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Be called Fire boy  作者: タブル
第二章
16/65

#6 臨機応変デフォルターⅢ

「そうだなぁ。学校サボって何やってんだろうな、美鈴は」

 購買で買ってきたパンを食べながら話す。

 昼休み。まだ美鈴は学校に来ていない。

「どうしちゃったのかなー。僕、心配だよ」

「志村、お前のせいとか」

「えっ……」

 コトッ……

 志村が持っていたコーヒー牛乳のパックを落とした。幸い中身は飲み終えていて入っていなかった。

「も、もしかして……」

「志村、お前……心当たりあんのか?」

「僕が……あの時、出さなかったから―――」

「あの時?」

 ゆっくり頷く。

「そう、あれは―――」

 ―――昨日の昼休みのことだった。穏やかな陽だまりの中、一緒に食堂でご飯を食べようと思って美鈴ちゃんを追いかけたんだけど、逃げられちゃって。僕はジュースを買うことにしたんだ。たまたま二百円持っていたから、買うには困らない。

 二百円、自販機に入れようとしたとき、どこかへ行ってしまったはずの美鈴ちゃんが僕に近づいてきて、僕はそのとき、チャンスだと思ったんだ。向こうから近づいてきてくれることってないからね。

 美鈴ちゃんは僕は同様汗だく。

 そして美鈴ちゃんは僕に言ったんだ。

「は、早く、その二百円を……よこしなさい。さもなければ……捻り潰すわよ……」

 美鈴ちゃんは何を言っているんだろう。美鈴ちゃんのこういう暴言も大概慣れてきた。

「……さあ、早く」

「えー、じゃあ、条件を一つ」

「却下。誰のせいだと思ってんのよ」

「僕とお昼、一緒にどうですか?」

 フリも付けて、完璧にキメた。途中で聞こえてきた言葉は気にしない。

 ガコンッ。

 美鈴ちゃんが自販機から出てきたジュースを取る。

 僕は財布を仕舞う。

「はぁ。もういいわ。じゃあね」

 美鈴ちゃんは踵を返し、手をひらひら振って歩き出す。

 途中で立ち止まり、ペットボトルを開けて何かを飲んでいたようにも見えた。

「あーぁ、上手くいかないもんだなぁ。まあ、いいや。ジュース、ジュース……っと。……あれ?」

 そのとき気がついた。確かに二百円入っていると思っていた財布にお金が入っていなかった。

「―――ということがあって……。もしかすると、僕のせい……」

「大丈夫だ、志村」

 その話だと美鈴は無事、無意識レベルで志村に飲み物を買わせている。

「しっかし本当に何やってんだか」

 さっきからケータイで何回かコールしているが繋がらない。

 圏外か、充電切れか、電源切ってるか。

「そうだ……こんな時こそ!」

 妹のケータイだ。確か今日は小学校が休みだとか何とか言っていた。あいつは頭がいいから、普段から母さんも安心して留守番させる。ご飯くらいは自分で作ってしまう小学生。

 もし美鈴が家に居るのであれば、通じるかもしれない。

 我が妹、アイに電話する。

『……はい』

「あ、俺だ」

『詐欺だー! オレオレ詐欺だー!』

 プツッ……

 切られた。

 もう一度掛ける。

「もしもし」

『……はい』

「アイ。今、そっちに―――」

『うわっ……知らない人に名前ばれてるー! こわっ!』

 プツッ……プー……プー……

 切れた。

「なあ、志村」

「なんだよ」

「―――って反応されたんだけど、どう思う?」

「遠藤だって分かってないんじゃね?」

「いや、まさか。俺からだって表示も出てるだろ」

「登録すらされてないとか」

「はは……まさかな」

 そんなわけ……

「遠藤、今度は名乗ってみろよ」

 もう一度コール。

『……はい。あの……どなたですか? これ以上掛けてくるなら通報し―――』

「お前の兄だ!」

 …………。

『……え?』

「だから、お前の大好きなお兄ちゃんだ」

『あーー! なーんだ、お兄ちゃんだったんだ! てっきり悪質な不審者だと』

「なんでだよ」

『だって、……登録してなかったから誰だか分かんなかったし』

「……まじ?」

『……まじ。身近過ぎて忘れてた』

 忘れられていた。

 軽くショックだ。

『―――で、どうしたの?』

「あ、そうだ。今、家に美鈴いるか?」

『ううん。出掛けちゃったよ。学校に行ってるんじゃないの?』

「いや、それが来てないんだ。出掛けたっていつ?」

『うーんとね、さっき。十五分くらい前かなぁ。美鈴お姉ちゃんのケータイに誰かから掛かってきて、それに出て話してー。それでー、なんか慌てて外に飛び出してっちゃった。学校忘れてたのかなーって思ってたんだけど』

