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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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Y9 サイコメトラー

すいません、本編書くの厳しいかなぁ、と思ったので、勇者編です。皆さんも、この前の勇者編の続き、気になります、よね?それでは、どうぞ!

ーーーside 東宮 明


国王は既に陸魔を殺しているのではないかーーー


須臾と刹那がそう言った瞬間、場が凍った。


確かに、そう思うのも無理はないだろう。陸魔は全く見つからず、目撃情報さえない。恐らくは『変装』のようなスキルを持っているのだろうとは思うが、そうでなかった場合。国王が既に殺ってしまった可能性は高い。


凍った場で、最初に口を開いたのは、アルガネス王国第一王女、リンシア・アルガネスだった。


「お、お待ちください!お父様はそのようなこと・・・」


と、2人の意見を否定しようとするが、それを遮るように、


「申し訳無いのですが。」


「私達は国王様に。」


「「お聞きしたいのです。」」


「っ・・・」


と、須臾と刹那が言った。尋ねている相手が国王なので、2人がそういうのも分かる。リンシア王女も、2人の雰囲気に黙らされた。

ーーーそして、肝心の国王本人の反応は・・・


「・・・そう思われても仕方が無いとは思うておる。しかしながら、余はそのようなことはしておらぬ。手掛かり一つ見つけられておらぬ身で、そう申しても疑念は晴れぬであろうが、どうか信じてもらいたい。」


だった。やったにしろやってないにしろ、そう言わねばどうしようもないだろうから、その言葉は予想していたものとほぼ同じだった。


「そうは申されましても。」


「信じたいのは山々ですが。」


「「やはりどうにも納得がいきません。」」


信じようとは思うが、どこか納得がいかないのも事実。まずいな・・・このままじゃ、味方内(主に勇者側と国王側)でギクシャクした空気になっちまいそうだ・・・どうすりゃいいか・・・


「ふむ・・・では、余がどうすれば納得がいくであろうか?」


俺が悩んでいると、国王がそう言った。そうだよ、2人の要求を先に聞かなきゃ、対応のしようもなかったぜ。全く、陸魔みてぇなミスしちまうところだった・・・


んで、国王にそんなことを言われた2人はーーー


「「・・・」」


無言で顔を見合わせていた。それはつまりーーー


「何も考えてねぇのかよッ!!」


思わず大声で突っ込んだ。その声に全員が注目し、俺は全員の視線を浴びることになった。やめろ!俺は「1 対 1」か、「1 対 知り合い数人」程度でなら問題ないが、「1 対 大勢」だとアガるんだ!地味にあがり症なんだよ!


と心の中で暴走するも、外面は必死に取り繕っていた。


「だったら、その、あーあれだ。一旦この場はあれして、あれをそれして・・・」


クソっ!自分でも緊張しまくって支離滅裂じゃねぇか!やばい、全員の目線が地味に生暖かくなってる気がする!


「と、とにかくだ!今は国王・・・様への疑念を晴らす方法が無いんだったら、もうしばらく様子を見て、国王・・・様にまだ殺ってないって証拠を用意して貰えば良いじゃねぇか!」


