第119話 暴食の力
お待たせしました!
完全回復ではありませんが、連載を再開したいと思います。
また、前回の連絡文の消去についてですが、あまり削除は好ましく無いようなので、消去しないでおきます。m(*_ _)m
感想欄等で心配してくださった皆さん、ありがとうございました。
ーーー今、何て言った?
呼び出したベルゼブブが放った言葉に、俺は戸惑った。だって今、確かに俺の本名を・・・
「んー?どういうことなのだー?ルゼを呼び出すのは別の名前の人間だと聞いたのだー・・・」
ベルゼブブは、そんな俺の様子に気付かず、1人困惑している。困惑してるのはこっちも同じなのだが。
「っ・・・なぁ、何で俺の名前を知ってるんだ・・・?」
「んー?それは・・・って、ベルがいるのだー。どういうことなのだー?ルゼを呼び出すのは『リーク』という名前の人間のはずなのだー。どうして違う名前の人間が呼び出すのだー?」
「あぁ・・・そういえばぁ、説明不足でしたねぇ・・・リークさんはぁ、本名ではないそうですよぉ?」
俺がベルゼブブに問いかけるも、ベルゼブブは途中でベルが視界に入り、そちらに意識が向いてしまった。
「べ、ベル・・・何でベルゼブブは俺の本名を?」
同じ大罪悪魔のベルなら何か知っているかと、今度はベルに問いかけた。
「えぇっとですねぇ・・・ベルゼさんはぁ、『記憶』を食べたんですよぉ・・・」
すると、とんでもない答えが返ってきた。『記憶』を食べた?ど、どういうことだ?
「『暴食』のベルゼさんはぁ、色んなものが食べられるんですぅ。それこそぉ、普通の食べ物だけじゃなくてぇ、普通は食べられないようなものもぉ、食べられるんですよぉ。だからぁ、人の記憶でさえ食べられるそうですぅ・・・」
・・・ちょっと訳が分からない。何それ?え?何でも食べれるの?でも記憶って何?そもそも物質でさえ無いよね?形の無いものまで食べれるの?え、ヤバくね?てか、それが本当だとして、俺の名前が分かるのとどう関係すんの?
そんなことを考えていると、ベルがさらに補足をした。
「それでですねぇ、多分リークさんの記憶の1部を食べてぇ、そこからリークさんの本名を読み取ったんだと思いますぅ・・・」
・・・ほわっつ?え?俺の記憶食べられたの?いや、てか食べた記憶を読み取ることって出来んの?あ、あれ?んん?んんん??
「えっと・・・そうなのか?」
考えてもどうしようもないし、俺はとうとう考えることを放棄し、ベルゼブブに聞いてみた。
「そーなのだー♪」
ル〇ミアかよ!?いやもう、ほんと、どこぞの人食い妖怪にしか思えなくなってきた!背丈も似てるし、口調もそっくりだし、人も食べそうだし・・・
「ぬ、ぬぅ・・・そ、そういうものだと割り切らなきゃいけないのか・・・?」
何か納得出来ないが、そういうことが出来るのは事実みたいだし・・・ってか、実際その通りだったみたいだし、俺の本名を知っている理由は分かった。
ちなみにベルゼブブは、ベルに色々事情を説明して貰ってる。うん、凄い紛らわしいな。2人ともベルがつくじゃん。俺がいつも通りベルって言っても、2人とも反応することになるんじゃね?どうしよこれ・・・
「なんだー、そういうことだったのかー♪それなら良いのだー!じゃあリクマがルゼと契約するんだなー?」
ベルゼブブは何か色々納得したようだ。てか、俺のことリクマって呼ぶのはやめて欲しいな。何のために偽名使ってんのか分かんないじゃん・・・
「えっとだな、俺がベルゼブブと契約するのは良いんだが、俺のことリクマって呼ぶのやめて欲しいんだけど・・・」
「んー?どうしてなのだー?良い名前だと思うのだー♪」
「いや、そう言ってくれるのは嬉しいんだけどさ・・・俺が偽名使ってるのも理由があってのことだからさ、あまり本名で呼ばれたら・・・な?」
何が「な?」なのかは自分で言ってて分からないけど、なんとなく通じてくれるはず。
「んー?良くわかんないのだー!」
訂正。全く通じなかった。
「いや、分かんなくてもいいからその名で呼ぶのはやめてくれ。頼むから。」
「ルゼはリクマの方が呼びやすいのだー♪」
いや、絶対リークの方が呼びやすいだろ・・・と思うが、そこは個人の感覚だろうし、ツッコまない。てか、それはそれとして本名呼ばれると困るんだって・・・
「頼むからそっちで呼ぶのはやめてくれって!」
「んー・・・じゃあルゼと勝負なのだー!」
「えぇ・・・何でそうなるんだよ・・・」
くっ・・・さっきからベルゼブブのペースに乗せられっぱなしだ・・・
「ルゼが勝ったらリクマって呼ぶのだー!リクマが勝ったら諦めるのだ・・・」
「・・・勝負って何するんだ?」
俺は悟った。何を言っても無駄だと。これ多分、勝負しないとやめてくれない気がする。
「それはもちろん大食い勝負なのだー♪」
「勝てる訳ねぇだろっ!」
叫んだ俺は悪くない。だってさ!暴食の悪魔と大食い勝負とかさぁ!普通に考えて勝てねぇだろ!?
