第109話 ココのお祖母様
集中出来ない!ちくせう。
集中出来てない状態で書いたので、ちょっと変な部分とかあるかもですが、勘弁してください・・・
「・・・な、え?・・・まさか・・・こ、こ?」
ココの婆ちゃんは、目の前にある光景に、酷く動揺していた。まぁ、死んだと思っていた(多分)孫娘が目の前に居るのだ。そりゃそうなるだろう。
「うむ。久しぶりじゃの、お祖母様?」
あ、呼び方は「お祖母様」なんだ。え?今はそんなことどうでもいい?そうっすね、失礼。
ま、それはそれとして、そんなことを言われたお祖母様、もちろん平常でなんて居られるわけもなく、
「ココ・・・っ!」
立ち上がり、ココに抱きついた。
「ぬぐっ!」
が、勢いが強すぎたせいか、ココが顔を歪めた。しかし、そんなこともお構いなしに、ココのお祖母様はさらに力を込めて抱き締める。あ、俺もお祖母様って呼ぶわ。
「ココ・・・良かった・・・お前さんの国が滅ぼされたと聞いておったのに、まさか生きておったとは・・・本当に良かった・・・」
ココのお祖母様は、涙を流していた。ココよりも、やや身長が高いため、ココの頭に顔を埋めるような感じで。
それに対し、ココの目にも涙が浮かび始めた。そしてーーー
「っお祖母様・・・妾は、妾はぁ・・・皆を、家族を守れなか・・・っうわぁぁぁん!!」
家族や国民を守れなかったことに対する後悔、懺悔、悔恨・・・様々な感情がココの中で飛び交い、それが涙となって溢れ出した。
「ココ・・・」
声のする方を見ると、ニノも泣いていた。もらい泣きか、或いは・・・
そんなことを考えてると、自然とニノの頭に手が伸びた。そしてそのまま、頭を撫でる。
「ひゃっ!?あ、ご主人様・・・?」
「黙って撫でられてなさい。」
「ぇあ・・・は、はい・・・」
ニノは、少し顔を赤らめて返事をした。その姿を見て、照れ隠しに少し乱暴に頭をぐしゃぐしゃにした。
「ひゃ!?あ、駄目です、そんな乱暴に・・・あぅ~・・・」
そんなこんなで巫山戯てると、ココの方も大分落ち着いてきたようだ。
「すまんの、リーク。お主を後回しにしてしもうた。遅くなったが、妾のお祖母様じゃ。」
落ち着いたココは、俺にお祖母様を紹介した。すると、お祖母様の方から質問が飛んでくる。
「む?そちらの方々は、ココの知り合いかい?」
「うむ。紹介するのじゃ。妾の(将来の)夫のリークじゃ。」
ココは、俺が既に夫であるかのように言った。将来的に結婚はするつもりだから間違ってるとは言えないが、少なくともまだ夫ではない。そこら辺、ココのお祖母様に説明しようとすると、
「ちょっと!まだ結婚はしてないでしょう!?確かに、将来そうなるのはわかってますけど、まだ夫婦では無いですよ!ココの今のはわざとですよねぇ!?」
ニノが憤慨した。そこまで怒ることなのか?てか、ココのはわざとだったのか・・・
「む・・・人聞きの悪いことを言うでない。さっきのは、お祖母様を驚かせる為に言ったんじゃ。決して、抜け駆けしようなどとは・・・その、思ってなど、おらん・・・のじゃ・・・」
語尾が一気に萎んだ。それじゃあ、思ってるとしか思えないぞ?
「その反応!絶対思ってましたよね!?」
ニノがさらに言及しようとするが、話が進みそうも無いので中断させる。
「ニノ。それくらいにしとけ。まずはココのお祖母様と話を・・・ってあれぇ!?」
俺は、お祖母様の方を向いて驚いた。何故なら、
「・・・(白目)」
白目を剥いて気絶していたのだ。
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「いや、見苦しいところを見せてしまったの・・・」
ココのお祖母様がそう言った。あれからしばらくして、ようやく意識の戻ったお祖母様を落ち着かせたのが、つい先刻のことだ。
「しかしのぉ、まさかココが恋人を連れてくるとは・・・」
「何じゃ、まるで妾は結婚しないと思っておったような口ぶりは?」
「・・・しないのかと思っておったぞ?」
「ぬぅっ!?」
ココの精神に、141421356のダメージ!まさか、実の祖母に結婚しないと思われていたとは・・・不憫だな、ココ・・・
「まぁ、それはそれとしてじゃ。わっちは、出来れば人族と結婚して欲しかったのぉ・・・まぁ、所詮理想は理想かの・・・」
「ん?ココのお祖母様って、孫を人族と結婚させたかったのか?」
それなら、俺が人族でも反対はされない、か?
