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依代と神殺しの剣  作者: ありんこ
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対応すべきもの

 お久しぶりです。書キ溜メタダケデ更新シタツモリニナッテタトカソンナコトナイヨ。

「依!」

「ぎゅむっ」

 例によっておじいちゃんが抱き着いてきた。肺の中から空気が押し出され、酸欠で意識が遠のく。視界が狭まってきたのは目の前がおじいちゃんの胸だからってだけじゃないわね。

 ちょっと緩めてそれ搾ってる私を搾ってるから。ギブ、ギブ。必死にタップする。く、くるしい……。

「お、おお、すまんの」解放されたところで深く深く息を吸い込む。死ぬかと思ったわ。「大丈夫か?何もなかったか?」

「さっきあなたに抱き着かれて呼吸困難になるまで何もなかったようなものよ」

 正確には日本の神々にリンチされたり、カウンセリングを受けたり、おじいちゃんの告白を先行配信されたりしたけど言わなかった。

 お姉さまの言う通りならおじいちゃんは色ボケで相手が私で、たぶんそれは正しいのだけど、そうは思えないわ。今も小さく肩をすぼめて「すまん……力加減が分からんのじゃ。ゆるして」とか何とか言っているし、いつも通りね。

 経験ゼロのわたしが言えたことでもないけどとても恋をしているひとの顔ではないわ。どちらにせよ、気にしすぎるのも困りものね。

「やれやれだわ……」

 でも一つだけ決めたわ。起きたらおばちゃんに頼んでホテルの部屋もう一つ取ってもらおうっと。

「な、何でじゃーっ」

 私はさっさと隣に移って、説得はおばちゃんに任せたからそんな声は聞かなかったわよ。計画通りだったわ。おじいちゃんより先に目を覚まして、おばちゃんに頼む、ここまでね。フレンチトースト作ってあげるから、で説得したわ。

 あのひとフレンチトースト好きなのよね。だって最初の方でも喫茶店で食べてたじゃない?

「何でも何にもないわさ」ため息が聞こえるのはきっと気のせいね。「よくよく考えたら、あんたら男女なのに同室って方がおかしいさね」

「そ、そんな……甘味っ、そんな冷たい話があるかっ」

「あるのさ」

「甘味ーっ!」

 ていうか、おばちゃんの名前知ってたのね。驚きだわ。おじいちゃんはしばらくあーだこーだぶつぶつ言っていたけど、やがてあきらめたのか静かになった。そうよねえ、貧弱極まりない弓削のボディで駄々をこねると疲れるわねえ。

 ちょくちょく聞こえるすすり泣くような声が気になると言えばなるけど気にしないことにしましょう。

 大浴場でさーっと寝汗を流して、私は希望通り出雲大社に行った。嬉しいはずでしょ?そんなことないのよ。あるのは軽蔑と後悔ね。こうして見てみるとくだらないわ。ああ、時間を無駄に過ごしちゃった、って。

 そうでしょ、だってもう私が人でいられる時間はほとんど残っていないみたいなんだもの。文字通り時間は有限だわ。もっと有意義に使わなくてはね。

 じゃあ学校は、行っといたほうがいいわね。そう思って来たものの、時期が時期だわ。10月は行事があらかた終わった後だもの。

 対応すべきもの=色ボケ老人

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