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結婚

 

 それは唐突だった。

 リビングで二人でソファに座りボーっとテレビを見ていた時。


「結婚、してもいいかな?」


「いいともー・・・本気で言ってんの?」


「マジマジ。お金もあるから」


 ここに二人のカップルがいる。

 男の名前は、仙谷勤せんごくつとむ。それなりの顔だがどこか残念である。彼女から言わせると『漫画で主人公の友達レギュラーキャラ』のような雰囲気を持つ男だ。ちなみに無職。


 女の名前は、八島佳奈やじまかな。彼氏より二つ年上でこちらもそれなりの顔だ。彼氏から言わせると『美人女幹部』。ちなみにエリート。


 同棲を初めて二年。結婚は彼氏の就職先が決まってからの約束であったが・・・


「俺が就職するまで待つっていったじゃん」 


「私もう待てないんだよね。あ、バイト辞めてね。そのほうが都合がいいから」


 ということで彼女の方から結婚を切り出した。


「え、じゃあ、お、俺・・・ヒモになるって事・・・!?」


 ガクガクと震えながら勤が言う。残念な勤にだってプライドはある。ヒモなんてものは耐えられない。

 そんな勤を見て佳奈はふうっとため息をつく。


「いやいや、あんたは家のことしたらいいの。いわゆる主夫ってやつ」


「主婦!?」


「違う。主夫」


 びしっと指をさし佳奈が勤の間違えを訂正する。


「でも・・・ヒモと変わりないyむぐぅ」


 佳奈が左手で勤の頬をつかみ、何も言わせなくする。勤はかなの手を離させようとしばらくジタバタとしていたが無駄だと悟り諦める。

 落ち着いた勤を満足そうに見て佳奈は右手でテレビを消す。そして、左手で勤を掴んだまま勤の耳に口を近づける。

 そして、


「一生、私のために味噌汁を作って」


 そう囁いた。

 明らかに男のほうが言うプロポーズだ。しかしそれに対して勤は、


「か、かなひゃん(か、カナちゃん)・・・」


 キュンとしていた。掴まれた頬を赤く染めながらキュンとしていた。

 勤はドキドキしながらこう思っていた。


(味噌汁は濃い目かな?それとも薄味?)


 先ほどためらっていたのを忘れて主夫になる気満々だった。


 頬を染めながらクネクネと体を動かす勤を見て佳奈は、勤の頬をパッと離し勤の頬を向いてソファで正座する。


「で、どうするの?結婚するの?しないの?」


 その言葉に勤はさらに顔を赤くする。勤は佳奈と同じように正座をした。それから三つ指をついてお辞儀をした。


「お、お願いします」


 それを見た佳奈は鼻息を荒くしてこういった。


「キュンとしちゃうじゃないか!!!!!」


 真っ赤になった勤を佳奈は押し倒しズボンを脱がせる。

 まさに早業だった。佳奈は右手で勤を押し倒し、倒れた反動でズボンを脱がせた。そして勤が何が起こったか気づく前に勤の服を破ってパンツだけにする。


「カナちゃん!ダメ!ダメダメ!やめてええ!!」


「フハハハハハ!!!聞こえん!聞こえんぞ!」


「きょ、今日、危険日!俺危険日!」


「男にあるわきゃないじゃろうが!」


「きゃぁぁぁっぁぁぁ!!カナちゃんなんか方言出てる!」


 


 こうして、カップルは夫婦へと進化した。

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