表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルを創って異世界最強!? 〜つまらない日常から一転、非日常へ〜  作者: 日下辰巳
第3章 獣人国王都アガレーヌ編
106/158

第94話 帰還

超絶眠い中書きました。題名通り、帰還します。

転移で・・・地球には帰れるか?


アイに、そう聞いた瞬間、冷たい沈黙が訪れた。


A:っ・・・


俺:・・・アイ?


A:マスターは・・・地球に帰りたいのですか?


俺:あぁ。帰れるのなら、帰りたい。


A:・・・皆が悲しみますよ?


俺:一旦帰るだけだってば。もし転移で帰れるのなら、また戻って来ることだって出来るだろ?


そう。転移は、1度行ったことのある場所であれば、どこにでも行ける。もし転移で帰れるなら、こっちと地球を、行ったり来たり出来るんじゃないかと考えたのだ。俺ってば天才?


A:・・・なるほど、マスターはその様に思っているから、帰りたいと言ったのですね。


俺:そういうこと。で?帰れるか?


A:寧ろ、転移以外に帰る方法はありません。


俺:え?そうなの?・・・あれ?でも勇者達が全員帰るのにも、転移が必要ってことだろ?魔王を倒せば帰れるって国王が言ってたけど、勇者って転移使えるようになるの?


A:はい。勇者の称号には、隠れた機能があり、魔王を倒せば、自動的に転移を習得します。


そうだったのか・・・


俺:ま、とにかく、転移で帰れるんだろ?んじゃ、1回帰ってみるよ。


A:ま、待ってくださいッ!


アイが、急にヒステリックな声を上げた。今まで、アイのそんな声を聞いたこと無かったから、めっちゃびびった。


俺:ど、どうしたんだよ?アイ。


A:マスター、1つ重大なことがあります。


俺:な、何だ?


A:その・・・地球に転移してしまうと、もうこの世界には戻って来れないんです!


俺:・・・は?ど、どういうことだ?転移は、行ったことがあれば、何処にでも行けるんだろ?だったら、帰ってくることだって・・・


A:確かにそうです。でも、それは転移が使えればの話です。


・・・ん?てことは・・・


俺:地球に戻ったら、転移が使えなくなるのか・・・?


A:転移だけではありません。ほかの魔法、スキルも使えなくなります。良く考えてもみてください。元々、マスターの住んでいた地球に、スキルや魔法なんて存在していましたか?


そう言えばそうだ。元々スキルも魔法も無い世界で、スキルや魔法を使える訳がない。


俺:・・・そういうことか。


A:はい。スキルが使えないと言うことは、私も存在しなくなると言うことです。そして、帰って来れないマスターは、私や皆と永久にお別れすることになってしまいます・・・マスター、どうか行かないでください・・・


アイは、最後に泣きそうな声で、縋るようにそう言った。


俺:・・・それが本音か?アイ。


A:っ!?あ、えと・・・その・・・


分かりやすい。アイは、俺と永遠に別れることになるのが嫌だから、俺に行って欲しく無いんだろう。


俺:・・・まぁ、それを責める気は無いけどな。俺だって、お前達と別れたくなんかないんだから。


A:あ、あぅ・・・はい、マスター・・・


どうやら、アイは安堵したようだ。だが、かと言って妹にも会いに行きたいのだ。そろそろ、あいつも1人でやっていくのも限界だろう。妹は、料理はとても上手いが、他の家事が、かなり駄目なのだ。最低限、洗濯や掃除は教えてあるから、そこまで汚くは無いと思うが。


俺:・・・地球でもスキルが使えるようなスキルでも創るか?いや、でもスキルを使えないのに、そんなスキル創っても意味無いよなぁ・・・


A:地球に行っても消えないものは、攻撃、防御、運のステータスと、後は『咒い』です。


俺:攻撃と防御と運はそのままなのか・・・後は咒い・・・ん?待てよ、もしかしたら・・・


A:何か思い付いたんですか?


俺:あぁ。実はーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




俺:どうだ?


A:・・・本当は、とても不安です。確証はありませんし、もしもそれで駄目だったら・・・やっぱり行かないでください!ますたぁ・・・


もし今アイに身体があったのなら、多分抱き着かれてたな。・・・おっと、またしても思考がズレてしまった。


俺:悪いな、アイ。確かに不安だ。もしかしたら、皆にもう会えないかもしれない。・・・でも、もしも大丈夫だったら、俺は帰らなかったことを、絶対に後悔する。だから、俺は地球に帰る!・・・ごめんな。


A:・・・もうマスターなんて知りません。勝手に行ってください。


アイは、完全に涙声だった。


俺:・・・ありがとな、アイ。絶対、帰ってくる。


A:・・・絶対、ですからね。


俺:あぁ、もちろんだ。・・・ニノ達にも言っておかなきゃな。


そっちの方が苦労しそうだ。ニノなんかは、自分も連れて行って欲しいとか言いそうだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「って訳で・・・」


「私も連れて行って下さい!」


うん、やっぱり予想通・・・


「妾も連れて行って欲しいのじゃ!」


・・・あれ?


