表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
119/158

第106話 魔剣は男のロマンだよね!

お食事中の方、虫が苦手な方、閲覧注意です。まぁ、そこまで酷い描写がある訳でもありませんけどね!


そして!魔剣といえば!もう、厨二病の方、思春期男子諸君!皆さんの憧れでは無いでしょうか!?え?そんなことない?あ、左様ですか。そうっすか・・・

ーーーそれは。獣人国の王都『アガレーヌ』に到着する、少し前の出来事だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「・・・ん?何だあれ?」


俺は、前方から黒くて巨大な影が飛んでくる物体を見て、そう言った。


「ふぇ?どうしたんですか?」


ニノが、俺の言葉に反応し、聞いてくる。


「いや、なんかあそこに馬鹿でかい黒い物体が飛んでるんだが・・・」


「む?本当じゃな。あれは・・・魔物かのう?」


と、ココが反応した。あんなのが魔物だとしたら、結構ヤバくね?まぁ、俺達には敵わんだろうが。


「気のせいでしょぉか~?ど〜もこちらに向かって来ているような・・・」


俺もそう思った。そして、俺の目を信用するのであれば、あれはーーー


「虫・・・」


「え?ご主人様、あれを無視するんですか?」


どうやら、ニノは聞き間違えたようだ。


「いや、あれの正体は、巨大な虫なんじゃないかと思ったんだよ。」


そう言うと、隣に居たココから、答えが聞かされた。


「うむ。あれは間違いなく虫じゃな。・・・獣人じゃから、なまじ視力が良いだけに見えてしまうが、かなり気持ちが悪いのじゃ・・・」


「むむ・・・私は猫の獣人なので、そこまで視力は良くないんですよぉ・・・」


そう。猫は元々視力が弱い。だが、獣人は少し特殊なのか、例え猫であろうと、人間よりは視力が良いらしい。さらに、猫は夜目が利く為、夜の隠密行動等には打って付けなのだ。


「・・・そんなこんなしている間に、明らかに近づいて来てるよな?そしてこれだけ離れてるのにこの大きさって・・・」


嫌な予感がした。ココが遠目で気持ち悪いと言ったのだ。それをさらに近くで見るということになる。つまり、このままここに居ると、絶対にその姿を見ることになる。だが、アガレーヌに行くには、奴の下を通らねばならない。どっちにしろ、俺達に選択肢は無いようだった。


「仕方ない・・・迎え撃つか。みんなは下がって目を瞑ってろ。女の子が見るのは、多分きついと思うから。」


「「「了解です(じゃ)(です~)!」」」


皆、速攻で目を瞑った。それほどまでに見たくないのか・・・


そしてとうとう、黒光りする巨大飛行物体が来た。どうやら、最初から捕捉されていたようである。そしてその正体はーーー


「きもっ!!!」


見たくなかった。この世界に召喚された当初に見たオークも、大概生理的に受け付けなかったが、こいつもその類だった。見るだけでSAN値が削られる。正直、今すぐ皆を抱えてこいつが見えないところまで逃げたかった。


え?どんな姿かって?知りたいか?そんなもん。俺は絶対に知りたくなかった。知ったらきっと後悔する。それでも聞きたいか?


・・・分かった。教えてやる。一言でいえば、カブトムシとゴキブリとムカデとゲジゲジとハエとダンゴムシと蜘蛛とフナムシを、足して2で割らずに、寧ろ掛けたようなやつだった。な?きもいだろ?俺もう食欲が無くなった。さっきベルに、『暴食』を取ってくれと言われたのに、しばらくは無理な気がした。


A:マスター、早くあのおぞましい物体を倒してください!早くッ!!


