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【二作目・完結済み】異世界冒険をライブ配信中! 『神々(視聴者)』からの『恩寵(投げ銭)』でスキルを買って魔王を倒します!  作者: 立花大二
第二部:世界の亀裂

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第47話『信じるもの』

 宿屋のホール。

 俺の決意を聞き、レオンとポポロはついてきてくれると言った。

 残るは、アリア。

 彼女は俺の目の前に立ち、その鋭い瞳で俺の覚悟を値踏みするように見据えていた。

 固唾をのんで、俺は彼女の言葉を待った。


 やがて彼女は、ふぅ、と一つ長い息を吐いた。

 そして、その口から紡がれたのは、俺が予想していたどんな言葉とも違うものだった。


「……お前の、その目」


 彼女は静かに言った。


「初めて会った時とは、違うな」

「え……?」

「初めて会った時の貴様は、もっと何かに怯えたような、頼りない目をしていた。自分のことなのに、どこか他人事のような、そんな目を」


 俺は何も言えなかった。

 彼女には最初から見抜かれていたのかもしれない。

 俺が、この世界の当事者になりきれていない、ただの傍観者だったことを。


「だが、今の貴様の目は違う」


 アリアは続けた。

 その声には不思議なほどの力強さがこもっていた。


「自分の進むべき道を自分で決めた者の目だ。たとえそれがどれだけ困難な道であろうとも、決して揺るがないという覚悟の目だ」


 彼女はすっと、俺の前に跪いた。

 騎士が主君に忠誠を誓う時の、あの礼。

 俺は驚いて、彼女を止めようとした。


「おい、アリア! 何を……」

「黙って聞け」


 彼女は俺を制した。

 そして顔を上げ、俺の目をまっすぐに見つめながら、宣言した。


「お前の神託コメントが何を言おうと知らん。神々がお前をどう評価しようと、知ったことではない」


「―――私は、お前を信じる」


 その言葉は、雷のように俺の心臓を貫いた。

 信じる。

 彼女が信じるのは、俺に神託を与える神々でも、俺が持つ勇者という称号でもない。

 ただ、俺自身。

 鈴木健太という一人の不完全な人間を、信じると彼女は言ったのだ。


「私の剣は、もはや国のためでも、騎士団の誉れのためでもない。

 私が信じた主君、ケンタ。

 貴様が切り拓く道のためだけに、振るおう」


 なぜだろう。

 視界が急に滲んだ。

 熱いものが目頭からこみ上げてくる。

 俺は慌てて顔をそむけた。

 こんな顔、こいつらに見せられるか。


【神託】:……

【神託】:アリア……さん……

【神託】:泣いた

【神託】:美の女神ヴィーナス:ああ……ああああ……! これよ! わたくしがずっとずっと見たかったものは……! これ以上の【祝福】があるかしら……!(号泣)


 神託のウィンドウも感動に打ち震えていた。

 ヴィーナス様だけでなく、多くの神々がこの主従の誓いに心を動かされているのが分かった。

 だが、そんなことは今の俺にはどうでもよかった。


 俺は今、初めて本当の意味で「勇者」になったのかもしれない。

 神々に選ばれたからじゃない。

 仲間が、俺を信じてくれたからだ。


 俺は涙をこらえ、震える声で跪く彼女に言った。


「……顔を上げろよ、アリア」

「……承知した」

「それと、主君とかやめろ。俺たちは、仲間だろ」

「……善処しよう」


 彼女は少しだけ、本当に少しだけ、口の端を上げて笑った気がした。

 レオンもポポロも、そんな俺たちを温かい目で見守ってくれていた。


 俺たちの新しい旅が始まる。

 神にも魔王にも頼らない。

 ただ、仲間との絆だけを道しるべにした、本当の冒険が。

 最初の目的地は、決まっている。

 魔王城だ。

 第47話を更新しました。

 今回は、アリアの決意表明の回でした。

 彼女が選んだのは、騎士としての正義でも、神々の意思でもなく、「ケンタ」という一人の人間を信じる道。

 

 「私は、お前を信じる」

 

 この一言に、彼女の、そしてパーティの、全ての覚悟が詰まっていますね。

 書いている私も、思わずぐっときてしまいました。

 ヴィーナス様じゃなくても、これは泣きます。

 

 この瞬間、ケンタは、神々に選ばれただけの存在から、仲間に信じられる、本当の意味での「リーダー」になったのではないでしょうか。

 

 パーティの絆は、かつてないほど、強く、固く、結ばれました。

 

 さて、彼らの次なる目的地は、魔王城。

 しかし、その道は、決して平坦なものではありません。

 

 次回、彼らの前に、最強の「番人」が、立ちはだかります。

 

 お読みいただき、ありがとうございました。

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