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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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第110話 悪巧み

あー、最近モチベが下がってきました。ヤバいです。このままじゃ、最悪1週間書けないとかなりそう・・・いかん、どうにかしてモチベを上げなければ・・・

「またしても見苦しいところを・・・」


「いやいや、別に気にしてないですから。」


ようやく意識を取り戻したお祖母様は、開口一番そう言った。


「お祖母様の精神力は弱いからの。あまりびっくりさせてしまうと、心臓が破裂してしまうやもしれん。リークも、扱いには気をつけておくれ。」


「ココ、お祖母様をモノ扱いは駄目だろ?それに、1番驚かせてるのはココじゃないか。」


「わ、妾は別にお祖母様をモノ扱いしておる訳では・・・それに、妾は許容範囲内での驚かしじゃ。ちゃんとどれくらいなら平気かは分かっておる。」


いや、だからってお祖母様をイジるのはどうかと思うぞ?


「と、とにかく、意識が戻ったんだから良いじゃないですか!ね?ご主人様。」


ニノがそう言うので、とりあえず何も言わないでおこう。


「まぁ、お祖母様に妾の気持ちも分かってもらえたじゃろうし、本題に入ろうかの。」


「そうだな。元々そっちの用事で来たんだし。」


「む?わっちに用事とは、何じゃ?」


とは言え、多分薄々気づいてるぞ、この人。


「それはじゃな、妾とリークの結婚に際し、妾の家族であるお祖母様への挨拶じゃ。」


「なるほどのう。それにしても、興味深い人物じゃの。獣人の姿になったり、SSSを単独で倒したのじゃろ?これほどの人物に良く気に入って貰えたの。」


「ふふん。それは妾の美貌のお陰じゃな!」


ココは、無い胸を自信満々に張る。いやまぁ、全然無いわけじゃないが、それでも微々たるものだ。そして俺は、辛辣にこう答える。


「それは違う。」


「なっ!?リーク、妾には魅力が無いと言うのか!?幾ら何でもそれはあんまりじゃあ!!」


ココはショックを受け、俺に泣きついた。が、俺はそれを宥めるように、


「そんな訳ないだろ。もちろん、容姿も可愛いけど、それだけで選んだ訳じゃ無いってことだよ。」


と言った。すると、ココの顔から哀しみが消えた。


「よ、良かったのじゃ・・・やはりリークは大好きじゃ!」


褒められただけで好きになられても困るのだが・・・まぁいいか。元々好きでいてくれてる訳だし、さらに好きになってくれたと思えば。


「まぁ、それは置いといてじゃ。お祖母様は、リークとの結婚に反対はせんじゃろう?・・・せんじゃろう!?」


「落ち着かぬか。2度言わずともよい。もちろん、反対などせぬよ。わっちは、ココが幸せになってくれるんじゃったら、何も言わんよ。・・・ココ、幸せになるんじゃぞ?殺されてしもうた・・・わっちの子どもや、孫達、そして国民達の分まで・・・」


お祖母様は、悲しげな表情でそう言った。すると、ココも悲痛な表情で、


「もちろんじゃ。妾はリークの元で幸せになる。皆の分まで・・・」


と。


・・・重苦しい空気になってしまった。どうしよう?俺、こういう空気苦手だし、ムードメーカーでもないんだよ。誰か・・・助けてくれ、明!聖でもいい!どうにかしてくれ!


そんな俺の心の内も知らず、重苦しい空気が漂うばかり。と、そこで俺はふと思い出すことがあった。


「なぁ、ココ。」


「ん?何じゃ?」


「そう言えばさ、ココの親や、兄ちゃん姉ちゃんは・・・言いづらいけど、死んじゃったってのは聞いたけど、確か、ココより下の兄弟達は、生き別れたんじゃなかったっけ?」


俺がそう問うと、ココはハッと思い出したように、


「そうじゃ!何も生き残っておるのは妾だけではなかった!お祖母様、少なくとも、ラクシェル、ミスカー、エレクルス、リューネは、妾と同じ生き残りのはずじゃ!」


「そ、それは本当か!それは良かった。他にも生きてくれておる孫がおるとは・・・」


お祖母様は、嬉しそうな表情をした。だが、ココを買った奴隷商のところで聞いた話をさらに思い出す。ココと生き別れ・・・つまり、ココが奴隷商に捕まったのであれば、おそらくその場にいたであろうココの弟達は、同じく奴隷商に捕まったのではないか。あそこの奴隷商にいなかったと言うことは、少なくとも捕まった後でバラバラのところに連れて行かれた、と考えるのが自然だろう。つまり、ココと同じ奴隷の身に堕ちたのだ。と、いうことは、いつ死んでもおかしくないような状況下にあり、今でもまだ生きてるという保証はない。


