


そうと決まれば早速戻るか。あまり早く戻ったらせっかくの作戦もバレるかもしれないし、歩きで帰るとするか。

誰にかは分からんが、道中、今までのことでも話すとしよう。


・・・そうだな、まずはセリカが逝った後のことからが良いかな。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「・・・逝ってしまったか。次に会うのは、あの世だろうな。」


へピルストンは、悲しげにそう言った。仕方ないこととはいえ、やはりまた娘と別れるのは辛いのだろう。


「・・・あんたはこれからどうするんだ?」


「私はこれから自首しに行くつもりだが・・・この少女達の有り様に加え、王女様を誘拐したのだから、まぁ、普通に考えれば死刑は免れんだろう。一応、少女達の魂は戻しておくつもりだが、な。」


まぁ、何となくそんなこったろうとは思っていた。が、どうにもここまでやった以上、やれるだけへピルストンを助けてやりたいと思ってしまうのは、俺が甘すぎるのだろうか。


「・・・そのことなんだが、俺には欠損を治す方法がある。それに、正直やるのは気が引けるが、多分記憶を改竄かいざんすることも出来ると思う。」


「本当か?この達の怪我を治せるのか!?」


へピルストンは、信じられないと言ったような目を向ける。まぁ、普通は出来ないらしいし、信じられないのも無理は無いよな。てか、やった本人がどうしてここまで喜ぶのやら・・・まぁ、一応この少女達だって、どこかの娘であるはずだし、罪悪感はあったんだろうな。


「あぁ、まぁな。早速治して見せようか?」


「ちょ、ちょっと待て。今治したら、魂を戻せなくなってしまう。」


「マジで!?」


うわ、あっぶね。何それ、怪我治したら魂戻せないの?どういうこっちゃ。


「元々、魂の抽出には大きめの怪我をさせる必要があったのだ。軽い擦り傷や切り傷では取り出せないし、勿論、口や鼻といった部位から取り出すのも難しいのだ。出来ない事は無いが、かなり無理矢理な作業だから、最悪魂の方が耐えきれずに崩壊する可能性があるのだ。」


おうふ。そうだったのか・・・あれ?でも何で取り出せないんだろ?


「理屈は何となく分かったが、何で取り出せないんだ?」


「よく考えてもみろ。元から開いていなければならない口や鼻とか、よくやる小さな怪我から簡単に魂が取り出せてみろ。簡単にそこから魂が何かの拍子に出てしまうだろう。そんなんで、生物が普通に生きていられると思うか?」


「言われてみれば確かに。やっぱり研究者って色々考えてんだなぁ・・・」


「大怪我を負って死んでしまえば、そこから勝手に魂は抜け出るが、死んでなくとも魂は取り出せる。私がやったのはそれだ。大きな怪我であればあるほど、それだけ魂は取り出しやすい。まぁ、窒息や老衰なんかで死んだ者は、時間をかけてゆっくりと抜け出ていくのが普通だ。」


「ほーん。あれ?でもセリカは怪我してなかったよな?それなら、転生する時も若干ズレてたはずなんじゃないか?」


ゆっくりと魂が出ていくのなら、セリカは死んでから20年じゃなくて、魂が抜けてから20年のはず。だったら、へピルストンの計算、若干ズレるんじゃないか?


「ゆっくりと言っても、半年もあれば完全に抜け出る。私がほぼ20年も言ったのも、それが理由だ。」


そう言えば、いくらか誤差があるとか言ってたっけ。そういうことだったのか。


「・・・よし、魂を戻す準備が出来たぞ。1人ずつ、この機械の上に横たわらせてくれ。」


俺の質問に答えながらへピルストンの魂を戻す準備をしていた。どうやらその準備も終わったようで、俺が1人の少女を抱きかかえ、機械の上に載せた瞬間、


「ん・・・ここ、は・・・ひっ!?」


目を覚ましたのだ。ーーー王女様が。


王女様は、目を覚ますや否や、へピルストンに気が付いたようで、酷く怯えた表情をした。


「っあ、嫌です・・・ミルは、ミルはぁ・・・」


へピルストンはもう王女様に危害を加える気はないのだが、今までの状況が分からない王女様は、まだ自分に危害を加えられると思っているみたいだ。一旦落ち着かせるべきだろう。


