第116話 アイ、大分ヤバくなる
私、実は昨日風邪を引きました。学校を1時間目から早退するという、中々ない異常事態でした(白目)
まぁ、病院で点滴打って薬飲んだら今日には治りましたけどねw治ってなかったら、書いてなかったかもですw
ーーー血塗れの女の子。
ーーー横たわる赤茶髪の女の子。
ーーーその子の側で必死に声をかけ続ける男の子。
ーーー騒ぐ民衆。
ーーー響き渡る怒声。
ーーー遠くに聞こえるサイレン。
ーーーその喧騒は、2人の耳には入らない。ただ、2人の世界でーーー
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「っ!」
目を覚ました。あまりの夢見の悪さに、過去最悪レベルの目覚めだった。
「はっ・・・はぁ・・・」
震える声で荒い呼吸を繰り返す。俺の身体中は汗に塗れて、服はベトベトだった。
「ーーーお目覚めですか?リーク様。」
その時、心配そうに声を掛けてきたのは・・・
「あ、あぁ。悪い、少し悪夢を見てしまって・・・心配かけて悪い、エイル。」
そう、ココの家に住まう使用人の1人で、ココとの関係もかなり深いであろう、エイルだった。
「そ、それは無神経なことを・・・申し訳ございません・・・」
あまりに俺の様子が酷かったのか、聞いてはいけないことを聞いたように、謝ってきた。だが、別にエイルが悪いわけでもないので、俺はそれを軽く流し、
「いや、いい。それより、今は何時くらいだ?」
「あ・・・い、いえ。そうですね、今は9時くらいでしょうか?」
エイルは、何かを言おうとしてやめた。・・・って、9時!?
「9時って・・・エイルは仕事とか無いのか!?」
そう、俺の知識では、メイドの朝は早いというイメージがあるのだが・・・
「あぁ、それでしたら、当家は毎日交代制ですので、毎日早く仕事に取り掛からなくともよいのです。」
マジか・・・メイドも交代制とかあるんだな。
・・・そこで俺は、ハッと思い出した。
「な、なぁエイル・・・」
「?はい、何でしょう?」
「き、昨日の夜のことなんだが・・・」
そこまで言って、昨日のことを思い出したエイルは、一瞬で顔が茹でダコになった。
「ひ、ひひゃにょあにょへひあふれあ!?」
そして訳の分からない声を出した。
「お、落ち着け!そ、それでだな・・・その、俺の理性が飛んだ後のことなんだが・・・」
「~~~~~~~~!!?///」
そしてエイルの顔が限界を迎えそうになる。てか、こんな反応したってことはまさか・・・いやいや、流石の俺でもそこまではしてないはず・・・っ!
「あ・・・っあの時のリーク様はその・・・なんと言いますか・・・凄かったです///」
う・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!!?ま、まさか俺、本当にエイルにまで手を出したのかぁぁっ!?
俺はショックで、顔が強ばった。まずい、それは本気でまずいぞ!?昨日ココは何も言わなかったけど、もしも本当に手を出してたら、俺これから何をされるか・・・っ
「っ・・・え、エイルっ!!」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
俺は意を決し、エイルに呼び掛ける。手を出してしまった以上、俺は責任を取らねばなるまい・・・
A:あ、あのマスター・・・?
エイルにも好きな人とか居たかもしれないのに・・・俺は・・・っ!
A:あ、駄目です。これは完全に聞いてません・・・仕方ありません、マスターが勘違いしているのは、多分すぐ分かるでしょうし、放っておきましょう・・・まぁ、本当に結婚などする流れになってしまったら、私が無理矢理にでも分からせますが。
「エイル、すまない!俺はちゃんと責任を取るから・・・」
「・・・へ?せ、責任・・・?」
「そうだ。だって俺、昨日お前に手を出したんだろ?だからーーー」
「な、ななな何を仰ってるんですかっ!?ち、違います!そ、そのような事実は、一切ございません!」
・・・え?