「そっか。ありがとな」

『うん♪』

「一人で危なくないようにな」

『はーい』

 電話を切る。


 放課後になっても、美鈴が現れることはなかった。

 いつものように皆と軽く話して、家路につく。特にやることはない。


 家に着いても、まだ美鈴は帰ってきていなかった。

 時刻は五時半。

 何気なくケータイを開いた。着信メール一件。

 レンからだった。

 もともと綾乃の家に行く段階で、連絡が取れるようにとケータイ番号は教えていたが、今日、メールアドレスも交換した。

 メールを開く。

 件名: テレビで。

『遠藤くーん! あのさ、もう家に着いた? もし帰ったなら、テレビつけて。ニュース』

 ニュース?

 何が何だか分からないが、とりあえず言われた通りにテレビの電源を入れる。

 チャンネルを変えると、ザワザワと賑やかな番組があっていた。……違う。バラエティではなくニュース。

 大きなビルの前からの中継だ。

『―――ということで、犯人は未だ人質と共にCビルに立て籠もっており―――』

『犯人は覆面をした、身長百七十センチ後半くらいの男性で、銃を所持しており―――』

『犯人の要求は―――』

 なにやら大事(おおごと)だな。

 ……Cビル。

 それって割とここから近いし。こんな近くで。珍しいこともあるんだな。

 あんな古い廃墟寸前のビルでなぁ。

 レンへ返信のメール。

 件名: Re:テレビで。

『確かにすごいな。意外と近所だし。物騒なもんだよな』

 ……送信完了っと。

 テレビの音声は、自転車で十五分程の場所の依然変わらない状況を伝えていた。

『―――人質は二十人以上と予測され―――』

『―――隣接しているショッピングセンターで買い物をしていた一般人を巻き込み―――』

『―――今、中の人質が―――』

 ケータイの着信音。

 メールを開く。また、レンからだ。

 件名:そうじゃなくて!

『人質をよく見て。上からのアングルのチャンネルで、窓の中』

 人質?

