26年3月第2週 政治・経済ニュースベスト5【ゴールデンドーム 有識者会議 ジェスタ 石油備蓄放出 衆議院予算通過】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
第5位 『米ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」参加、日米首脳会談で表明へ…中露への対処力向上狙い』
読売新聞3月13日の記事 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260312-GYT1T00542/
『政府は、ワシントンで今月予定される日米首脳会談で、米国が進める次世代型ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加を伝える方向で調整に入った。迎撃ミサイルの共同開発や衛星網の構築で連携し、中国やロシアが開発を進める極超音速滑空兵器(HGV)などへの対処力を向上させる狙いがある。
複数の日本政府関係者が明らかにした。高市首相は19日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する。首相の訪米は、昨年10月の就任以来初めてとなる。
会談では、トランプ政権が2029年1月までに運用を始める同構想について議論し、首相が参加を表明する見通しだ。同構想では、ミサイル攻撃から米本土を守るため、宇宙空間への迎撃装置の配備を目指す。中露が開発する音速の5倍(マッハ5)以上で飛行するHGVや無人機を迎撃することなどを想定している。日本は同構想に参加し、自国防衛にも生かす考えだ。
日米両政府はHGVを迎撃する新型ミサイル「滑空段階迎撃用誘導弾」の共同開発も進めており、30年代の開発完了を目指している。会談では、共同開発を着実に推進することも確認するとみられる。
日本政府は、多数の小型衛星を一体的に運用して情報収集する「衛星コンステレーション」を28年3月末までに構築する計画だ。移動する目標などを継続的に探知・追尾でき、今年4月以降、段階的に打ち上げる。同構想への参加で、米軍との衛星情報の共有が進むことも期待される。』
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他の記事などによると「ゴールデン・ドーム構想」とは従来の弾道ミサイル防衛にとどまらず、超音速滑空体、巡航ミサイル、AIを搭載した数百機単位のドローンなど様々な経空脅威に対処するための統合防空ミサイルシステムのことを指すそうです。
このシステムの中心には技術集約型の独立する探知・追跡センサー、迎撃システム、指揮統制ネットワークを有機的に結合したものが据えられるそうで構想としてはそこまで悪いものでは無いです。
ただ、根本的な話としてアメリカが主体となって行う防衛では日本に発射権が一切無く、政治経済外交において常に「顔色伺い」をしなくてはいけない状況であり、その依存度を更に深刻化すると思った方が良いでしょう。
内容そのものには賛成したいものの、日本が主体となりアメリカに責任を持たせることなく日本が自発的に防衛できるシステムが望まれると思います。
そうでなければ無限にお金を負担させられ、その上で防衛権も事実上握られているという深刻な状況は続きますから……。
第4位 政府有識者会議の国籍条項不備「法律で縛るものでもない」 高市首相「選任時にチェック」
産経新聞3月12日の記事 https://www.sankei.com/article/20260312-JDKZCY6UZZGXDO6VCBJB6DZKHA/ より
『高市早苗首相は12日の衆院予算委員会で、政府の有識者会議メンバーを日本国籍を持つ者に限定する国籍条項がないことについて「法律で縛るようなものでもない」との認識を示した。中道改革連合の泉健太氏への答弁。
泉氏は、少女らへの性的人身売買罪で起訴され自殺した富豪エプスタイン氏の関連文書を取り上げた。内閣官房の「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構想」について「何年も遅れた原因を皆さん薄々感じている」と述べ、名指しは避けながらも、文書に名前が多数登場する伊藤穣一・千葉工業大学長が構想のステアリングコミッティ(運営委員会)構成員を務めていることを問題視した。
さらに、有識者会議のメンバーの適格性をチェックすべきだとしたうえで、安定的な皇位継承策や防衛力強化、外国人による土地取得に関する有識者会議の委員に国籍条項がないと指摘。会議の趣旨によっては国籍条項を設けるべきではないかとただした。
首相は「有識者の意見を聞くときは、最終的には大臣が経歴を見る。その段階でチェックすべきで、法律で縛るようなものでもない。安全保障やインテリジェンスに関わる会議で外国籍の人を(常勤メンバーとして)入れることは考えにくい」と述べた。』
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エプスタイン事件から追及されている伊藤穣一氏は上の記事にはありませんでしたが、アメリカ国籍である事が濃厚のようです。こういった人物を有識者として招致することが「有識者に国籍要件ナシ」の理由なのではないかと言われています。
