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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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第111話 嫉妬の嵐

遅くなりました。本当にすみません!


とにかく時間が足りません。何故学校から帰ってからすぐに書こうとしないのだろうか・・・

「3人とも、悪いんだが、たまには別の部屋にするのも悪くないと思うから、ここでは別の部屋にしてもらうよ。」


「「「えぇっ!?」」」


3人揃って、驚愕した。


「ま、待つんじゃ!わ、妾達が喧嘩したからそう思うたのか!?それなら、皆で一部屋でよいではないか!のぉ?」


ココが即座に理由を推測し、速攻で代替案を出した。だが、今回の俺の目的はそうではない。皆が嫉妬するところを見たいという・・・訳でもない。断じて!・・・嘘です。すいません。


てな訳で、そんな代替案に乗せられるわけにはいかない。が、ココに話を振られたニノとベルは、即座に同意を示した。


「そ、そうです!ご主人様と一緒に居られないくらいなら、いっそ全員で一部屋にした方が良いです!」


「私もぉ、そう思いますからぁ・・・だからどうか、別部屋だけはぁ!」


この3人を説得するのは骨が折れる・・・が、ここはゴリ押しだ。


「ごめんな、たまには皆と違う部屋で過ごしてみたいんだよ。」


あくまで軽い調子で、しかし少し申し訳なさそうに。理由も、別に嘘ではない。たまには良いかな、と思うのだ。


「「「う~・・・」」」


3人は、同じような唸り声をあげ、抗議の目を向けてくる。しかし、そこにタイミングを見計らった様に、俺の受け入れ先の部屋の先住者へ、無理矢理に俺を泊めさせろと命令してきたお祖母様が帰ってきた。


「今わっちが部屋を用意したんじゃが、3人を別部屋にそれぞれ一人ずつ入れると、部屋が埋まってしまうんじゃ。じゃから、使用人部屋に泊めてもらうことになったぞ。」


「えぇ・・・良いんですか?使用人の部屋を使ってしまって。」


まるで、今そのことを知ったかのように振る舞う。


「うむ。まぁ、共有することにはなるが、我慢してくれるかえ?」


「・・・まぁ、先方がそれで良いのなら、俺も構いませんが・・・」


「うむ。なら決まりじゃな。それでは早速・・・」


と、俺とお祖母様が着々と話を進め、終わりかけたその時、


「ちょ、ちょっと待つんじゃあ!!」


「そんなの駄目ですっ!」


「そうですぅ!それにぃ、そうするくらいならぁ、私達を一部屋にまとめれば良いじゃないですかぁ!」


ベルが正論を言った。が、


「だって、お前らを一つの部屋にまとめとくと、すぐ喧嘩しそうで怖いんだもんよ。」


「「「うぐっ!」」」


俺の言葉は、どうやら3人の胸に刺さったようだ。


「まぁ、ここに滞在する間だけだ。我慢してくれ。」


「くっ・・・まぁ、リークがどーーーーーしてもそれが良いと言うんじゃったら、認めてやらんでもない。」


「ちょ、ココ!?駄目ですよっ!私は諦めません!」


「落ち着くんじゃ。あまり我儘ばかり言うから、リークが違う部屋を望んだのかもしれんじゃろ?」


「うぅっ!」


ココの台詞が、ニノの心にクリティカルヒットした。実際、その部分にも原因があるのは否めない。つまり、あながち間違っちゃいない。


「う~・・・ご主人様ぁ、本当に駄目なんですかぁ?」


うぐっ!ニノの涙目攻撃!これは心が痛い・・・いや!皆を嫉妬させようとしてる時点で酷いことをしてるんだ。何を今更!


「ごめんな。」


「はぅ~・・・」


思い切りしょぼくれた。ごめんな、みんな。でも、これも皆の愛を確かめたいがためなんだ・・・え?適当言うな?いや、これも本音ではある。ただ、嫉妬させたいという部分が強いというだけで。


「それでじゃ。お祖母様、リークの同部屋になる、とても幸運かつ不運な使用人は誰じゃ?」


何故幸運で不運なんだろう・・・哲学。いやまぁ、それは良いんだよ。俺の同部屋になるのはーーー


「・・・エイルじゃ。」


「「「「・・・は?」」」」


ココは純粋に驚いたような声で、ニノとベルは、誰か分からないといった声、俺は、何も知らないふりをする為、わざと情けない声を出した。


「えっと・・・?エイルさんとは・・・?」


案の定、ニノが聞いた。


「あぁ、妾達がここに着いた時、出迎えたメイドがおったじゃろ?あ奴じゃ。」


「あー、あの人ですかぁ・・・」


ベルも分かったようだ。


「・・・まぁ、エイルであれば何もせんじゃろう。一応、後で釘は刺しておくとして・・・妬ましいのぉ。」


「全くです。誰の許可を得て、ご主人様の恋人でもない人がご主人様と同部屋にしてるんですか。本当に本当に、妬んでも嫉んでも足りません・・・」


お、嫉妬してくれてる。


「のぉ、リーク?おぬし、まさかとは思うが、エイルにまで手は出さんじゃろうのぉ?そんなことをすれば、妾がどれだけ嫉妬に燃えるか・・・分からぬ訳ではあるまい?」


目に殺気を漂わせ、薄笑いを浮かべながら、ココが言う。ヤバい、ちょっとやり過ぎたかも・・・?