アイも、めちゃくちゃ嫌がってる。可哀想ではあるが、何となくこいつが何なのかが気になった。これ以上見ていたくもないが、知らず知らずの内に、俺はこいつを鑑定していた。


メナス・バグ

ランク:SS


Lv168


HP 3245000/3245000

MP 375669/455000

攻撃 10056995

防御 33862235

魔攻 4000

魔防 37900625


スキル 硬化、超硬化、大角突き、不快音波、巻き付く、猛毒針、猛毒牙、飛行、高速移動、縛糸、万足連撃、毒霧、溶解液


魔法 なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


メナス・バグ

説明:とにかくキモい。複数の虫を、適当により合わせたような魔物。一部の変人を除き、世界で最も嫌いな魔物ランキングの上位に食い込んでいる。これ以上は説明したくありません。早くこのウィンドウを閉じて下さい。


まさか、説明ウィンドウにさえ嫌われる始末・・・てか、ウィンドウが説明したくないとか、早くウィンドウを閉じてくれと言われることになるとは思わなかった。そこまでか。


「ウjdgギjms2np@6zラum・・・」


もはや何を言っているのか聞き取れない、地獄から聴こえてくるような呻き声を出してきた。


A:マスター!!早く、早くぅ!!


アイが急かしてくる。どうやら、完全に限界なようだ。俺もかなりSAN値が限界だ。とっとと倒してしまおう。


そして、俺と巨大虫は睨み合い・・・


「おらぁ!」


俺は、一瞬で彼我との間合いを詰め、拳を突き出した。いや、突き出してしまった(・・・・)。俺の拳は、虫の比較的マシなカブトムシの頭みたいな所を吹っ飛ばした。そして後悔した。何故ならーーー


ビシャアッ!


「・・・」


お分かりいただけただろうか?そう、虫を潰したりしてしまった人は分かるだろう。虫を潰すと、そこから黄色っぽい液体が出てくる事を・・・


つまり何が言いたいかって言うと、


「ぎゃぁぁぁぁ!!!きめぇぇぇ!!!」


そう。モロに浴びてしまったのだ。あの液体を。身体中に。そして、まだ死んでいなかった巨大虫は、俺を攻撃しようとしてきた。まだ生きていたことに驚きつつ、咄嗟に手刀で迎撃してしまった俺は、再び黄色い謎の液体をその身に浴びることになったのだ。その後、俺は半狂乱になりながら、まともな意識もないまま、巨大虫を倒したーーーようだ。俺が気が付いた時には、目の前にバラバラになった虫の死骸と、さらに黄色い液体を浴びてしまった俺がいた。その後、俺の気絶しそうになったのは言うまでもない。


だが、どうにか踏みとどまった俺は、タイミング悪く目を開けてしまったニノ達に、黄色い身体を見られ、本気で逃げ出された。「気持ち悪いです!」というニノの言葉に泣きそうになり、「リーク・・・」という、完全に憐憫の目でココに見られ泣きそうになり、俺の姿を見て、気絶したベルに泣きそうになった。


それさえもどうにか耐えた俺は、速攻で『洗浄クリーニング』の魔法を唱え、身を清めた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




そんなことがあり、俺は今、考えついたことがある。そう、それはーーー


「得物が欲しい・・・」


うん。素手で倒したからあんなことになったのだ。であれば、得物があれば?例えば、刀みたいな。きっと、あんなものを浴びることなく、もっとスマートに、カッコよく倒せるのでは?


「いや、リークには魔法もあるじゃろう?それに、妾達も一応は強くなっておるんじゃから、もっと頼っても良いんじゃぞ?」


「嬉しいことを言ってくれるが、俺は得物が欲しい。」


「どうして、魔法じゃ駄目なんですか?」


「駄目って訳じゃないけど・・・何か、カッコイイ武器とかってさ、男たるもの、1度は持ってみたい憧れみたいな感じなんだよ。」


これが本音であった。だってさ!例えば魔剣とかさ!そんなの持って敵を華麗に倒すとか、格好いいじゃん!?


ゴホン!それはそれとして、3人にジト目で見られました。


「・・・お前達・・・そんな目で見るのか・・・もういい。しばらく話しかけないでくれ。」


不貞腐れた。ちょっと演技な所もあるが、結構凹んだ。真面目に辛かった。


「ご、ごめんなさい!ご主人様!許してください~!!」


「妾が!妾が悪かったから!じゃから機嫌を直して欲しいのじゃあ!!」


「リークさん~!私達はぁ、何も駄目だなんて言ってませんよぉ~!」


ベルが少し的外れなことを言うが、俺は今絶賛拗ねモードだ。武器のことはアイに聞こう。


俺:アイ。お前は分かってくれるよな?