「落ち着いてくれ、王女様。」


「ひぃっ!?い、嫌ぁ!来ないで下さいっ!ミルはまだ死にたく無いのですぅ!やなのですぅ!」


眠る前に俺が助けに入ったのは見てたはずだけど、多分まだ混乱しているんだろう。ちょっと荒療治だけど、強制的に落ち着かせよう。


「・・・魔法創造マジッククリエイト『催眠術』。」


「っあ・・・あぅ、あ・・・?」


俺は王女様の目を見ながら、新しく創った魔法を掛ける。その効果は、相手の精神に直接影響を及ぼすというもの。要するに、無理矢理王女様の精神を安定させるってことだ。・・・けどこれ、何気にムズい。まぁ、相手の精神を無理矢理制御するんだから、当たり前っちゃ当たり前か。


「ほら、落ち着いて。深呼吸だ。吸って~・・・吐いて~・・・」


「すぅ~・・・はぁ~・・・すぅ~・・・はぁ~・・・」


深呼吸を繰り返すうち、落ち着きを取り戻したようだった。


「・・・落ち着いたか?」


「はぅ・・・あ、貴方様は、ミルを助けて下さった救世主様ですか?」


「え?えっと、その・・・救世主って呼ばれるほどじゃないけど、まぁ、王女様を助けに来たってのは間違いじゃないよ。うん。」


俺がそう言うと、王女様は一瞬のうちに笑顔になり、目を輝かせて、俺の手をガシッと握った。


「救世主様!是非、貴方様のお名前をお聞かせください!」


「え、えぇっ・・・?」


「あ・・・し、失礼致しました!人にお名前を聞く時は、まずは自分からですよね。ミルは、ミルシエル・リウス=エルドールですっ。救世主様のお名前は・・・!?」


「え?あ、えっと・・・り、リーク・・・」


誰だ?このグイグイ来るは?え?王女様ってこんなキャラだったの?もっとお淑やかなものだと思ってたんだけど・・・?


「リーク様!・・・?どうして嘘をおつきになるのですか?・・・はっ!もしやミルは信用ならないのですかっ!?」


まぁ偽名だかんね。別に王女様に対してのみの嘘じゃないけど、やっぱり獣人に偽名は通用しませんな。


「あぁ、えっとだな・・・訳あって偽名を使ってるんだ。本名を隠してるから、あまり聞かないでくれると助かるんだけど・・・」


「そ、そうだったのですか!?そうとは知らず、ミルは不躾なことを・・・申し訳無いのです・・・」


王女様はしゅんとなった。知らなかったんだし、別にそんなことで怒ったりはしない。


「いや、そんなことで怒ったりなんかしないから、そんなに申し訳なさそうな顔をしなくていい。リークの方で呼んでもらえれば良いよ。」


「ほわぁ・・・何と心のお広いお方でしょう・・・分かったのです!ミルは、リーク様とお呼び致しますっ!・・・その、ミルのことも、ミルと呼んで欲しいのです・・・」


王女様は、少し顔を赤くして、上目遣いでそう言った。異性に名前で呼ばれるのは慣れていないのかもしれないな。そのせいで顔が赤いんだろう。


「じゃあミル様って呼ぼ・・・」


「さ、様は要らないのですっ!ミルと呼んで欲しいのですっ!」


「え、えぇ・・・?」


流石に困惑した。幾ら何でも、こんな見ず知らずの男に様付けもせずに呼んで欲しいって・・・


「だめ・・・です?」


涙目に上目遣いはやっぱり反則である。


「・・・分かったよ、ミル。」


そう呼んでやると、一気に顔が明るくなった。・・・まぁ、一々王女様って呼ぶのもアレだったし、いっか。


「・・・ゴホン!」


突然聞こえたその咳払いで、俺とミルは周囲の存在を思い出した。


「まぁ、命の恩人に対してそうなるのも分からんではないが、私もずっとこうしている訳にもいかんのだが?」


「おっとそうだった。少女達を元に戻してやらないと・・・」


「リーク様?その方は確か、ミルに酷いことをしようとした方では・・・」


「あ、そうか。一応、王女様・・・あー、ミルには説明しとくか。」


仮にも一国の王女かつ被害者の1人だ。この事件を知る権利はあるはずだ。正直、へピルストンが死刑にならないくらいの罪で終わらせてやりたい俺にとっては、王女であるミルに説明するのは賭けだが・・・多分、何とかなるような気がする。


そんな訳で、俺はミルに、へピルストンのしようとしたこと、そしてその顛末を語った。

ちょっと長そうなんでここで切りました。次回、獣人国王城で何かが起こる・・・!?


え?ネタバレすんな?良いじゃないですかこれくら・・・あっなにするやめ((ここで文字は途絶えている

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