「幾つもの条件を付けた上でなら、エイルと同部屋を許可するが、どうじゃ?リーク。」


「え?な、何で俺に聴くんだよ・・・そんなの、エイルさん?の方に聴けばいいじゃないか。」


そう言うと、ココがエイルを呼びつけた。


「エイル!」


「は、はい!如何致しましたか、ココさ、ま・・・ひぃっ!?」


エイルが情けない悲鳴をあげた。だが、それも無理はないと思う。ニノ、ココ、ベルの3人の殺気をモロに浴びたのだから。


「エイル?リークをお主の部屋に泊めさせるというのは、真かのぉ?」


「ひっ!あ、それはその・・・大奥様が・・・ひっ!?」


エイルが馬鹿正直に話そうとしたところ、お祖母様にひと睨みされた。不運なメイドだ・・・


「・・・まぁ、エイルは何もせんじゃろうが、くれぐれもリークとの距離感は適度に、今以上の関係になろうものなら、お主がどうなるか・・・分かっておろうな?」


「ひ、ひぃぃ・・・しょ、承知致しましたぁぁ・・・」


涙をハラハラと流しながら、震える声で答える。哀れエイル。君を利用したこと、心から謝ろう。3人にネタばらしをする気は無いが。


「そうと決まれば、早速3人の部屋を片付けるのじゃ。」


『かしこまりました。大奥様。』


四方から、お祖母様の声に反応する声が聞こえてきて、びっくりして辺りを見渡すと、いつの間にか使用人達が部屋の外で待機していた。


「それから、婿殿をエイルの部屋に案内せねばな。エイル、婿殿を案内して差し上げるのじゃ。」


「は、はい大奥様・・・」


どこか納得出来ていない様子のエイル。そりゃまぁ、いきなり理不尽な命令をされて、この場で凄まじい殺気を一身に受けたのだ。当たり前と言えよう。


「で、ではリーク様、私の部屋はこちらとなります・・・」


エイルは、俺と話す時にもココ達をチラチラと見ていた。どれくらいが許容範囲なのか分からず、いつ逆鱗に触れるか怖いのだろうか。


「あぁ、ありがとう。これから、よろしく頼む。」


俺はエイルに微笑みかけると、エイルの顔が真っ赤に染め上がり、そっぽを向いた。・・・直後、とんでもないレベルの殺気が、俺とエイルに向かって放たれた。


「ひぃっ!?」


エイルが、またしても情けない悲鳴をあげる。流石の俺も、背筋が凍った。寿命が縮まるかと思ったぜ・・・


「エイル?わかっておるじゃろうのぉ・・・?」


その時のココの声は、きっと一生忘れないと思う。それほどまでに恐ろしい、地獄から這い上がってきた死者の呻き声のようだったのだ。念押し、なんてレベルではない。が、ココからしてみれば、多分本気でただの念押しなのかもしれない。だとしたら、とてつもなく怖いんだが・・・


「も、ももももちろんですっ!リーク様には、何も致しませんっ!!」


エイルは必死に言う。


「うむ。それならよいのじゃ。・・・リーク?」


「は、はい!」


つい、俺まで敬語になってしまった・・・さらに、背筋までピシッ!となった。だって何か、ココの雰囲気がいつもと違うんだもん・・・


「・・・あまり嫉妬させるでない。わざとでないにしても、妾達の心は辛いんじゃからな?」


「っ!」


その言葉に、俺は胸が抉られたような錯覚を覚えた。ほんのちょっとした悪戯が、人を予想を遥かに超えて傷つけることがある。


「・・・ごめん。」


ネタばらしはしない。俺の罪悪感はずっと残るだろうけど、俺がわざとやったなんて知ったら、皆の心がもっと傷付くだろう。


「・・・なんての。リーク、嫉妬してくれる者がおるだけ、幸せじゃぞ?嫉妬してくれる者がおらぬことほど、不幸なことは無いんじゃ。じゃから、リークを責めるつもりは無いし、リークも気にせんでよい。じゃが、じゃからといって、誰彼構わず親しくするのはナシじゃぞ?そこまでされたら、流石の妾達も限界じゃからな?・・・そういう訳じゃから、暗い顔をするでない。お主は人を傷付けるのは嫌なのじゃろう?見ていれば分かるからの。・・・妾達が傷ついたのは、お主のせいではない。自分達の責任じゃ。じゃからリーク、自分を酷く責めるのはやめておくれ。分かったかの?」


・・・俺は・・・いや、いつまでも暗くいるなんて、それこそ嫌だな。


「あぁ、ありがとう。ココには本当に救われる。本当にありがとな。」


「うむ。分かればよいのじゃ。・・・じゃが、エイルに手を出せば、妾達の機嫌がとても悪くなることは、鈍いリークでも分かるじゃろう?」


「・・・はい。」


素直に返事をする。だって、俺を慰めてくれた時とは打って変わって、めちゃくちゃ怖い笑顔なんだもの・・・


「じゃから、くれぐれも何も無いように。分かったか?」


「イエス、マム!」


俺は敬礼した。ココは意味が分かっていないようだが、何となくしてみたかった。異論は認めん!


「・・・あの、リーク様。そろそろ行きませんか?」


と、そこにエイルが声を掛けてきた。そう言えば、皆蚊帳の外だったな。


「あぁ、悪い。それじゃあ、案内頼む。」


そうして、俺達はしばらく、ココの実家に泊まり込むことになったのだった。

あれ?今更なんですけど、どうして私ギャグ系の話を書いてるはずなのに、途中でシリアスをぶち込むんでしょう?この癖、治したい・・・( ´・ω・`)

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