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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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第118話 『暴食』のベルゼブブ

土日、作者がひどい熱で寝込みました。正直今日も書かない方が良いかとも思いましたが、明日が塾で書けないので、今日無理してでも書くことにしました。


あ、それとベルゼブブさんがついに出ますよ!

ーーー人様・・・


何処かから、聞き覚えのある声が聞こえる・・・


ーーークさん!


今度は違う声だけど、これも聞き覚えのある声・・・


ーーーリークっ!


まだ別の・・・そうだ、俺を呼ぶこの声はーーー




「はっ!?」


皆の呼ぶ声で、俺は飛び起きた。と言っても、寝ている状態から上半身を起こしたに過ぎないのだが。


「・・・ん?上半身を起こす?」


そこで俺は、少し違和感を覚えた。よく思い出せ、俺は眠る前、何をしていたーーー?


「うぶっ!?」


「リーク!大丈夫か!?」


そうだ、思い出した。俺は『暴食』を取るために飯を食い続け、どうにか取った後に食べ過ぎでぶっ倒れたんだ!


忘れていた食い過ぎでの吐き気に襲われた俺を、ココが心配してくれた。うぅ・・・流石にこれは気持ち悪い・・・


「お客様、大丈夫ですか?スキルを取るためとお聞きしましたが、流石にやり過ぎでは・・・」


そこで、店員さんが来て心配してくれた。スキルを取るためってのは、皆が説明してくれたのかな?まぁ、そのまま説明無しだと、俺の印象が「出来もしない大食いを無理にやった頭のイカれたやつ」になりそうだからな。それはありがたい。


「ここまでしないと取れなかった・・・うぷ、んですよ・・・流石に・・・うぇ・・・気持ち悪いですがね・・・」


俺は途切れ途切れになりながらも、どうにか返す。


「そ、そんな条件の厳しいスキルがあるなんて・・・それにそこまでして欲しい性能なんですか?」


「えっと・・・まぁ、何ていうか・・・そのスキルを取る約束をしてたんで・・・あははは・・・」


どうにも説明しにくく、苦笑いしつつ適当に返した。店員さんは好奇心が強いらしく、もう少しのめり込んで来そうだったが、公私混同する訳にもいかないのだろう、職場という立場を考え、これ以上は特に追及して来なかった。


「・・・まぁ、スキルに関しては別に聞かなきゃいけないことじゃないですから、どうだっていいんですけどね。」


と、言いつつも聞きたそうだった。まぁ、それはいいや。それはそれとして、気になってたけど、無視してたことを聞こう。


「んで・・・ここはどこだ?」


うん、やっぱりさ?いきなり知らない天井が視界に入るとさ?どうしても聞きたくなるじゃん?それにさ、明らかにぶっ倒れたとこと違うんだもんよ。


「あぁ、ここはですね、うちのお店の関係者用の休憩室ですよ。流石に放置しておく訳にもいきませんし、かと言って帰したらお金払いに戻ってこない可能性だってありますから。」


あぁ、なるほど納得。そりゃそうなるよな。放置だと印象も悪くなるだろうし、他の客の迷惑でもあるし、食い逃げなんて以ての外だからな。


「・・・それでですね。ちゃんとお金は払っていただけるんですよね?」


「あぁ、そりゃもちろん。でなきゃこんなことしないし。」


お金の心配はしてない。だって、お金はいっぱいあるんだからな!はっはっは!


「それは良かったです。払ってもらえないと、うち潰れちゃいますよ。・・・膨大な赤字で。」


・・・ちょっと汗が滲んだ。ちゃんとあるよな?


「じゃ、じゃあお会計よろしくおねが・・・」


「白金貨2枚、金貨76枚になります。」


「はやっ!?」


ビビった。もう既に計算済ましてるとは・・・やるな。


などとまぁ、どうでもいいことを思いつつ、俺は普段持ち歩いている巾着袋に手を伸ばす。お金の大半はアイテムボックスに入れてるけど、いくらかは普通に持ち歩いてる。アイテムボックスは結構珍しいし、あんまり知られない方が良いだろうしな。