 リモコンをとる。いくつか変えると、指定された放送局を見つけた。

 隣のショッピングセンターからなのだろうか。気付かれず、廃ビル寸前のその建物の中をよく映しだすことに成功していた。

 さっき言われていた通り人質は二十人と少しほど。

 そして。

 ―――その中に、美鈴がいた。


「なにやってんだよ! あいつは⁈」

『巻き込まれたんじゃないでしょうか』

 俺は慌ててどうしようか、あたふたして。綾乃に電話していた。

「巻き込まれたってあいつがか? そりゃ、ねえだろ」

『普通に考えればそうですが』

 テレビの中では、美鈴も両手足縛られて身動きが取れなくなっている。

『何かあるんじゃないでしょうか』

「何か」

 例えば、今日使える分の力を使い切ったとか。……あほか。

 なんでまたこんな時に。

『それはないと思います。今日は学校にも来てないし、そんなに使う機会があったとは思えません』

「それもそうか。……じゃあ、なんで」

『恐らくですが、能力が通じない、とか』

「はあ? なんでだよ。美鈴の能力ってある意味最強じゃん」

 読心術に瞬間洗脳、強制錯覚。美鈴は自身を『心の超能力者』と言っていたはずだ。

「そんなことって」

『もしかしたら、あの犯人も超能力者ではないでしょうか』



 チャリを走らせ、現場に到着。

 場は騒然としている。遠巻きの野次馬。たくさんのパトカーがビルを包囲し、緊迫した空気のまま状況は変わらない。

 この空気こそ、良くも悪くも事態の均衡を守っている。

 ビルの周りは騒がしく、その中心は静寂さすらを得ているようだった。

「……あの」

「なんだ、君は」

 警官が何人も立っていたので、近くにいた一人に話しかけた。

「ここは危険だ。邪魔になる。ここから離れなさい」

「中に友達がいるんです」

「それは私達、警察に任せておけばいい」

「でも」

「いいから、出ていきなさい」

 なんだか、俺が空気の読めてない少年みたいな扱いだ。

「犯人は何と言ってるんですか?」

「いいから―――」

「教えてください!」

 頭を下げる。

 今はこうするしかないと思う。意地でこの姿勢を保つ。

「教えられない。ここから離れなさい」

「嫌です」

 美鈴がいる。それは出来ない。

「嫌じゃなくて、君みたいな部外者は―――」

「まあまあ」

 別の人の声。

 少し頭を上げて、様子を見た。

「この小僧は俺に任せて、先輩は持ち場に戻ってください」

「……そうか。じゃあ頼んだぞ」

 警官の一人が去っていった。

「―――で、少年。頭を上げろ」

 ……。

「……ぅあっ!」

「人の顔を見て、そんなに驚くなよ。こっちがビビるだろ、遠藤くん」

 驚いて一歩退いてしまっていた。

「いや、だって、こんなとこで会うなんて思わなかったから……リョウさん。今日は警官ですか」

 リョウさんはグッと親指を立てた。

「潜入の基本だな」

「すごいな……完璧に潜り込んでる。いったい、どうやって?」

「新入りの一人になりすましているんだ。その辺の手回しもしている」

「一人で?」

「いや、仲間がいる。色んな業界に通ずる人材が何人か。それでこうやって仕事が手に入るってわけだ」

「すげえ」

 持つべきものは人脈だ。

「ま、実際のところ、こういう仮初めの職で喰っていけてるんだよな、俺。本来の目的に対する手段としての職なんだが、そこで稼いで生活費にあててる」

「え、その本来の目的っていうのは仕事じゃないんすか?」

 それじゃ、下手すりゃ本末転倒にもなりかねないじゃないか。

「仕事というより、夢を追いかけてるようなもんさ。儲けにはならない。傭兵じみたこの潜入も、夢への手段でしかない」

「リョウさんの夢って―――」

「で、遠藤くん。こんな立ち話してる場合ではないんじゃないのか?」

「あ、ああ」

 そんな場合じゃない。それは言われずとも分かっていたが、リョウがいた。この状況で、変わらない様子で話すリョウさんがいたから、どこか緊張感が欠けてしまった。

「状況はヤバいぞ」

「犯人は何と言ってるんですか?」

「さっきの警官にも言ってたな。犯人は警察に幾つかのモノを要求している。まあ、これは誰でもすぐに想像のつくものだ」

「……金とか?」

「その通り。金と逃走用の車。警察には、その二つを要求をしている」

 想像に(かた)くない。

 世の中の犯罪なんて大半はそんなものだ。金金金。

 正直、胸糞悪くなる。しかし、それがこんな長引くなんて思えない。

 警察が勝つなり、屈して犯人が逃走したり、何らかの形で解決してもよさそうなものだ。

「なんで打開できてないんだ……」

 ゴホンッと咳払いを一つ。

「あくまで警察には、だ」

「え?」

「その要求は、あくまで警察に対するものでしかない。それがこの事件の本当の鍵と言える」

「どういうことだよ」

「警察は知る由もないんだ。この事件の真の構図なんてな。……犯人はもう一つ、大きな要求をしている。超能力結社マデュアに対してだ。要求内容は、自身の『自由』。人質は美鈴ちゃんだ」

「……なんだよ、理解できねえよ。自由? 人質が美鈴? 何の話なんだ―――」

 唐突すぎてついていけない。

「詳しく話してあげたいが、そうもいかないようだ。ほらっ、犯人様のご登場だ」

 リョウさんは廃ビルを指差した。

 目を遣ると、廃ビルの中から一人の男が歩み出ていた。

「あいつがこの件の首謀者だ。こういうことを生業としている人間の間では有名人なんだぜ、あいつ」

 リョウさんは静観しつつ言う。

「大きく出たもんだ」


 ビビビビビビッ。

 機会音のような音。

 次の瞬間、あり得ない光景がその場に映った。

『やあ、警察諸君。俺が……久城(くじょう)永作(えいさく)だ。今はただのテロリストだ……聞こえているか?』

 スピーカーに繋がれて音が響く。

 しかし、話している本人が。

 本人の画像が。映像が。

 ビルの窓という窓に映し出されていた。それだけではない。近くの建物の窓から、パトカーのミラーにまで、喋る犯人―――久城が映し出されている。

「リョウさん!」

「ああ。これは久城の能力だな」

「久城って何者なんだよ⁈」

「普通、超能力者というのは互いの能力を隠すものなんだ。……俺も個人に関しては詳しくない。あいつの能力なんて分からないんだ」

 リョウさんが苦笑いを浮かべた。

『―――おい。聴こえてるか? メディアの野次共にも伝わってんな。それを通して、マデュアの重鎮共に伝えりゃいいんだ。俺の言葉をな』

「久城、お前の目的は何だ!」

 警官の一人がマイク越しに叫ぶ。

『目的? 俺の目的は自由だ。そう伝えたはずだ。お前らはただ金と車を用意すりゃあいい。人質と交換だ。そうだな……人質一人につき200万でどうだ?』

「そんな要求容認できない。お前は既に包囲されている! おとなしく降伏しろ!」

『はぁ……会話になってねえじゃねぇか。じゃあ、こういうのはどうだ。……時間制限だ。俺が一番求めてるものは金じゃない。ましてや他人の命でもない。自由なんだ。だから、時間制限を設ける。十分おきに一人殺す。今、このビルの中には俺を含め二十五人いるからな……タイムリミットは二百分としておこうか。全員殺したら抑止力にもならねえしな。妥当な数字だろ』