誰にも分かって貰えなかったこの気持ち。俺のことを良く理解してくれるアイなら、きっとこの気持ちが分かるはず・・・


A:え・・・あ、えぇっと・・・そう、ですね?


俺:・・・


A:・・・


ここにも、俺の味方はいなかった。


俺:もういい。お前なんか嫌いだ。


A:そ、そんな!?マスター!ごめんなさい嘘です!どうか許してください!!


必死に弁解するアイ。・・・アイにも色々我慢とかもしてもらってるし、許してやるか。


俺:じゃあ、俺に合いそうな武器を教えてくれ。


A:は、はい!喜んで!えぇと、マスターは結構細身ですし、他の人からとかだと、大剣等の大きいものは、正直不格好だと思います。それに、マスターの格好良さをさらに引き出すには、やはり刀のようなものがよろしいかと。もちろん、細身の剣とかも似合うと思います!


俺:ふむ・・・けど、普通の剣だと、俺の力じゃすぐに折れない?


A:あ、確かに・・・そうですね、マスターの膂力に耐えきれる剣は、普通の剣にはありませんね。


俺:ん?その言い方だと、普通じゃない、俺の力にも耐えきれる剣があるみたいな・・・


A:はい。その通りです。それは、一般的に魔法武具と呼ばれます。普通の武具ではなく、特殊な力を宿した武具です。魔法道具マジックアイテムもそのひとつです。ただ、魔法道具マジックアイテムの方には、元からある道具に、魔術的な細工を施せば良いのですが、魔法武具は、特殊なスキルが必要で、その名も魔法武具製造と言います。それを持つ人はとても少なく、さらに、良い物を作れる人はさらに少なく、大変貴重なもので、そうそう手に入る物ではなく、また、売値も非常に高いとか・・・


・・・なるほど。魔法武具製造というスキルを持つ人にしか作れず、さらにその品質は保証されてない。魔剣を作った時、その魔剣の持つ効果が多く、さらに有用であれば、とてつもない額で売れるらしい。ただし、いくら魔剣であろうと、持つ効果が少なく、さらにそれがほとんど役に立たない効果であれば、その分売却価格は低くなるらしい。ま、後半はどうでもいい。


俺:・・・で?その話をしたってことは、俺にもその『魔法武具製造』というスキルを創ることが出来るってことだよな?


A:はい。恐らくは。試してみる価値はあります。どうしますか?


決まってる。そんなものーーー


俺:創るに決まってんだろ!?


A:ですよね。


んじゃ、早速・・・スキル創造『魔法武具製造』!!


【『魔法武具製造』というスキルは存在します。本当に創りますか?】


オフコース!!


【スキル『魔法武具製造』を創ることに成功しました。】


よっしゃあ!んじゃ早速・・・どんなのがいいかな!?やっぱり神話の武器!?この際別に、剣とかじゃなくても良さそうだけど、やっぱり魔剣の方が憧れるよな!?んじゃあ・・・よし、俺の推しキャラ「フ〇ン」の武器、レーヴァテインだ!


A:使い方を先に言っておきますね。まず、イメージが大切です。どんな形状か、どんな効果か、使用制限等の設定はどうするか・・・等です。


俺:使用制限?何それ?


A:あまりに強い武器の場合、弱い人が使って、後遺症等の影響を及ぼさないよう、予めどれくらいの力が必要か、等の制限のことです。これは、決めるのを怠ると、悪人の弱い人の手に渡ったりすると、とんでもない事態が引き起こされますから。


俺:あぁ、なるほど。了解。それじゃあ・・・


「『魔法武具製造』・・・『レーヴァテイン』。」


「「「!!?」」」


いきなりそんなことを言い出した俺に、今まで無視していた3人は驚いた。しかし、俺はそれを意に介さず、イメージした魔剣が、自分の手の中に出てくるように念じた。すると、そこ現れたのはーーー

ありますよね?潰した虫から黄色やら緑やらの液体が、虫の内臓と一緒に・・・そんなものを浴びたら・・・皆さん、自分がどうなるか想像できますか?私は、自分が発狂する想像しか浮かびません((´д`)) ブルブル…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