「ええっと、白金貨2枚・・・あ、こっちには1枚しかないし・・・また入れとかなきゃな。」


巾着袋には、白金貨1枚しか入ってなかったので、俺はポケットに手を突っ込み、あたかもその中にあったかのように、ポケットの中でアイテムボックスを使い、白金貨を探す。


「んー・・・あ、あれ?おかしいぞ?白金貨がない・・・っ!?」


俺はアイテムボックスを開き、白金貨と念じるも、何の反応もない。何の反応もないということはつまりーーーアイテムボックス内に、該当の物がないということ。要するに今俺は、


「白金貨だけない・・・?」


「・・・お・客・様?まさかお金が無いなんてこと・・・無いですよねぇ?」


店員さんがいい笑顔で、そして物凄く威圧感を放ちながら、俺に問いかけてくる。


「ま、待った!白金貨は無いけど、黒ならあるから!」


そう、白は無いが、俺には黒がある。使う気は全く無いが、その後ろには聖邪もある。ちゃんとアイテムボックスにも・・・うん、反応はある。


「はい、黒金貨。」


そしてそれを見た店員さんの反応は・・・


「・・・・・・・・・~~~~~~~~~っっっっ!!!!!!???」


最初は真顔で、徐々に顔を強ばらせ、身体をガクガクと震わせながら、目を見開いて黒金貨を凝視した。うん、中々に面白い反応だった。それから、俺を見つめて口をパクパクさせてから、


「だ、大貴族のご子息ですか!?そ、それとも、大商人の跡取り息子・・・っ!?」


とんでもない誤解をされてしまった。あーでもそっか。聖邪金貨は王族がほぼ管理してるから1番価値高くて、それ以外は大丈夫なもんかと思ってたけど、良く良く考えりゃ、黒金貨も日本円にして約1億だもんな。この国の財政なんざ分かんないけど、日本に比べれば、多分もう少し金の価値は高いんじゃないかと思う。だって日本の現在の国債って1000兆円くらいじゃなかったっけ?俺政治とか苦手だから覚えてないけど。


・・・って、また俺の悪い癖が出たな。んで、取り敢えず今は店員さんの話だったな。ま、とりあえずそれくらいの価値の黒金貨をホイホイと出したのだ。そう思われても仕方ないかもしれん。取り敢えず誤解を解こう。


「いや、どっちでもないですから。えぇと・・・まぁ、ほんの少し強いだけの冒険者なんで。」


そう言うと、店員さんはどこか納得したような表情になった。


「あぁ、なるほど・・・それならば、黒金貨を持っているのも不思議ではありませんね。しかしながら、うちの店では、黒金貨をいただいてお釣りを出せる程のお金を常備はしていないので・・・申し訳ございませんが、別の手段を講じていただけると助かるのですが・・・」


店員さんは、申し訳なさそうにそう言った。まぁでも、黒金貨に対応することなんて、そうそうないわな。うーん・・・じゃあどうしようか・・・


「えっと、じゃあお釣り要らないんで、そのまま取っといてください。」


うん、なんかもう考えるのめんどいからいいや。お金とかまた集まるし、これくらいなら別に構わん。


「えぇ!!?いやいや、流石にそんなことは出来ませんよ!金貨数枚なんてレベルじゃないですよ!?白金貨97枚と少しですよ!?そんなことしちゃったら、お店の品性を疑われます!そして店長に絶対怒られます!私は解雇ですよ!」


「そ、そこまで?いやまぁ・・・でもなぁ・・・」


流石にそこまで極端にはならないとは思うが、確かに店側がそんなことをした、なんて冤罪の噂が立とうものなら、シャレにならない。


「ーーーだったら・・・ココ、おつかいを頼まれてくれるか?」


「む?何じゃ?」


俺はココを呼び寄せると、その手に短剣を握らせた。


「り、リーク?妾にこれをどうしろ言うんじゃ・・・?まさかとは思うが、脅迫して金を奪い取って来いなどと言うつもりではあるまい!?のぉ、リーク?否定しておくれ!」


ココにまでとんでもない勘違いをされてしまった。俺はそんなことをココに頼むつもりなんて無いっての。


「違うって。これは魔剣・・・というか、魔短剣だけどな。要するに、一般的な武器じゃないものだ。・・・これ、売ったらどうなると思う?」


俺は、そうココに問いかけた。


「・・・あ。なるほどの。そういう事じゃったか。全く、それを先に説明せぬか・・・妾はとても不安じゃったではないか。こんな気持ちにさせた責任、期待しておるからの?」


そう早口に捲し立てるココの頬は、少し赤かった。それが、早とちりした恥ずかしさなのか、それともココの言う『責任』のことなのかは分からないが、取り敢えず何かしらさせられるようだ。俺悪くない・・・と思うのに。