「やめろ! 人質に手を出すな!」

『いや、出すね。俺には関係ない命だ』

「やめろぉ!」

 警官が訴えるが、久城はそれに応じることはない。

「リョウさん。何故警察は言葉で訴えるだけなんだ?」

「いや、最初は拳銃を構えて包囲していたんだ。だが、奴には効かなかった。それにビルに近づいただけで焼け焦げ、犠牲になった人が数人いるんだ」

「近づいただけで?」

「ああ。それも奴の能力だろう。警官も犠牲になっている。現実離れし過ぎているんだ。だから迂闊に近づけないでいる」

 どんな無茶苦茶な能力だよ。近づいただけで丸焼きだと。そして、今、反射するもの全てに奴が映し出されていて、更には美鈴の能力も通じない。そんな……異常すぎる。

 くそっ、なんて奴に捕まってやがんだ、美鈴は。

『支配者気取りの奴らに一泡吹かせてやる』

 映像が切れた。

 全てのガラスや鏡は元へ戻った。

 しばらくして警察がざわつき始めた。

「―――どうする?」

「―――突入しますか?」

「―――危険だ―――」

「―――いや、今は人命を優先して―――」

「―――ここは一度犯人の要求をのんで―――」

 声が聞こえてくる。

 意見は二つに割れている。一方は犯人の要求をのむ方法。もう一方は強行突破。

 状況は最悪。警官達の間も錯綜した展開。意見がまとまらない。

 しかし時間だけは刻々と過ぎていく。

「リョウさん、どうしますか」

「どう、とは?」

「どうやって美鈴達を助けますか」

「ははっ」

 乾いた声でリョウさんが笑う。

「遠藤くん。お前は何か勘違いしてないか?」

「どういう意味―――」

「俺は正義の味方でもなければ、遠藤くん達の仲間じゃないんだ。……こんなこと話すべきじゃないんだが、俺の今回の目的は要人の暗殺だ。今日、ここの訪れる可能性が高い。だから俺にとっちゃこの事件が起こったことが重要であって、別にこの事件がどうなろうが俺の目標(ターゲット)には、さして影響が無いんだ」

「……」

 ……そうだ。関係ないんだ。この人には。

 友達でも仲間でもない。ただの知り合いだ。

 それに自分の正義を他人に押し付けるというのもお門違いだ。

「つってもな。俺も悪人じゃない。手伝ってやりたい気持ちはあるんだ。ただ俺は手が離せないんだよ。ここから離れられない。その要人ってのがいつ来るか分かったもんじゃないからな」

「リョウさん。……その要人って」

「しっ」

 リョウさんが人差し指を口元で立てた。

 目線でビルの方に向ける。

『あーぁ、タイムリミットだ。警官諸君。一人見殺しにしちゃうなぁ。さぁて、誰にしようか……』

 久城の声が響く。

「リョウさん!」

「そうだな……知らない人でも、殺されたら目覚め悪いもんな」

「どうにかできないのか、あのビルに」

「しょうがない。お前にこれをやる」

 ゴソゴソとポケットから何かを取り出す。出てきたのは一枚の紙切れ。

 それは人型をした―――

「式神!」

「正確に言えば思念紙というが」

 リンさんの記憶に出てきたものだ。その記憶の中で式神で不思議なことが起こった。

「これを使えばなんとかなる」

「それ、リョウさんが持ってたんですね」

「ああ。リンが死んだ後な、とあるルートで入手した。これはリンが持っていた式神だ。まだ束で俺が持っている」

「……これ、使っても」

「いいんだ。使わないと宝の持ち腐れだ。俺も時々使っている」

 ぐいと、押し付けられた。

 リョウさんの手からそれを受け取る。

「これ、どう使えば……」

「この場合、持っているだけでいいんだ」

「持っているだけ?」

「そうだ。ただし、心の底から身を守って欲しいと式神に祈っておくんだ。そうしないと、何も起こらない。……ほら、行け。急いでいかないと一人目殺されるぞ。助けたいんだろ?」

「ありがとうございます!」


 リョウさんに礼を言って、ビルへ走った。

 ジリジリと警察がビルとの距離を詰めていく。その間を抜けて、ビルの駐車場を駆ける。

「あっ、危ない!」

 一人の警官が叫ぶ。声からして最初に俺を話しかけた人だ。

「危ないぞ。離れろ!」

 俺は心の中で祈る。

 ―――式神。どうか俺に力を。俺を助けてくれ。

 警官の言葉を無視して走った。

 ビルまであと少しのところで、何かが眩しく光った。

 何か。

 その光源は……ミラー。

 事故防止のためのミラーだ。他にも何かギラギラ光っている。……ガラス?