「私もぉ、連れて行って欲しいですぅ!」


んん?まさかの3人からでした。・・・いや、もしも失敗すれば、もう二度と会えないのだ。そりゃ、ニノだけじゃないよなぁ・・・

今更ながらに、俺は気付いた。


「悪いけど、誰も連れて行かない。不安で悲しいかもだけど、連れては行かない。ごめんな。」


すると、ニノが抱き着いてきた。


「嫌です!絶対!私は・・・私は!ずっとご主人様のお傍に居たいんですっ!」


それに便乗するように、ココとベルも言い始めた。


「そうじゃ!妾も、ずっとリークの傍に居たいんじゃ!多少離れるだけならまだよいが・・・じゃが、もしお主の考えが外れて、もう帰って来れぬなどとなってしまったら、妾達はどうすればよいのじゃ!」


「それにぃ、私達との結婚はどうなるのですかぁ!?帰って来られなかったら、貴方は約束を破ることになるんですよぉ!?先程、自分の発言には責任を持てと言ったじゃないですかぁ!」


・・・確かに、皆を地球に連れて行けば、もし帰れなくても、ずっと一緒にいることは出来るだろう。だが、それだと不安なのだ。俺が帰れないということは、即ちステータスやスキル、魔法が使えないということ。そんな状態で、3人を守り切れるかが不安なのだ。

その点、こっちに置いて行けば、3人は普通に暮らしていけるだけの力はある。正直、目の届く範囲に置いておきたい気持ちもあるが、こっちの方が、恐らく地球より安全のはずだ。


「・・・悪いな。でも、絶対に帰ってくる。約束する。俺を、信じてはくれないか?」


「「「・・・」」」


3人は、とても不安で辛そうな顔をした。だが、それから長い思考の末、


「・・・妾は、リークを信じる。」


「なっ!?何言ってるんですか、ココ!ご主人様を信じても、帰って来れる保証は・・・」


「私もぉ、リークさんを信じますよぉ。」


「!?ベルさんまで・・・」


ニノ以外の2人は、俺を信じてくれた。


「2人とも、ありがとう。・・・それで、ニノはどうするんだ?」


「っ・・・う、うぅ・・・絶対、帰って来て下さるんですね!?絶対ですよ!?」


「あぁ、絶対だ。」


「・・・分かりました。ご主人様の自信に嘘はありませんでした。だから、信じます。・・・絶対、帰ってきて下さいね・・・」


最後に、念を押すようにボソッと呟かれた。3人の為にも、ちゃんと帰って来なきゃな。


「それじゃあ行ってくる。転移ーーー発動!」


キュイン!


発動の宣言と共に、俺の身体は、この世界から消えた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ん・・・?ここは・・・」


目を開けると、そこは見慣れた風景だった。ただそこに、いつもの人達がいないだけで。


「そうか・・・俺は戻って来たのか・・・」


そう、そこは、俺達の通っていた学校・・・の俺のクラスだった。人がいないことを除き、変わったところと言えば、教室の出入り口に、立入禁止のテープが張り巡らされていることだ。どうやら、俺達の失踪から、いくらか時間は経っているようだった。


・・・と、それより先に確認しなくちゃ。


俺:アイ、居るか?




























A:はい、マスター!私はちゃんとここに存在しています!


俺の呼びかけに、アイは答えた。


俺:良かった。てことは、成功したってことだな。


A:はいっ!マスター、本当に良かったです・・・ぐすっ・・・


俺:そ、そこまでか!?と、とりあえず落ち着け。早く妹の安否を確かめたいんだ!


アイがちゃんと答えてくれた感動はそこそこに、俺は、自分の家に向かった。・・・転移で。だって、歩いてる時間が無駄だし、誰かに見つかって騒がれても困るし。


ピンポーン♪


軽快な音と共に、インターホンを鳴らした。しばらくして、玄関が開きーーー


「ただいま、我が妹よ。」


俺は少し、巫山戯た口調で、妹にただいまと言った。きっと妹も、俺のおふざけを軽く窘めつつ、おかえりと言ってくれるはず・・・








































「えぇっと・・・どなたですか?」

おぉっとぉ?妹さん、まさかの兄を覚えていない・・・!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