「それじゃあ、おつかい頼んだ。ちゃんとやり遂げてくれたら、ご褒美もやるから。」


「む!?それは本当じゃな!?よし、ちゃんと聞いたからの!?後で変更は無しじゃからな!」


ココは凄い念を押した後、猛スピードで店の外に駆けて行った。




ーーー30分後




「ただいまじゃ、リーク。」


「お、ちゃんとやって来てくれたか?」


「もちろんじゃ!見た感じ白金貨10枚程度の代物じゃったが、リークとしてはどれぐらいだったんじゃ?」


ココが言った金額に、俺は驚いた。だってあれは、アイに教えて貰って作った、白金貨10枚(・・・・・)の価値のものだったからだ。


「・・・凄いな、ココは。その通りだよ。」


俺は褒めながら、ココの頭を撫でる。ニノとベルの方から、とんでもない殺気が飛んでくるが、俺は冷や汗をかきながらスルーした。


「んん♡待たぬか。それでじゃな、それを白金貨30枚で売ってきたんじゃ!」


「ふぁっ!?凄いな、おい・・・一体何したんだよ・・・」


「何ということは無いぞ?最初から10枚と言っておけばよいものを、欲を張って白金貨3枚なぞと言いおるから、相場を分かっておることを分からせつつ、他にも売り渡す商売人なぞごまんとおると脅したが、それでも5枚と言いおったからの。ここは駄目じゃと言いながら出口まで歩き出せば釣り上げてくれたんじゃが、妾も交渉が楽しくなってしもうての、これを作った者がこれよりさらに凄いものが作れると唆して、今もう少し釣り上げるのであれば、それはもう破格の値段で譲ってやれるかもしれぬと言ってみれば、それはもうすぐに30枚まで上げてくれおったわ。まぁ、誰にでも出来る簡単なことじゃて。そんなに褒めるでない。」


やばい・・・ココが優秀すぎてやばい・・・まぁ、別に必要以上に欲しかった訳じゃないが、それでもココは交渉慣れしてる感じがするな・・・


「・・・ココの才能が妬ましいです。」


「私もぉ、リークさんに褒められたいですぅ・・・」


さっきから、殺気を洩らしつつも静観していた2人が、思いっ切り不貞腐れた。あの2人には、また今度何かしてあげよう。


「取り敢えずありがとな、ココ。・・・んじゃ、はい。白金貨3枚からで頼む。」


ココの交渉の語りを聞いてた辺りから、ぼーっとしてた店員さんに、白金貨を渡そうとするが、ココを見つめたまま動かない。


「・・・おーい?」


「・・・はっ!?お、お姉様と呼んでも宜しいですか!?」


『!!?』


俺が店員さんに声を掛けた瞬間、店員さんはココにそんなことを言い出した。何言ってんのこの人?


「見事なまでの交渉術、感服致しました。どうか、お姉様と!」


「い、いや・・・妾はそんな・・・リーク!どうにかしておくれ!」


ココが俺に助けを求めてきた。このままじゃ話が進まないし、さっさと諦めてもらおう。


「ほら、店員さん。その話はまた今度にして貰っていいですかね?俺たち忙しいので。ほら、白金貨3枚。これならお釣り受け取らなくても良いでしょ?お釣りは俺達の見張りについてた分の仕事代ってことにしといて。それじゃ!」


俺は早口にそう切り上げ、皆を連れて、お祖母様の家に戻った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「・・・ふぅ。さて、何か色々あったけど、『暴食』の大罪悪魔を呼べばいいんだよな?ベル。」


「はぁい。お願いしますねぇ・・・」


「んじゃ・・・」


詠唱割愛。


「出でよ、『暴食』の悪魔、『ベルゼブブ』!」


そうして、もはや慣れた空間の亀裂から、悪魔『ベルゼブブ』が現れた。


「ん~・・・ようやく呼び出されたのか~?」


そして、俺は次のベルゼブブの一言で、完全に固まることになる。


「ん~・・・?





































ーーーリクマ?」

ふぁっ!?ベルゼブブさん、どうしてリークの本名を・・・!?

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