 反射できるあらゆるものが光っている。

「眩し……」

 腕で光から目を隠す。

 直後、体が熱を帯びた。

 暑いのではなく、熱い。痛いほどに。

 一瞬が長く感じた。熱さが長引く。緩やかに高温で焼かれる気分だ。

「……っ」

 右手元も光っている。……光っているが……

 その輝きは、身体を焼くそれとは異なっていた。淡く、緩く、揺らぎながら輝いている。

 それが全身を覆う。

 身体が包まれるにつれ、周囲からの熱も弱まっていく。

 ふと気がつけば、熱さなど微塵も感じなくなっていた。

「……助かったのか……?」

 そっと握りしめていた手の平を開いてみる。

 ……式神が一部焦げていた。

「ありがとう、リョウさん!」

 また駆け出して、ビルの中に飛び込んだ。


「ぁん?」

 中にさっきの男―――久城が立っていた。

「誰だよ、てめぇ」

 久城が威圧的に俺を睨む。

 男の立ち姿は、人質を盾に廃ビルに立て籠もっている人の姿を思わせないものだった。

 俺に対しても鋭い殺気を向けている。怖気(おじけ)つくわけにはいかないのに、恐怖が全身を駆け巡る。

 蛇に睨まれた蛙だ。

 この感覚、過去に味わったことがある。

 ……そう、あの日。俺を殺しに来たエージェントと対峙した時と同じ感覚だ。

「何者だよ、おい。ここに入ってくるとは。一般人が入れる仕組みじゃないんだが」

「美鈴達を解放しろ!」

「……はあ? 馬鹿かお前は」

 一蹴された。

「もしかしてお前は……遠藤か? 遠藤真人か?」

 え……

「あ、ああ。だったらどうした!」

「そうか、お前が四天王の一人を退(しりぞ)けたという噂のガキか。ふむ……ただのガキにしか俺には見えないのだが……まあいい。どのみち死んでもらう」

 男の手が光った。

 咄嗟に横っ飛びをした。何故そうしたのか分からないが、勘というやつだ。見ると、さっきまでいた場所が黒く焼け焦げていた。

「ほう、やるな」

 偶然である。

「久城。人質を解放しろ」

「ほぅ、いいねぇ。その威勢。しかし世の中、勇気だけじゃどうにもならないことの方が多いんだ」

「どういう意味だよ」

「言った通りさ」

 話を逸らされている気がする。

「俺が人質を解放? じゃあ、遠藤。お前が逃走用の車を用意すんのか?」

「お前は警察に引き渡す」

「それはつまり―――マデュアに引き渡すってことか?」

「警察に引き渡すって言ってんだ!」

「俺を警察に引き渡すってことはなぁ……マデュアに引き渡すってことなんだよ!」


「―――この何も知らねえガキが」

「何のことだ」

「……どうだ。お前、俺の仲間にならないか?」

「ふざけるな。何が仲間だよ」

「まぁ、そうだろうな。元々期待してない。だが、実力は買ってやるってんだ。ここまで辿り着けるだけで大したもんだよ」

 そうか。

 久城は式神を俺が持っていることを知らないらしい。もしかすると、式神のこと自体知らないかもしれない。

 それにリョウさんのことも。

「俺は―――」

「ガキ。俺はお前のことを炎系の能力者と噂で聞いていた。この街で事を起こすんだ。お前のことくらい警戒していた。それを踏まえて、この作戦をやってんだ。お前……どうやってここまで」

「答える気は無い」

「そうか……そうか……」

 久城の手がまた光る。

「ガキ……そんなに死に急いじゃいけない。……時間はまだある。ここに俺の仲間が来ることになってんだ」

「仲間だと?」

 いや、待て。逃走用の車がどうとか言っていたはずだ。仲間がやって来るなんて思えない。

「仲間って」

「少し話してやろうか。俺はマデュアの人間だったんだ」

「―――マデュアッ‼」

「そう、マデュアだ。だが色々あってな、組織を裏切ることにしたんだ。マデュアは、所謂(いわゆる)秘密結社みたいなものだからな、そういう奴は容赦無く消される。だから俺は消される前に行動に出たってわけだ」

