第130話 再会の親子
テストに車校、忙しすぎて中々書けません(´;ω;`)
せっかくの家庭学習の日も、車校で完全にぶっ潰されてます。゜(゜^ω^゜)゜。
『魂魄憑依』ーーー名前の通り、魂を憑依させる効果だ。元の魂を呼び戻し、もう1度定着させることで、擬似的に生き返らせるのと同じことが出来る・・・と思う。確証はないが、この効果で創れたってことは、多分出来ると思うんだが、果たして・・・
【憑依させる魂の名前を教えて下さい。】
あーこれ、その娘の名前が分かんないと出来ねぇし・・・名前聞いて再チャレンジやな。
「・・・娘の名前は?」
「何だ急に。生き返らせるのに名前でも必要ってか?」
「その通り。てなわけで、名前教えて。」
俺がそう言うと、何故か呆れた顔をされた。
「・・・はぁ。セリカだ。セリカ・ペルセウス。」
ペルセウスって星座だよな。どんな星座か分かんないけど。・・・また思考が・・・アイ、俺の思考がズレ始めたら頭の中で大声出して。
A:そ、そんな・・・いくらマスターの為で他の人に聞こえないからって、大声を出すのはその・・・恥ずかしい、です・・・
アイがめっちゃくそ可愛いんですがどうすればいいですか。いや、ホントマジでこの娘超絶可愛いんだy
A:もう!マスターまた思考がズレてますっ!!
俺:おっといかんいかん。てか、大声出すの恥ずかしいとか言いながら普通に出してるし・・・ま、いっか。
とにかく、名前はセリカっと。
【・・・セリカ・ペルセウスの魂の検索結果は一件です。次の中から、憑依させる魂を選んでください。】
名前:セリカ・ペルセウス
検索結果:一件
◎セリカ・ペルセウス(享年16)
・・・分かりやすっ!?何この超ハイテク機能はよぉ!?検索とか出来んのかよ優秀だなぁ!?しかも完全一致かどうかも選べるとか、マジやばい。
と、とにかく、多分これで間違いないっしょ。
「一応確認しとくが、亡くなったのは何歳だ?」
「16だったはずだ。」
ビンゴだ。間違いない。んじゃ、この魂に・・・決まりだ!
【セリカ・ペルセウスの魂を、対象の身体へ憑依させます。】
そのアナウンスが聞こえた瞬間、一気に脱力感が襲ってきた。何だこれ?・・・いや、これは確か前にもあったような・・・
A:マスター、どうやらMP消費が激しいようです。
そうだ、これはMPが少なくなったことによる現象だ。俺のMP馬鹿げてるし、二度とこんなこと無いと思ってたが、まさかまた味わうことになるとは・・・てか、これどんだけ消費MP激しいの?
そう思って消費MP欄を見てみると、瞬時に納得した。だって、消費は数値じゃなかったからだ。どういう事かって?こういう事さ。
魂魄憑依 消費MP:使用者最大MPの9割5分
説明:魂を、対象となる身体に憑依させることが出来る。死者蘇生のようなものであるため、神に等しき力となる。人の身にて神の力を使うは禁忌なり。禁忌、犯スベカラズ。
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うん、そりゃね?流石の俺のMPでも、割合で削られるんじゃあ、何の意味もないのよ。まぁ、普通の人から見ればまだまだ化け物レベルにMP残ってるけど、一気にMPが消えることでも起こる現象らしいから、今俺の身に起きたんだろう。それからこれ、最後の文がちょっと意味深過ぎて怖いわ。
俺:ねぇアイ。この最後の一文ってどういう意味か分かる?
A:すみません・・・調べようとしたんですが、何だか靄がかかったような感じで・・・
俺:え、マジで?うーん・・・何か気になるなー・・・まぁでも、今考えても仕方ないかな?とにかく今は、セリカの魂がちゃんと戻ったかどうかが先決だな。
【セリカ・ペルセウスの魂の憑依が完了しました。】
どうやら、終わったようだ。これで目を覚ますかな・・・?