どうにかこうにか案を出す。俺のキョドり様が凄かったのか、しばらく全員が呆然とした後、どこかから吹き出すような声が聞こえてきた。そしてーーー


「ぷっ・・・くく・・・」


「くふっ、ふふふ・・・」


「あはははははは!!!」


笑いは全員に伝染し、さっきまでの張りつめた空気を切り裂いた。


「お、お前ら!んな笑うこたぁねぇだろうが!?」


俺は羞恥に赤面しながら、照れ隠しに怒鳴った。


・・・死ぬほど恥ずかしい思いをしたが、まぁギクシャクしたままになるよりマシだったかと、俺は諦めることにした。


「くふ・・・東宮君の言う通り・・・ふふっ。」


「ふっ・・・しばらくは国王様の・・・くすっ。」


「「ご様子を見させて頂きます・・・ふっふふっ!」」


2人は、必死に笑いを堪えながら、国王にそう言う。・・・最後は堪えきれてなかったが。


「う、うむ・・・くっふ・・・余の方も・・・んんっ!何か証拠になるものを・・・っ用意しておこう・・・くっくく・・・」


国王まで未だに笑っていやがった。


「いつまで笑ってんだ!いい加減にしてくれ!」


俺がそう叫んだのも無理はない・・・はずだ。


まぁ、そうして今回で結論を出すのはやめ、また別の日に持ち越そうと、皆が納得しかけた・・・その時、


「あ、あの・・・」


「ん?」


少しだけ手を挙げ、おずおずと注意を引いたのは、繃靜ましず さとりだった。


「あれ?覚ちゃんどうしたの?」


繃靜に、注意を引いた真意を問うたのは、毎度お馴染みの綾小路だ。


「え、えっと・・・その・・・」


基本、教室でもあまり喋らない繃靜は、よくあるコミュ障だ。コミュ障重度を、軽度、中度、重度、超重度とするならば、繃靜は中度より、少し重いくらいだろうか。いやまぁ、コミュ障のことはあまり知らねぇけど。

・・・どうでもいい話だが、繃靜がこれでも虐められてたりしないのは、ひとえにクラスメイトの人の良さのお陰だろう。何だかんだ、良い奴多いしな。


んで、そんな繃靜がわざわざ意見があると言うことは、今かなり重要なことだと思う。そんな訳で、理由が知りたいところだな。


「こ、国王様が神凪君を殺してないという証拠ですが・・・わ、私では駄目、でしょうか・・・」


・・・・・・・・・


『・・・は?』


全員が呆気に取られた。それはもう、国王、リンシア王女、勇者達、果ては待機していた兵士でさえ。一体、どういう事なんだ・・・?


「・・・ごめんなさい、ちょっと何を言っているのか分からないので、もう少し詳しく説明してもらってもいいですか?」


そう言ったのは、これまた毎度お馴染みの桐翳だ。そしてその台詞は、まさにこの場にいる全員の心の声を代弁したと言えるだろう。


「あ・・・っと、その・・・わ、私にも、最近固有スキルが手に入って・・・でその、えと、名前は『読心術サイコメトリー』で、その・・・こ、効果は、その名の通りで・・・相手の心が読める、というもので・・・えと、ですから・・・私のスキルで、失礼ながら、国王様の心を・・・よ、読んでみたら、し、真相が分かるかも・・・っという話でして、あの・・・」


とんでもねぇ新事実がここに発覚しやがった。繃靜、まさかの固有スキルが手に入ったのかよ。しかも『読心術サイコメトリー』って・・・まぁ、繃靜は元から察しが良かった上に、時々人の心を読んだかのような行動をすることがあったし、不思議じゃないか。


おっと、脱線脱線。


ええっと、つまり・・・


「要約すりゃ、繃靜は『読心術サイコメトリー』って固有スキルを手に入れたから、それを使って国王様の心を読み、それで真相を解明するって訳だな。」


俺が要約すると、繃靜がこくこくと頷く。


「そ、そうです・・・ですから、その・・・どうでしょう、か?」


「余は、それで疑いが晴れるのであれば構わぬが・・・」


「それでは。」


「繃靜さん。」


「「お願いします。」」


どうやら、双方納得のようだ。


「あ、とそれから、これを使って30秒間は・・・その、嘘がつけない、みたい、です。」


「それなら、信憑性も高いね。繃靜さん、僕からもお願いするよ。」


「は、はい・・・言われずとも、です。」


相変わらずの天然キザを発揮した聖に、少し顔を赤くしつつ、繃靜は国王を見る。


「そ、それでは・・・発動、です・・・」


繃靜がそう言うと、国王を見る繃靜の目が、少しだけ色が変化した。どうやら、使っている時は分かりやすいようだ。


「・・・はい、分かり、ました。国王様はーーー」


繃靜は、そこで一旦言葉を切り、皆に一瞬緊張が走った。そしてーーー






































「神凪君を、殺してはいません・・・どころか、本当に、何の手掛かりも、えと・・・掴んで、いない・・・です。」


その言葉で、全員がホッとした。


「そうですか。それなら良かったです。繃靜さん、ありがとうございます。」


「い、いぇ・・・その、お役に立てて・・・えと、良かった、です。」


その言葉を、桐翳と繃靜が交わした後、しばらく手を付けてなかった朝飯を再び食い、俺達はまた、いつものように訓練へと向かうのだった。

読心術・・・陸魔が帰ってきた時、覚さんは一体どんな心を読むことになるのか・・・


あ、それと、ブクマ件数1000突破です!今度何か記念回でも書こうかな、、、


欲しいって方がいましたら、どうぞばんばん感想欄に言ってください。それでは、また次回。

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