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スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
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第97話 皆が消えてからの2ヶ月間

結局、昨日書けませんでした。本日も、大分遅くなってしまったこと、謹んでお詫び申し上げます。

ーーー約2ヶ月前 side 神凪 舞


私は神凪舞、15歳、中学3年で、陸魔お兄ちゃんの妹。私とお兄ちゃんは、中学と高校がくっついてる所に通ってるの。つまり、私の中学校と、お兄ちゃんの高校がくっついてるから、会おうと思えば、休み時間にでも会えるの。


そして、私はいつも通り、お兄ちゃんと一緒に帰るため、お兄ちゃんの教室に向かったの。あ、ちなみに、私もお兄ちゃんも帰宅部だから、時間は一緒なの。(お兄ちゃんは器用だから、良く色んな部活に助っ人頼まれてるらしいけど)


で、お兄ちゃんの教室の前まで来たんだけど・・・


ざわ・・・ざわ・・・


何か、お兄ちゃんの教室の前で、凄い野次馬が出来てた。私はてっきり、お兄ちゃんが何か凄いことでもやってるのかと思って、近くにいた先輩に聞いてみたの。


「あの、何かあったんですか?」


「ん?君は・・・中等部の生徒か?まぁいいか。いやな?授業が終わって、このクラスの、いつも一緒に帰る友達の所に行こうとした奴がいたんだが、そいつがこの教室に来たら、教室がもぬけの殻だったんだそうだ。」


つまり、私みたいに、一緒に帰る人を迎えに来た人が居たけど、その人がここに来た時、教室に誰も居なかったってこと・・・なのかな?


「皆・・・帰ったんでしょうか?」


私が質問すると、先輩は難しい顔をして、


「いや、それは無い。この教室から出て、昇降口に行くには、少なくとも2つの教室の前を通らなければいけない。だが、全クラスの全員が、このクラスの生徒が帰るところを見ていないそうだ。」


「え・・・じゃあ、これってつまり・・・そんな・・・」


私は、1つの可能性を思い浮かべた。そんなこと有り得ない。でも、そうとしか考えられない。


「理由不明の・・・失踪?」


訳が分からない。そんな非現実的なことが有り得る訳が無い。でもそれじゃあ、誰もこのクラスの人が帰る所を見てないなんておかしい・・・


そこで、私はハッとした。そして、最悪の想像をしてしまった。


(あれ?じゃあ・・・お兄ちゃん、は?)


瞬間、私は弾かれたように走り出し、野次馬を掻き分け、お兄ちゃんが居るはずのクラスを覗き込んで・・・絶望した。


「そ、んな・・・」


さっきの先輩が言っていた通り、そこには誰も居なかった。お兄ちゃんも、お兄ちゃんの友達も、お兄ちゃんのクラスメイトも、誰1人として居なかった。


「あ・・・あぁ・・・っ」


ガクッ


途端に膝の力が抜けて、私はその場にへたり込んだ。


私は、そんな事実を、認めたくなくて、何度も何度も心の中で否定した。


(そんな訳ない・・・そうだ!きっとお兄ちゃん達が仕組んで、私の悲しむ顔を見ようとしてるんだ・・・今頃、お兄ちゃん達は自宅に帰ってるに違いない・・・きっとこの先輩達も、お兄ちゃんに頼まれたんだ・・・そうだ、そうに違いない!だって・・・だって、じゃないと・・・っ!)


そんなことを思ってるうちに、取り敢えずは解散になった。先生達は、警察にも頼んで、皆を探すみたいだった。明日までに皆が自分達から帰って来なかったら、警察の人も人手を増やして、本格的に捜索するらしかった。


帰った私は、自分の想像が・・・ううん、期待が、完全に裏切られたことを知った。お兄ちゃんは家に帰ってなんか居なかった。それはつまり・・・


「お兄ちゃん・・・どこ行っちゃったの・・・?うぅ・・・うあぁぁん・・・」


完璧な失踪だった。私達兄妹は、両親が居ない。だから、私はお兄ちゃんだけが頼りで、お兄ちゃんに依存してる。だから、お兄ちゃんが居なくなったら私は・・・


「ひっく・・・どうやって生きていくのよぅ・・・」


私は、ずっと泣いた。夜が明けるまで泣いた。大好きなお兄ちゃんが居なくなった悲しみで、泣いて、泣いて、泣き続けたーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