「ーーーん・・・」
「!!」
憑依完了から数秒後、セリカから、呻き声のようなものが聞こえてきた。その声に、父親である男は目を見開いた。・・・もう男とか呼ぶのやめるか。鑑定したらちゃんと名前出てきたしな。
ちょっと話は変わるが、この男の名前はへピルストン・ペルセウス。称号にへスティとかあったから、昔のあだ名か何かかな?
A:マスター、へスティのこの世界の古代語で、狂人って意味ですから、言わない方がいいと思いますよ。
マジかよ・・・結構ぴったr((ゲフンゲフン!いや、何でもない。まぁとにかく、へピルストンって名前らしい。
んで、そのへピルストンはセリカの声を聞いた途端、セリカに駆け寄った。
「セリカ・・・?セリカ!」
「んん・・・おとう、さん?」
「セリカ・・・セリカぁ!」
「お父さん・・・っ」
少し離れていたところで様子を見守っていたへピルストンは、愛しの娘を抱き締めんと、両手を広げて突進していく。何かちょっとイメージ崩壊しかけたが、まぁ仕方ないかな。
俺も、成功したことに安堵しつつ、この親子の感動の再会を見守・・・
バシィッ!
『・・・え。』
目を覚ましてない王女様や、魂を抜き取られた少女達を除く皆が、目の前の光景に呆気に取られた。
一体何が起こったかってーーー
ーーー娘が父の顔に強烈なビンタをお見舞したのだ!!
いやだって、まさかあんな感動的なシーンなのに、ビンタするなんて思わないじゃん?しかもめっちゃ痛そうなやつ。てか絶対痛い。だってへピルストンの左頬に真っ赤な掌の痕がくっきり残ってんだもんよ。
いやてか、何で?そんなビンタ食らわされるようなことしたの?それとも、まだ喧嘩してたこと引き摺ってんのかな?ワンチャンあるな。記憶はあの時から止まってんのかもしれないし。
「な、何故だ・・・?何故私を叩くんだセリカ!・・・はっ!まさかまだ私と喧嘩していたことを・・・?それについては本当に悪かったとーーー」
「違うよ!お父さんの馬鹿!!」
「ば、馬鹿!?親に向かって馬鹿とはーーー」
「私を生き返らせるために、あんな少女達に酷いことして!私はずっと見てたんだからね!?」
「な、何!?お、お前は私のしてきたことをずっと見ていたと言うのか!?」
びっくり仰天、とんでもない事実が発覚した。今までへピルストンのやってきたこと、全部セリカは見ていたと言う。どういうこっちゃね?
A:マスター、この世界にも幽霊と呼ばれるものは居ますよ。
俺:え、そうなの?てことは、セリカは幽霊となって見てたってことか?
A:恐らくはそうかと。幽霊というものは、現世に大きな未練を抱えた者がなってしまいます。きっと娘さんは、1人になった父が心配だったのでしょう。
俺:そうか・・・良い娘だな。ていうか、アイはセリカの存在には気付かなかったの?