「・・・無論、孫が選んだ者であれば構わんのじゃがの。」
「安心せい。リークは人族じゃからな。」
ココがそう言った瞬間、お祖母様は弾かれたように顔を上げた。
「何を言うておるんじゃ?この者にも耳や尻尾があるではないか。」
「あー・・・これ、元に戻って大丈夫か?」
俺は、ココに問う。
「うむ。お祖母様は人族と仲良くしたいからの。心配はいらんはずじゃ。」
俺達がそんな会話をしている中、ココのお祖母様だけは蚊帳の外だった。
「元?戻る?な、何を言っておるんじゃ・・・?」
うん、見事に混乱してる。まぁ、ココが大丈夫って言うなら、大丈夫だろう。てなわけで、『変装』解除。
すると、辺りに光が満ち、しばらくして光が収まった。咄嗟に目を瞑ったのであろうお祖母様は、恐る恐る目を開け・・・唖然とした。
「う、嘘じゃろ・・・?」
「どうじゃ?これがリークの力じゃ。凄いであろう?」
ココが自慢げにそう語る。
「まさか、人族だとは・・・まさかココが人族と結婚するとは・・・嬉しいのぉ・・・」
どうやら、人族が好きらしいお祖母様は、人族である俺がココと結婚すると言うことが、とても嬉しいらしい。
「時に・・・リークの言ったかの?お前さんは強いのかの?」
「・・・ニノのお母さんみたいなことを言われてしまった。」
「そうですね・・・やっぱり、保護者としては気になるのでしょうか?」
そうなんだろうな~・・・ココを、孫を想うからこそ聞くのだ。半端な者では、ココを守り切れないだろうから。仮にも、人族領に獣人の国を作った王族の血縁なのだ。弱い者が夫など、不安でしょうがないだろう。
「そこも安心せい。何せリークは、妾達の国を滅ぼした魔物・・・バハムート・エレを単独で討伐してくれたのじゃからな。」
「な・・・」
お祖母様は、今度こそ開いた口が塞がらなかった。多少強いかも、と言えど、まさかSSSランクの魔物を単独で撃破するほどだとは思わないだろう。そして、その魔物が、自分の家族と国民を奪った、憎き仇ともなれば尚更だ。
「そのせいで、妾はリークに惚れたんじゃがの。のう?リーク?」
ココは、そんなことを言いながら、俺に凭れ掛かってきて・・・キスをしてきた。
「ーーー!?」
お祖母様の顔に、さらなる衝撃が走った。自分の目の前で、孫が婚約者にキスをしたのだ。どうやら、ココはお祖母様に、本当に好きだということを証明したいようだ。
それなら、いっそ婚約の証、耳と尻尾のお触りで分かると思うので、わたくし、少々、ココの、耳を、頭と、共に、撫でたいでございます。
てな訳でーーー
さわさわ・・・
「ひゃっ!?い、いきなり触るのは反則じゃろう!?」
「だって、ココは触られるの好きだろ?」
「そ、それは否定出来んが・・・って、だからって触るのは・・・ふひゃんっ!」
ココは、段々艶っぽい声を出し始めた。うん、ここでやめとこう。これ以上やったら、俺の理性の方がもたないかもしれない・・・
「はぁ・・・はぁ・・・触りすぎじゃあ・・・阿呆リークぅ・・・」
ココが愚痴るが、本気で怒っている訳じゃないようだ。
「ま、まぁよい。ともかく、リークの凄さも分かったじゃろうし、これで妾とリークが本気で愛し合っておるとわかっ・・・まーた気絶しておる。」
そう、またしてもココのお祖母様は、白目を剥いて気絶していた。どうやら、精神的な負担に弱いお祖母様みたいだ。
そして、俺達は再び、お祖母様の意識が戻るまで、待つハメになるのだった。
ココとココのお祖母様は、身長差が10cmくらいなので、パッと見、姉妹に見えます・・・多分。
ココのお祖母様の一人称、ココと区別する為に「わっち」にしたという裏設定、、、