それから、翌日になって、もしかしたらお兄ちゃんが帰って来てくれるかもという期待も、悉く裏切られた。


「・・・私、捨てられちゃったのかな・・・」


お兄ちゃんが失踪したのは、お兄ちゃんの意志じゃないことくらい、分かってた。でも、そう思わずにはいられなかった。だって、私はお兄ちゃんに、いつも迷惑かけて、いつもいつも甘えてばっかりで、もしかしたら嫌われてたかもなんて、ネガティブな妄想をしてたから。


「うぅん!きっとお兄ちゃんは帰ってくる。信じなきゃ・・・私はお兄ちゃんを信じてる!だから、帰ってくるって信じられるもん・・・信じなきゃ・・・やってられないよぉ・・・」


私は、お兄ちゃんを信じて、前を向こうとした。でも、心のどこかで、とても不安だった。お兄ちゃんを信じても、世界は理不尽だから・・・

そして私は、とても重い足取りで、学校へ向かった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「えー、もう噂で広まっているかもしれませんが、高等部の方で、1つのクラスの生徒が、丸々失踪してしまいました。今、警察の方が捜索しています。また、何が起こるか分からないので、彼等が見つかるまで、中等部、高等部両方を、休校とします。もし、事件当日、何か気になることやおかしなことがあったのを知っていたり、休校中、何かの手掛かりを掴んだり、誰かを見つけたりしたら、先生達か警察の方に報告してください。以上です。」


お兄ちゃん達が失踪した翌日、早速全校朝礼が開かれ、中等部の先生から、そんな話をされた。どうやら、本格的に警察が動き出したみたい。私としては、一刻も・・・ううん、1日でも早くお兄ちゃん達を見つけてほしい。


それなのに、近くで許せない言葉を聞いた。


「見つかるまで休校だったら、いっそのこと見つからなかったら、俺達ずっと休みじゃね?なんてな。」


「おい、バカ。そんなこと言うんじゃねぇよ。」


話しかけられた男子は、話し掛けてきた男子を小声で窘めたけど、私ははっきりと聞いた。許せない・・・けど、ここで暴れたってどうしようもない。後で先生に報告した後、個人的に報復しに行こうと決意した。


その日は、その朝礼が終わった後すぐに終礼となり、私達は解散となった。でも、私はお兄ちゃんのクラスが気になり、もう1度見に行った。けど、立入禁止のテープが貼られていて、警察の人に追い返されてしまった。


結局、私は登校時と同じ・・・いや、それ以上に重い足取りで、帰路についた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




それから2週間くらいが経って、事件は世間に公表された。その後からというもの、ニュースでお兄ちゃん達のことが取り上げられては、同情の声や、有り得ない作り話だと疑う声もあった。これが作り話なら、どれだけ良かっただろう・・・


もちろん、同情的な人ばかりじゃない。何が楽しいのか、住所まで特定して、わざわざ郵便で、失踪した人の家族を馬鹿にする旨の内容を書いた、殴り書きをしたような手紙を送ってくる、最低な人も多かった。私達は、正直限界だった。


でも、もしもお兄ちゃんが帰って来たら?そう思ったら、どうしても自殺とかを思いとどまってしまう。でも、やっぱり心は傷付いてすり減っていくばっかりで・・・


私はこの2ヶ月間、そんな状態に置かれていたの。お兄ちゃんが帰ってくるのを期待して、でも帰って来なくて、続く嫌がらせに耐え切れなくて自殺しようとして・・・でも、やっぱりお兄ちゃんが帰ってくる可能性を捨てきれなくて思いとどまって・・・


これが、お兄ちゃん達が居なくなってからの2ヶ月間。私のことばかりだけど、家から中々出られなくて、ほかのことは、ほとんど把握してない。ただ、今も捜索は続いてるのは分かるよ。今でも、良くニュースになってるからーーー

中々ハードな生活を送っていた妹ちゃん。これを聞いた兄の反応や如何に・・・?

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