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君といつまでも

姉と弟の日常

作者: 中島 沙綾

Rではないと思いますが、品がないです。ごめんなさい。

北原裕也(14歳):北原家の養子で末っ子長男。三女・汐里のことを一途に想い続けているシスコン王子

北原明里(24歳):北原家長女・グラビア系美人。下着マニア

北原琴里(21歳):北原家次女・クール系美人。読書好きで常に冷静・沈着

※ 汐里本人は出てきません。

 「裕也~、お・か・え・り。」


 裕也の首にするりと腕を回して、微笑みかける。一瞬顔をしかめた裕也が、「ただいま、明里あかり姉さん。」と口元だけ笑って答える。


 あら、この前までは動揺して声も出なかったり、私を振り払う勢いで逃げ出したりしていたのに。中学二年にもなると、ちょっとは成長したのかしら。


 今日の私は、この夏おすすめの白いホルターネックのビキニ姿だ。背が伸びて私より目線の高くなった裕也が私を見下ろすと、胸の谷間がイヤでも目に入るはず。さぁ、どうする、裕也?


 裕也の視線は下を向いたままだ。・・・そんなに胸をガン見されると、こっちが落ち着かなくなってくる。興味のあるお年頃だろうけど、そんなエロい子に育てた覚えはないわ。自分から仕掛けたくせに、裕也を叱ってやろうと回した腕をはずしたら、裕也が視線を動かさないまま、声を上げた。


 「すっっっごいサポート力のある水着だね。どんなワイヤー使ってるの?」

 「!!そうなのよ、新開発の形状記憶・・・・って、違う!」


 つい新製品の宣伝をしそうになって、自分で自分にツッコミを入れた。しまった、今まで下着ネタでからかいすぎたか。自社の下着を着てみせては、裕也が逃げ出すまでアピールポイントを語り続けてきたのだ。裕也の初心ウブな反応を楽しみつつ、自社製品への愛も語れるという私の至福の時間だったのに・・・裕也が妙に詳しくなってしまって、こんな返り討ちにあうとは!


 私がひるんだと思ったのか、裕也が調子に乗ってきた。「それ、どうなってるの?」と首の後ろで結んだリボンに手を伸ばしてきたから、その手をはたき落とした。


 「ほどけたらポロリでしょうが!」

 「・・・あぁ、そっか。」


 思わず手で胸を押さえて逃げ腰になってしまった。「クラスのやつらが喜びそうな水着だなー。」とのん気にリビングに向かう裕也にも腹が立つ。お姉さまのナイスバディを拝ませてやってるのに、少しはありがたいと思いやがれ!!


 何か反撃できないかと思っていたら、洗濯物を抱えた琴里ことりが裕也の横を通り過ぎた。白いものがひらりと落ちる。


 「琴里姉さん、落としたよ。」


 拾い上げた裕也が、それが何であるかに気づいて固まった。


 「汐里のかしら。ありがと、裕也。」


 両手で捧げるように白い布を持つ裕也の顔は、もう真っ赤だ。琴里が、裕也の手からそれをつまみあげる。綿100%のシンプルなブラジャーはいかにも中学生らしい一品で、色気はない。ないのに、私が今までどんな際どい下着を見せても、ここまではなかっただろうというほど裕也が茹で上がってふやけている。そんな裕也を見て、少しは気が晴れたのだが。


 生身の私より、汐里のおこちゃまブラに反応するって、どういうことよ!


 「琴里、わざとやったわね?」

 「明里ちゃんばっかり裕也で遊んでずるいわ。裕也をからかうなら、汐里絡みが一番効くと思うけど?」


 ぎくしゃくした足取りで階段を登っていく裕也を、琴里と目を合わせて笑いながら見送った。

    




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