「それがこれか」

 廃ビルに人質と立て籠もる。

「お前の目的は何だ?」

「目的だと。それは何度も言ったはずだ。目的は俺達の自由。組織の束縛から解き放たれた真の自由(リバティ)だ」

 自由。それはつまり。

「今は自由ではない、と」

「まあ、そういうことだな。どちらにしろ俺は組織の狗として散々使われた挙句殺される運命なんだ。だからその前に行動しただけだ」

「だが、こんなことしてもお前には未来は無いじゃないか。警察やマデュアに追われ続ける。いつかは終わりが来るはずだ」

 確かマデュアは世界規模の超能力者軍団だ。とても逃げ切れるはずがない。

「ははっ、その辺りは大丈夫だ。……俺はデュアールに亡命する」

「亡命⁈」

 デュアール。マデュアとの敵対組織だったか。

「そうだ。亡命。そして、もうじきここにデュアールの者がやって来る」

「……そいつがさっき言った仲間ってことか」

「その通りだ」

 久城がそう言った直後、光っていた腕を振るい、その手を俺の方に向ける。

「まあ、その前に遠藤。てめぇを殺すなりしねぇといけないらしい」

 久城の手が眩しく光る。

 目映い。

 ……一瞬で、また俺の身体は熱を持った。

 熱くなった。

 いや、熱くなりかけた。

「……あれ」

 身体を見る。何処も焼けてなどいない。

「ガキ、何をした」

「俺は何も……」

 していない。

 ポケットをそっと開き、式神を覗く。

 ……焦げが大きくなっていた。

 どうも、また助けられたらしい。

「ガキには通じないってことか」

「そうらしいな。お前の攻撃は俺には通じない」

 だが、式神にも限界があることは焦げかたからも見て取れる。

 あとせいぜい三回が限度。

「……そういえば、お前。久城には美鈴の能力が通じないのか」

「なんのことだ」

「美鈴がおとなしく捕まるはずがない」

 少なからず抵抗はするだろう。能力を使って。

「ああ、上の階のお嬢様な。奴の能力のことを俺はよく知ってるからな。ガキ。お前は、あいつの能力がどういうものか詳しくは知らないだろ」

「……心の」

「はははっ。それはカモフラージュとも言える。まあ、そりゃそうか。自分の能力の原理を教えることは自滅行為に等しいもんなぁ!」

 久城が不気味に笑う。

「違うんだよ。ガキ。あいつは心の何のとか言っているが、それは半分以上は嘘だ。奴―――みーちゃんは音のエキスパートだ」

 音の……いや、いやいや。

 ……みーちゃん⁈

「今、お前……」

「あ?」

「みーちゃんって言ったか?」

 そういや、あの四天王の一人のあいつもみーちゃんって……

「ああ。みーちゃんはこの業界では有名でな。誰もがそう呼んでいる」

「マジかよ⁈」

 あのクソエージェントだけかと思っていた。


「―――って、そんなくだらないことはどうでもいいんだ」

「話振ったのは、ガキの方じゃねえか」

「うっせえ! 音のエキスパートっていうのはどういうことだ」

「正確にいうならば、振動なんだが。音波、更には微弱ならば電波までも自由自在に操れる能力だ」

「はあ⁈ それがどうして心とか」

「相手の心を読むとかいうのは、相手の脳波を読み取ってるだけだ。その精度は計り知れないがな」

「じゃあ、相手を操るっていうのは?」

「体内の電気信号発信部からずらしているとしか思えねぇな。身体を操るのは、運動神経もとい筋肉への運動信号を操作。心を操作するのは、それこそ気持ちと呼ばれる部位の脳のパルスを弄ってんじゃねえか?」

「そんなことって……」

「証拠に能力を使うとき、みーちゃんから超音波が発生していたはずだ。聞いたことあるだろ」

 聞いたこと……ある。

 良く耳にしていた。あの高音。

 耳鳴りかと思ってしまうあの音。

「その音さえ聞かなければ、能力は通じないってことだ。仕組みを知れば、なんてことはない。無敵と思われている能力も、案外そんなものだ」

「じゃあお前耳栓でもしてたってことか?」

「いや、不意打ちで眠らせて閉じ込めてある。ここは元はレコーディング会社のビルらしくてな。防音設備の整った部屋があった」

「ってことは」

 美鈴の能力は敵に通用しないわけじゃなく、敵に上手く対処されたってことか。

 ―――俺は何か、こう……相手が『心無い人間』だからだとか、考えたけど。そんな言葉遊びみたいなオチじゃないのか。



「さあ、時間も時間。楽しいおしゃべりもここまでだ」

 久城が一歩前に出た。……本気で来る。

「攻撃方法を変えてやろう。こういうのはどうだ」

 ズボンの中から何かを取り出す。

 それを俺に向かってかざす。

「なんだ?」

 手鏡……? 手の平サイズの鏡だ。

 その鏡も例によって輝き出す。

「うっ」

 今までの経験も踏まえて、即座に横っ飛びした。そして式神を確認。

 焦げは広がっていなかった。

「あれ……?」

 さっきまでいた場所にも何も起こっていない。

 久城を見る。

「なんだよ、それ……」

「ふっ」

 手に持った鏡から、光が伸びていた。その光は形を変え、ゆらりゆらり動きながら一つの形を成していく。

 やがて動きが固まると、それは一本の刀の形作っていた。

光聖剣(ライトニングソード)