「え、っと・・・手を出してない・・・?」
「そ、そうですっ。リーク様は、私に一切手出しなどなさっておりません!ですから、責任など取る必要はございませんよ!」
・・・あ、あれ?つまりこれって・・・
「俺の、勘違い?」
「は、はい・・・」
「え?じゃ、じゃあ俺が凄かったっていうのは・・・?」
「そ、それは・・・///リーク様とココ様達がなさっていたのが・・・そのぉ・・・」
「・・・」
ぬわぁぁぁっ!?恥ずかしっ!?じゃあ何?俺勘違いでエイルと結婚しようとかしてたの!?うっわぁぁぁ!!
「わ、悪い!俺の勘違いでこんな変なこと・・・っ!わ、忘れてくれ!」
「え?そ、それはその・・・」
「え?」
・・・ん?エイルの今の言葉、一体どういうこっちゃ?
A:・・・(威圧)
ゾッ!
な、何だ?今、身体中の毛が逆立っ・・・
A:へぇ・・・
俺:ひっ!?あ、アイ?今の威圧感はまさか、アイから?
A:ふふ、ふふふ・・・ウフフフフフフフ・・・
あ、駄目だ。聞いてない。てか、アイがヤバいって!一体何でだよ!?
「えっと・・・その、私などではリーク様とは釣り合いませんし、どうしても忘れろと仰られるのでしたら、忘れますが・・・出来ればあまり忘れたくないと言いますか・・・って、私何言ってるんですかっ!?」
なんか、エイルの声が聞こえるが、正直俺の耳に入ってこない。だって、アイがヤバいんだもん。
A:へぇ、そうですかぁ・・・やっぱりそうなんですねぇ・・・アハハハハハハ・・・
やばいやばいやばいやばいっ!一体どうしたってんだよ!?アイ!!
A:・・・ねぇ、マスター?
俺:お?ようやく正気に戻ったか?それで、どうした?
A:前々から私に、もっと何かご褒美をくれるとか思ってくれていましたよね?
俺:ん?あぁ、そうだな。
A:それでは、そのご褒美、私が決めても良いですか?
俺:あ、あぁ。もちろん。
A:それでは、挙式は1番最初に私として下さい。
俺:・・・え?
アイの予想外のご褒美に、俺は戸惑った。
A:でないと、私のこの威圧感、ずーーーーーっと続くことになりますよ?
俺:だーっ!分かった分かった!挙式はお前が1番最初だ!だからその威圧感を解いてくれ!
A:本当ですね?約束ですよ?
俺:あぁ。お前が1番だ。
A:・・・
アイの少しの沈黙の後、威圧感が一気に引いていく。どうやら、落ち着いてくれたみたいだ。・・・ところで、何であんなに荒ぶってたんだ?
A:・・・ふん。
俺:えぇ・・・
どうやら、教えてはくれなさそうだ。ま、まぁいいか。それより、さっきからずっとエイルを
放置してたわ。
「リーク様?先程から虚ろでしたが、大丈夫ですか?」
「あぁ、ちょっとな。それより、さっきの言葉の本意は?」
「へっ!?あ、それは・・・や、やっぱりお気になさらないで下さいませ!」
エイルにまで拒否られてしまった・・・
「そ、それより!皆様も起きているかもしれませんし、様子を見に行った方がよろしいと思いますっ!」
「あー・・・うん。それもそうだな。」
エイルの話の逸らし方がかなり強引だったが、あまり詮索されたくないのかもしれない。ここは大人しく従っておこう。
「んじゃ、皆の所に行くとしますかね~・・・」
俺は1つ伸びをすると、いつもの服に着替え始めたーーー
え?エイル?ちゃんと間仕切りはしてあるから平気だ。
アイも中々にヤンデレ度が上がってきた感じが凄いですね(⌒-⌒; )
皆さんは、こんなアイでも好きでいてくれますか!?
皆さん「もちろん!(幻聴)」
あぁ、良かったです。私もアイはお気に入りのキャラなのでヽ(*´∀`)ノ
それでは、また次回!
P.S.それから、アウスの通貨を日本円で換算した時、黒金貨10億、聖邪1兆になってましたが、よくよく考えると、黒1億、聖邪100億だったので、変更しておきました。もしも気付いてた方は、ご確認ください。
それにしても、こんな単純な計算を間違えるとは・・・