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とんぼ

作者: クスハ

 ねぇ、おねえちゃん。

 今日はプールだったんだ。

 夏だけど、プールの水はとっても冷たくて気持ちよかったんだ。

 あ、そうだ。

 おねえちゃん、とんぼさんの子どもって、とんぼさん?


 違うんだ、ヤゴさんって言うんだね。

 そのヤゴさんだけどね。

 ぼく、今日はプールに入れなかったんだ。

 おねえちゃんは今日は入れたんだ、すごいね。

 ぼくは入れなかったんだ。


 どうして?

 えっとね、ぼくは夢を見たんだ。

 ヤゴさんの夢。

 どんな夢って?

 今から教えるね。


 とんぼさんって、プールの上を飛んでるよね。

 先生に聞いたら卵を産んでるんだって。

 だから、お掃除するために秋にはプールができないんだって。

 ぼくね、それを聞いて入れなかったの。

 夢をみちゃったの。


 それはね、こんな夢。

 とんぼさんの卵がプールに落ちて、ぼくらのおくちの中にそれが入るでしょ?

 そしたらおなかの中がヤゴさんでいっぱいになるの。

 そしておなかをはいまわって、

 のどを伝って、おくちからわさわさって。


 おなかから出てこなかったヤゴさんは、とんぼさんになってぼくの体の中を飛び回るの。

 ぶんぶん、ぶんぶんって。

 はながむずむずして思わず、

「くしゅん!」

 ってしたらね。


 はなからとんぼさんの羽が出てきて、

 おくちからはちぎれた体が飛び出すんだ。

 死んじゃったんだよ、とんぼさん。

 かわいそうだよね。

 だから入れなかったの。


 おねえちゃんはどうして入れたの?

 あれ、おねえちゃん?

 顔色わるいよ、だいじょうぶ?

 あ、待っておねえちゃん。

 うわぁ!



 おねえちゃんが吐いちゃった。

プールの最中に思い出してくれると効果アリかと。

因みに作者は大の虫嫌いです。

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