「何それ⁈ 超かっこいい‼」

 久城が走りかかってくる。

「いや、ちょっ―――」

「死ね」

 ワンステップ下がる。転ぶ様にして後ろに転がった。

 久城は光剣を振り切っていた。空を切った。そこまでなら分かる。だが久城は床までも切っていた。

 硬い床が、いとも簡単に、さっくりと切られていた。

「おいおいおい……」

 やばい。

 背筋に寒気が走る。鳥肌がたった。

 とりあえず立とう。

「…………ぁ……ぇ?」

 立てない。見ると足が震えていた。

 今更になって、死の恐怖が追いついてきた。

 そうだ。こいつは、久城は、やばい。

 人を殺せる。

 そう思った瞬間、余裕も何も全て吹き飛んだ。

「はっ、目の色が変わったな。遠藤」

「ぐっ……」

 なんにせよ、動かなければ話にならない。このまま殺されるだけだ。

 ぐっと下唇を噛む。舌先から鉄の味が広がっていく。

「くっそぉぉぉおおお」

 俺にも力があれば。美鈴のような、久城のような、あいつのような。超能力さえあれば。

 ―――俺には無いのか? まったく?

 美鈴と、ある古ぼけた祠に行った。そこに俺は何をしに行った?

 美鈴は生まれもっての超能力者だ。だけど美鈴は、後から超能力を得ることもできると言わなかったか?

 俺は手に入れようと必死だったじゃないか。色んなモノを護るために。

「ぅぅうおおおおおおおお―――」

 床で崩れている姿勢のまま、腕を久城を向け伸ばす。手の平を開く。

「何のつもりだ」

「ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお―――」

 腕の先、手の先が熱くなる。何かが来ているのは分かる。

 全ての特殊な力が一箇所に集まっていく。

「ま、まさか……」

「くらえぇぇぇぇ‼」

 …………ポッ…………シュー……

 なんか線香花火の最期の煌めきのような。ろうそくの火を吹き消した時の、一瞬の輝きの様なモノが。

「……へ?」

「は?」

 きっと、火系の何かが出てきた……んだと思う……きっと。

 たぶん。……うん。

「あ」

 俺は慌てて後ろに逃げ走った。久城が目を点にし、絵に描いたような拍子抜けした顔をしている間に。

 ……ふう、助かったぜ。

「……ガキィ」

「は、はい!」

「あんまりふざけてんじゃねえぞ、コラ……」

 怖ぇ。


 少し冷静になれてきた。

 ……少しは頭を使おう。

 頭の中で久城と戦う自分をシミュレーションしてみる。

 ………………。

 …………。

 ……。

 結論、勝てない。勝ち目ゼロ。

 どうするか。

 ……そうだ!