しかも、伊藤氏に関しては有識者委員から3月末で退任するので今後の伊藤氏についてエプスタイン関連の捜査はしないと松本デジタル大臣は述べています。
世界的に問題になっているエプスタイン問題に疑惑がある伊藤氏を追及できないような状況で「スパイ防止法」とか言われても説得力は全く無いと思います。
国民の言論統制を容易にするための法案では無いか? と言われても仕方のないレベルでこの問題から派生することは色々と闇深いなと思えてしまいます。
第3位 『外国人観光客の出入国管理厳格化へ 渡航前の認証制度導入 閣議決定』
毎日新聞3月10日の記事 https://mainichi.jp/articles/20260311/ddm/012/010/082000c より、
『政府は10日、ビザ取得が免除されている訪日外国人観光客らに渡航前に入国に関する情報の入力を求める電子渡航認証制度「JESTA」を導入する入管法改正案を閣議決定した。オンライン入力された情報から事前に不法滞在の可能性をチェックし、出入国管理を厳格化する。2028年度中の施行を目指す。
観光目的などで日本に入国しようとする外国人は、韓国や米国など74の国・地域で短期滞在ビザの取得が免除されている。観光客として入国後に帰国せず、不法滞在を続けているケースがあるとされ、政府が対策を検討していた。
現在は外国人が渡航した後に出入国在留管理庁が航空会社から入国者情報の提供を受けているが、ジェスタ導入後は外国人が渡航前にパスポート情報や滞在目的、滞在場所などをオンラインで入力。入管庁が虚偽申請や過去に不法滞在した経歴がないかを確認し、問題がない場合は認証する。認証を受けていない外国人は入国できない。
認証を受けた外国人は入国時の旅券への証印が省略される。認証手続きでは手数料を徴収する。訪日外国人観光客の増加で入国審査が混雑する傾向にあるが、政府は円滑化も期待できるとしている。
また、航空会社など運送業者には、チケットを予約した外国人の情報を入管庁に報告させ、入管庁が入国を認めなければ搭乗を禁止するよう義務づける。違反した事業者には過料を科す。
入管庁によると、25年の外国人の新規入国者は過去最高の約3918万人。短期滞在で上陸を許可された外国人は98%にあたる約3846万人だった。このうち8割がビザを免除されていた。
また、入管法改正案は、日本で暮らす在留外国人の在留資格の更新手続きなどの手数料を引き上げる。増収分は外国人の支援政策に充てる。
現在は窓口での在留資格の変更や在留期間の更新は6000円、永住許可申請は1万円の手数料が徴収されている。入管法はこれら手数料の上限を1万円と定めているためだ。改正案では在留資格の変更と在留期間の更新は上限10万円、永住許可申請は上限30万円に引き上げる。実際に徴収する金額は上限の枠内で今後、検討する。』
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高市支持層はこれらのことを評価する傾向にありますが、これまでビザの更新を怠って不法滞在歴があった者を弾くなど初歩的過ぎる事であり、最低限のラインと言えます。
これまでやっていなかったことが問題ですし、現在の不法滞在者を返すことも出来ませんから根本治癒にもなっていません。マイナス100をマイナス50にしました! という事を強調しているに過ぎないのです。
更に相変わらず自民党が移民についての議論を避けているのが一番不快感があります(海外では1年以上の滞在は移民だが自民党はそれすらも移民とすら認めていない)。
経産省が26年1月26日に発表した「2040年の就業構造推計(改訂版)」によれば、現場人材や生産工場従事者、AI・ロボットなどの利活用人材は大きく不足するものの、合理化や事務職における437万人の余剰分などの雇用流動を加味すれば、2040年時点でも「大きな人手不足は生じない」という結論を出しています(現データを見ると文系大学生が多すぎで技術系大学生が少ない要素も大きそう)。
そうなると、日本の労働力不足の解決法は「外国人を入れる」ことでは無く、文系学生・文系職を不足している技術系やブルーワーカーに転向させる方策をとることが大事なのではないか? と考えます(現状も多少はやっているものの根本構造は変わっていません。大学数などから見直すべきでしょう)。
それをしないのであれば「外国人を入れることで利益がある人々」というのが「わざとそうしている」としか言いようがないでしょう。
第2位 ガソリン価格「170円程度に抑制」19日から補助金再開へ 16日にも石油備蓄放出し安定供給につなげる狙い
FNNプライムオンライン3月11日の記事より、
『中東情勢の悪化に伴いガソリン価格が高騰していることを受け、政府は1リットルあたり170円程度に抑えるため補助金を再開すると発表しました。
政府は、ガソリンの全国の平均価格を1リットルあたり170円程度に抑えるため、170円を超えないよう石油元売りに対し19日から補助金の支給を行います。
ガソリンスタンドの店頭価格には、1週間から2週間程度で反映される見通しです。
高市首相:
中東情勢の先行きはいまだ予断を許さない状況なので、事態が長期化する場合にも息切れすることなく、持続的に国民の皆さまの生活を支えるべく、今後とも支援のあり方は柔軟に検討する。
また、3月下旬以降、原油の輸入が大幅に減少する見通しを受け、日本国内の石油備蓄を16日にも放出する方針です。
まず、民間備蓄15日分を放出し、その後1カ月分の国家備蓄を放出して、安定供給につなげる狙いです。
9日時点のレギュラーガソリンの全国の平均価格は、3カ月ぶりに160円台となりました。
石油情報センターは来週のガソリン価格について、卸売価格が25円ほど上昇するのに伴い、同じ程度値上がりする見通しを示しています。』
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現状の対処療法として補助金による補填と備蓄石油放出を行うことは最善と言えます。
しかし、供給力に不安がある状況でこの方法をとった場合、備蓄の放出のみでは当然尽きた時にガソリン価格が天文学的な数値に跳ね上がることは明白であり、中東産とは精油方法が違うアメリカ産原油を費用が総合的に高くなっても政府が補填するなど追加的な予算措置が必要であると考えます(長引かずに無事に輸入できた場合にはやらなければ来年度に繰り越せばいいだけ)。
その上で長期的な根本的な構造転換としては水素で動く自動車の開発などガソリンに頼らない車の普及に向けた活動を行うべきだと思います。
第1位 『予算案、衆院通過 野党反発、年度内成立不透明―委員長解任案は否決』
時事通信3月13日の記事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026031300179&g=pol より、
『2026年度予算案は13日夜の衆院本会議で、自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決され、参院に送付された。年度内成立を目指す高市早苗首相(自民総裁)の指示を踏まえ、与党は異例の早さで衆院審議を打ち切った。野党は反発を強めており、与党の過半数割れが続く参院での審議の行方は不透明だ。
衆院予算委員会は13日午後、首相と全閣僚が出席して締めくくり質疑を実施し、予算案を可決した。首相は質疑で「全ては国民の安心のためという思いは与野党共通だ」と述べ、年度内成立に理解を求めた。予算案は衆院本会議に緊急上程され、同日夜に衆院を通過した。野党各党は反対した。
予算委に先立ち、委員会運営が強硬だとして中道改革連合、参政、チームみらい、共産各党が共同提出した坂本哲志予算委員長(自民)の解任決議案は、自民、維新両党などの反対多数で衆院本会議で否決された。国民民主党は賛成した。
一方、自民、立憲民主両党の参院国対委員長は13日、断続的に協議し、参院予算委で16日に予算案の実質審議に入ることで合意した。17日まで首相と全閣僚が出席する基本的質疑を実施。18日は首相が出席して一般質疑を行う。
立民など参院側の野党は、衆院で採決が強行された場合、16日からの質疑開始には応じられないとけん制し、十分な審議時間を確保するよう求めてきた。自民の磯崎仁彦氏は会談で「尊重して質疑する」と回答。立民の斎藤嘉隆氏は「例年に倣い充実審議を行うことを明確に約束いただいた」と語った。』
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年度内成立は実は不透明感が強い状況なんですね。「予算の衆議院の優越」が自動的に発動するのは成立から30日後なのですが、この日から30日後は新年度になっているんです。
その上で国民民主党が「イラン情勢対応できていない」という事で反対に回っているようです。
このこと自体は真っ当ですし、入れるべきだと僕も思うのですが、国民民主党そのものは衆議院で反対して参議院を賛成するとなると「ブレている」と言われ、反対すれば「予算の妨げ」と言われる――実は最も苦境に立たされていると思います。
審議時間が通常よりも30時間以上少ない――とのことですが、予算とは全く関係ない上に「時間少ない中で質問する意味ある?」と思える質疑も多い上に自民党が後に撤回したとはいえ土曜審議も野党が拒否したために何とも言えないところだと思います。
今回で言えば、高市首相が休みの日にWBC観戦したこと(外交も兼ねていると言える)、松本大臣の不倫など国全体にとってさして関係ないことばかりです。
予算以外のことで言えば旧統一教会の韓国発の「トゥルーマザー報告書」の追及などもっと急所になるところを中心に据えなくてはいけなかったでしょう(少しはされたみたいですけど)。
現状で予算に関係することと言えばイラン情勢とそれに伴う国民生活の影響と激変緩和措置の補正についてもっと時間を割くべきであり(予算案を作った段階でイラン情勢は加味されていないため真っ当な主張)、それを出来ない人たちに審議時間を要求する権利は無いでしょう。
このように野党の質疑能力の無さが「審議時間を確保を」の主張する説得力を失わせているのは何とも皮肉なことだと思います。
いかがでしたでしょうか?
やっぱり野党が与党の急所を上手く突ききれていない感じがあり、それが日本政治が良い方向に向かわない大きな要因なのかなと思いましたね。