A:幽霊がこの世界に存在するということは分かりますが、私はどこに幽霊が居るかの探知とかは出来ませんから・・・
俺:まぁ、分かってたら教えてくれただろうし、分からないんだとは思ってたよ。
まぁそれはともかく、ペルセウス親子の会話に耳を傾けよう。
「私は死んだ後、お父さんのことが心配で、幽霊になってずっと傍で見守ってたんだよ!最初は、私を失って失意に飲まれたお父さんに、聞こえなくても励ました。でも!お父さんは私の望んでないことをしようとした!」
「た、例えお前が望んでいなくとも!私はお前に謝りたかったのだ!もう1度だけ、お前に会いたかったのだ・・・これが悪いことだと、私にも分かっていた!だが・・・だが、私は止められなかった。何よりも、お前が大切だったから・・・」
「・・・私をそんな風に想ってくれるのはとっても嬉しい。でもお父さん。私は、あんなにも大きな犠牲の上に生きていたくはないの。私の人生は1度終わった。だから、本来私はここに居るべきじゃない。・・・ごめんね、お父さん。それから、ありがとう。」
「わ、私は・・・いや、言い訳などはよそう。お前の言いたいことは分かった。私の方こそ、本当にすまなかった。そして、ありがとう。」
「ううん。私も、もう1度お父さんに会えて良かった。・・・それから」
セリカはそう言って、こっちに向き直った。
「貴方達には、感謝しています。父に間違いを気付かせて頂いて・・・父を止めて頂いて、本当にありがとうございます。」
「・・・いや、どの道止めなきゃいけなかったし、別に感謝なんてしなくても・・・」
俺がそう言うと、
「・・・ふふっ、優しい方ですね。」
そんなことを言われた。正直、ちょっと恥ずい。
しかも、その直後に近くまで寄ってきて、腰を少し折り曲げて俺の方に顔を寄せ、上目遣いに悪戯っぽい笑みを浮かべ、こんなことを言い出した。
「もし私が生まれたのが16年前で今生きていたら、貴方に惚れていたかもしれません♪」
「なっ・・・っ!?」
俺は思わず仰け反ってしまった。んでもって、それを聞いたニノ達がすかさず俺達の間に入り込んで来た。予想通りではあったが。
「・・・ご主人様から離れてください。」
「・・・それ以上リークに近付くでない。」
「・・・不愉快です。」
ニノ、ココ、ベルの3人は、静かな殺気を迸らせながらそんなことを言った。たまに思うんだが、どうして俺に一夫多妻制を認めてるのに、そんなに俺に近づく女の子を追い払うんだろう、と。まぁ、よくある嫉妬なんだろうけど、何となく気になった。
「うふふ、冗談ですよ。あぁいえ、冗談ではありませんが、今の私は本来死人ですから。」
冗談じゃないんかい、と突っ込みたいが、まぁ良いとしよう。
「・・・セリカ。お前は、いつまでここに居るつもりなのだ?」
へピルストンは、唐突にそんなことを言い出した。確か『魂魄憑依』を創る時に時間制限なんてもんは付けてないはず・・・もしかして時間に限りがある思ってるのか?
「・・・居ようと思えばいつまででも居られるとは思うけど、死んだはずの私が生きてたら不自然でしょ?だから、もう少ししたら逝くつもり。」
「・・・そうか。また、寂しくなるな。」
「大丈夫だよ。私とまた会えたし、もうこんなこともしないでしょ?」
「あぁ、もちろんだ。・・・まぁだが、死刑になる可能性もあるがな。」
どうやら、自分の意思で逝くようだ。へピルストンの方も、納得はしているらしい。セリカが逝った後、へピルストンは自首するみたいだ。まぁ確かに、これだけのことをやらかせばそうなる可能性は非常に高いだろうな。獣人国の法律は知らんけど。
「その時は、私の待ってる世界でまた一緒に居られるかもね。結構、死後も悪くないかもよ?」
「ふ・・・そうかもしれんな。」
死人としての先輩がそんなことを言っている。割と死後は面白いのかもしれないな。まぁ、死のうとは思わんが。
「・・・それではそろそろ。皆さん、お世話になりました。」
セリカは、俺達に向かってそう言った。
「・・・お父さんも、元気でね。」
「あぁ。分かった。お前も、向こうでは元気に遊んでいるといい。」
「あっ!子供扱いしないでよね!・・・もう。」
「ははは!お前はいつまでも私の子供さ。・・・それじゃあな。」
「・・・うん。それじゃあーーー」
「なぁ。」
セリカは最後の言葉を言おうとしたところで、不意に俺がそれを遮った。自分でも咄嗟に出てきたもんだから、ちょっと驚いている。が、そんなことを考えるのも束の間、次の言葉がついて出た。
「頼みが、あるんだーーー」
主人公のお願い、一体何なんでしょうね?今度こそ早めに書きたいとこですが、相変わらずスケジュールが詰め詰めで・・・(⌒-⌒; )
まぁ、次回でなんか色々起きます。王女様と何か起きたり、アイと何か起きたり、獣人国で何か起きたり、、、