 美鈴を助ければいいんだ。

 美鈴を解放して、一緒に戦えばなんとかなるかもしれない。

 もう迂闊なこともできない。これしかない。

「おらぁ」

 切りかかってくる久城をなんとかかわす。

 勢いをつけて飛んでしまい、壁にぶつかるまで転がった。

 窓の淵を掴んで立ち上がる。その時、足元に転がっていた。

「……消化器?」

 消化器を拾う。ストッパーを外し、正しい使い方で消火剤を噴射させた。

 室内に霧がかかったように、白く染まっていく。

「今だ!」

 視界の悪い部屋の中を階段に向け走った。

 久城と話している間に、どこに何があるか確認しておいた。


 ―――二階。

 美鈴を含め、人質全員を見つけることができた。

 美鈴以外はテレビで見たのと変わらない場所。美鈴は奴の言った通り、音を遮断する壁の中だった。

 人質の一人の男性の縄を切る。これで後はなんとかなるだろう。一応、ここから動かないようにと伝えておいた。

 久城がいつ二階に来るか分からない。

 急いで美鈴の元へ走り、縄を切った。

 口にガムテープが貼ってあったので、慌てて剥がす。

「痛い!」

 ガッ。

 美鈴に殴られた。

「いてぇな。せっかく助けてやったのに」

「痛いのはあたしの方よ。貼ってあるガムテープを勢いよく剥がすなんて、あり得ない!」

「わるい……」

「ところで久城は?」

「今、下にいる。いつこっちに来るか分からない」

「そう……とにかくここじゃ()が悪いわ」

「どういうことだよ」

「いいから!」

 美鈴が俺の手を引いて走り出した。

「奴は―――久城は光の能力者なの!」

「光⁈ なんだよ、そりゃ。まるで正義の味方にありがちな能力じゃないかよ」

「馬鹿言ってないで聞いて! 詳しく言うと、光の屈折率を自由に操れるの。光を細かい物質として捉えて、それを操る!」

「いや、待ってくれ。俺は焼かれかけたり、なんとかソードで切られそうになった!」

「それ全部光! 光は集まると高温になるの、分からない? 虫眼鏡みたいなものよ」

 走りながら。

 階段を駆け降りる。

「つまり焦点の集まりってことか」

「ええ。ま、そんなものね」

 これで全てが繋がった。

 あの、外で起きた現象も奴なら可能。

「ん、でも、何でだ?」

「何が?」

「なんであいつの能力に詳しいんだよ」

「それは―――」

「―――俺が、みーちゃんの上司だったからだ」

 一階のエントランス。一つの支柱の影から久城が現れた。

「久城……」


「また少しお喋りするか? 遠藤」

「ふざけんな、久城!」

「落ち着いて、真人。……今あたし達の方が絶対的に有利だから」

 一歩踏み出した俺を制す。

「流石、みーちゃんは冷静だ。未超能力者の遠藤を無駄死にさせないってことだな」

「……久城。貴方がこんな行動に出るなんて」

「予測できていたことだろう。俺は言っていたはずだ。マデュアは間違っていると」

「……そうね。貴方をもっと疑っておくべきだった。もっと気を配っておけば」

「不意を突かれることはなかっただろうな。俺に対する信頼が仇となった」

 確かに美鈴が不意を突かれたとはいえ、―――いや、不意を突かれることこそがあり得ない。

 なにせ心の……じゃないんだっけ。僅かな音や電波の能力者なんだから。気配に気がつかないはずがないんだ。

「あたしが自由になった今、久城、貴方はもう終わりよ」

「ははっ、みーちゃん!」

 久城が手榴弾の様なモノを取り出した。

「爆弾⁈」

「違う! あれは―――」

「もう終わりだと? それはどうかなぁ!」

 久城が手にしていたものを真下に投げつけた。


 爆発。

 モノを破壊する爆発は起こらなかったが、空気中に何かが舞っている。元々消化器振り回した後だから、深い霧の中のようになっている。

「美鈴、これって」

「やられた……あれはチャフグレネードよ」

「どういうことだ?」

「つまりね、今の状況は、あと久城に耳栓でもされたら、ここではあたしの能力が殆ど通じない」

「マジかよ……奴はどこに行った」

「さあ」

 見渡すも周りに久城の姿は無かった。

「ねえ、真人。久城の目的って何か言ってなかった?」

「あいつの目的? ……あいつは仲間を待っている。時間稼ぎだ」

「……ということは。無駄な戦闘は避けるはず」

 美鈴が腕を組んで考える。

「戦闘を避けるって、なんでだよ。あいつは俺を殺そうと―――」

「ええ、たぶん貴方は殺しても構わない。だけどあたしは殺せない。違う?」

「え、……あー、そうかも」

 そういやリョウが言っていた。

 久城の真の要求。マデュアに対し自由を求め、人質として美鈴を―――

「なるほど。ってなんで、美鈴知ってんだよ⁈」

「自分の組織での立場くらい、自分でも分かってる。それに久城のことも。だから、今がどんな状況なのか、だいたい予想がついてるの。ただ分からないのが、あいつの仲間。久城に、こんな行動を共にするような仲間っていたかしら」

「デュアールの奴らしいぞ」

「デュアール……ちょっと、久城、亡命するの⁈ 呆れた……」

 美鈴が頭を抱える。

 美鈴のリアクションを見てると、色々聞きたくなるが、ここは抑えるべきだ。

 それより先に。

「じゃあ、美鈴は殺されないってことだな」

「あたしと一緒にいれば、ついでに貴方も安全」

「そうか。ならしっかり密着して―――」

 ガッ。

 また殴られた。

「貴方、死にたいの?」

 ガッ。

「いや、だってくっ付いていれば安全だって……」

 ガッ。

「そうね、近づき過ぎても死ぬわよ、真人。適度な距離を保ちなさい」

 ガッ。

「適度な距離って―――」

「近い!」

 ガッ。

「だって」

 ガッ。

「うっさい! それ以上近寄ったり離れたりすると殺すわよ!」

 ドスッ。

「はい」

「分かればよろしい」

 ゴッ。

「あの……」

「なに?」

 ゴスッ。

「殴り続けるの、やめてもらえませんか。痛いです」

「あらそう。真人があんまりアホなことするから、真性のMかと」

「美鈴がSなだけだ!」


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