それにココも分かっているのだろう。暗い顔は晴れず、お祖母様に口にしようか迷っている。そして、遂には俺の方に顔を向け、視線でどうすべきか訴えかけてくる。


それに俺は、無言で頷く。言うべきだという合図だ。


それを察してくれたのか、ココは思い切ってお祖母様に切り出した。


「お祖母様。」


「何じゃ?急に改まって。」


「それがじゃな、そもそも妾とリークが出会ったのは奴隷商の元で、そこまでの経緯を考えれば分かるじゃろうが、妾達の国が滅んだ後、生き残りが居ないかと奴隷商が来ての。そこで見つかった妾達は、それぞれ別の奴隷商に連れて行かれたんじゃ。つまり・・・つまり、今も生きておるかは分からんのじゃ・・・」


そう言い切ったココの言葉に、お祖母様は、その顔に絶望を貼り付けたかのような表情になった。


「そ、そんな・・・」


いかん。またしても暗い雰囲気にしてしまった。え、えと、一体どうすれば・・・


「・・・人族領に戻った時、片っ端から奴隷商を回ってみます。」


そう言うと、ココとお祖母様が、顔をバッと上げた。


「まだ居るかは分かりませんが、もし居たのなら・・・買い取ってこちらに連れてきます。」


「ほ、本当かの!?」


「よいのか!?リーク!」


2人は、どこか期待した目で見てくる。


「まぁ、もし居れば、の話にはなりますけどね。居なかったら、せめて安否だけでも確認してきます。」


すると、2人の目から、涙が溢れた。


「リーク!本当に・・・本当にありがとうなのじゃあ!」


「感謝します。本当に・・・感謝を・・・!どうか、孫達の安否を確認してください・・・」


「もちろん、大切なココの家族だし、孫を失ったお祖母様の気持ちは、恐らく想像よりずっと辛いでしょうからね。」


どうにかしよう。俺は、こうやって自分勝手な正義を振り回したい。正直、聖も同じなのかもしれないと、俺は一瞬思った。

とは言え、出来るかは分からない。でも、どうにかしてやりたいと思うのだ。


「ご主人様、本当に良いんですか?」


「あぁ、もちろんだ。」


ニノの問いかけに即答する。まぁ、何はともあれ、結婚の許しも出たし、挨拶も出来たし、とりあえず獣人国でやることは粗方終わったな。


「今日は疲れたじゃろう?しばらくここでゆっくりして行くとよいじゃろう。久しぶりにココとも会えたしの。それに、ココの婚約者フィアンセのことも、色々知りたいしのう。よいじゃろう?」


どうやら、泊めて貰えるみたいだ。これから野宿ってのも何か嫌だし、しばらく泊めてもらうことにしよう。


「それじゃあ、お言葉に甘えさせて貰いましょうかね。皆も、それでいいだろ?」


「うむ、もちろんじゃ。」


「はい!ココの実家でお泊まり、楽しみです!」


「今まで空気でしたがぁ、私もぉ、ちゃんと泊まらせて貰いますからねぇ?」


今まで完全に空気と化していたベルは、若干皮肉を浴びせてきた。


「悪かったよ、ベル。ともかく、そういう訳なので、よろしくお願いします。」


「うむうむ。わっちも久しぶりに賑やかで嬉しいのぅ。」


「時にリーク、もちろん、寝床は妾と一緒で良いじゃろう?」


ココがいきなりそんなことを言い出した。別に俺は構わないのだが・・・


「ちょっとココ!?またしても抜け駆けしようとしてますね!?駄目ですよ!ご主人様は私と同じ場所です!」


「何を仰っているんですかぁ?リークさんはぁ、私と同じ場所ですからねぇ~?」


やっぱりこうなったか。まぁ、何か怖いので、お祖母様に部屋を別々にしてもらうか。まぁ、全員で一部屋という選択肢もあるが、たまには皆と違う部屋というのも良いだろう。


「え?別の部屋にして欲しいじゃと?・・・じゃが、他に部屋が空いておらんぞ?」


「え、マジですか?でも、お屋敷は随分広いのに・・・」


「ここはわっちの部屋じゃし、倉庫代わりの部屋が二部屋、厨房でも二部屋分使っておるし、後はほぼ使用人部屋じゃ。」


マジか・・・てか、使用人どんだけいるんだよ。・・・あれ?何かお祖母様の顔がニヤけてるような・・・?気のせいかな。


「そうじゃのう。あくまで別の部屋がよいのなら・・・あ、そうじゃ。あのの部屋でよいじゃろう。うむうむ、あのの慌てふためく姿や、嫉妬に燃えるココが見れそうじゃのう・・・」


あ、この人、完全に策士だ。ココの反応を見たいが為のやつだろ、絶対。


「あの、空き部屋があるならそこで・・・」


「分かっておらんのぉ。嫉妬してくれるココ、お前さんも見てみたいとは思わんか?」


その言葉に、俺はハッとした。そうだ、ココやニノ、ベルの嫉妬・・・ちょーーーっとだけ見てみたいかも。


そうして、悪魔の囁きに乗せられてしまった俺は、


「・・・そうですね。協力させていただきます。」


あっさりと掌を返すのだった。

はい。悪い大人(1人は若干子供ですが)の悪巧みです。はてさて、ココのお祖母様が言ったあの娘(・・・)とは一体誰なのやらーーー

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