「やらないのかー?」
「いやさ?いくら何でも不公平過ぎない?普通の人間が暴食の大罪悪魔に大食いで勝てるわけないじゃん?」
「んー・・・じゃあ早食いにするのかー?」
「食べるしかないのかよ!?」
2度目の悲痛な叫び。だが俺は悪くない。だって、明らかに勝てるとは思えない勝負しか持ちかけてこないのだから。
「大丈夫なのだー!ルゼはそこまで早くは食べられないのだー。父上や母上よりもずっと遅いのだー・・・」
「なぁベル?ベルゼブブの親も暴食の大罪悪魔なのか?」
「そうですよぉ?食べるのがとぉっても早い方達でしたぁ・・・」
「安心出来ねぇじゃねぇか・・・っ!」
ふざけんなし。そんな早い人と比べたところで、何の安心感も持てねぇよ。
「・・・早食いも駄目なら?」
「ルゼの不戦勝なのだ♪」
「ひでぇ!」
うん、いくら何でも酷すぎる。俺に勝ちの目が無さすぎやしないか?
「リクマが勝てば良いだけなのだー♪」
「軽々と言ってくれるなぁ!?それが出来たら苦労しないっての・・・」
「あのぉ・・・」
俺があまりの理不尽さに嘆いていると、ベルが耳打ちしてきた。
「ベルゼさんはぁ、ただ単に遊びたいだけだと思いますぅ・・・」
「え?そうなの?」
「ベルゼさん、実は大罪悪魔の中で1番年下なんですよぉ・・・前任の大罪悪魔であるベルゼさんのお母さんの後をぉ、最近引き継いだばかりですからぁ・・・」
「なるほど・・・子供っぽいのもそれでか。ってことは、遊びたいってのも納得がいくな・・・」
「って言ってもぉ、数十年生きてますけどねぇ・・・」
既に俺より年上なのにこんなに子供っぽいのは何故なのか・・・
「ま、まぁいいや。どの道勝負は受けるしか無いってことね・・・」
「勝負を受けるのかー?」
「まぁ、そうでもしないとやめてくれないんならな。・・・でもさ、俺お前を呼ぶ為に腹いっぱい飯食ったからさ、ちょっと今は入らないんだけど・・・」
「それなら心配無いのだー。ルゼの力を使えばお腹はすぐに空くのだー!」
あぁ、そう言えば大罪悪魔の力を使ったら、その大罪は食われるんだったかな?
「んじゃ早速・・・」
使ってみた。うん、あれだ。とんでもないことが起こってしまったとだけ言っておこう。俺は何も知らん。
「どうなのだー?お腹空いたのかー?」
「あ、あぁ。一応な・・・」
「それじゃあ、ルゼと早食い勝負なのだー♪」
こうして、俺とベルゼブブの早食い勝負が始まるのだった。
久しぶりの投稿で、ちょっと訳が分からない表現等があっても、どうか大目に見てください(´;ω;`)