第19話 新生ジャパン、小泉の夢と盟友の外交勝利
小林鷹志政権の、副総理執務室。
小泉新次郎は、山積みの外交資料を前に、興奮を隠せずにいた。彼の隣には、参謀役の黒木圭介が立っている。
「黒木君!君の知略で、観星会の資金源は絶たれた!だが、外交はこれからだ。アジア諸国は、依然として中華帝國の経済的影響下にいる」
「副総理。外交とは、論理と熱意の融合です。貴方の熱意を、僕の論理が最大限に活かします」
圭介は、小泉に一枚のプレゼン資料を提示した。
「FOIP構想(|自由で開かれたインド太平洋)の、具体的な実現策です。貴方には、東南アジア連邦諸国に対し、**『デジタル通貨構想』**を提案していただきます」
その資料の隅には、小泉新次郎が理解できないほど緻密な、**小泉深雪の作成した『国際的な法整備とリスクシミュレーション』**が添付されていた。
「デジタル通貨…!?」
「ええ。中華帝國の経済圏から脱却するには、彼らが提供できない『透明性と高速性』を持つ、新たな金融システムが必要です。この構想が、アジア諸国を『隷属』から『自由』へと導く、最終的な切り札になる」
小泉の瞳が、熱狂的な光を宿した。総裁選で敗北を認めた彼の胸に、新たなリーダーとしての炎が灯る。
「論理は理解した。しかし、それを各国が受け入れるか。私には、君の『未来の光』が見えない」
**彼の熱狂的なカリスマの裏側で、その理想が裏切られることへの、根源的な恐怖が揺らいでいた。**
「僕のチートは、『運命を書き換えるための知識』に過ぎません。その熱意と説得力は、貴方の『カリスマ』にしか出せない」
圭介は、冷徹に言い放ったが、その瞳には「親友(小林)の盟友(小泉)への信頼」が宿っていた。
(そして、この勝利を、葵に伝えなければならない。彼女の喜ぶ顔こそが、僕のチートの唯一の報酬だ)
**数週間後**。
東南アジア連邦の緊急外交会議。
小泉副総理の、「デジタル通貨構想」を柱とした熱弁が、会場の空気を一変させた。
**彼の背中には、熱狂する聴衆ではなく、自分が選んだ道が、本当に国を救うのかという、静かで重い覚悟が滲んでいた。**
**結果は、日本の圧倒的な外交勝利。** 東南アジア連邦の主要国が、小泉の構想への参加を表明。
**この勝利により、中華帝國の影響力は、アジア全域で瞬時に20%以上低下した。**
圭介は、左腕の紋様が僅かに温かいのを感じた。
(イーロンの言う通りか。「世論という光」が、田中の「極秘データ」と結びつき、新たな「調和の欠片」のエネルギーを生んだ)
**その日の深夜、圭介は、勝利の報告を終えた後、葵の腕の中で、静かに眠りについた。彼の左腕の紋様の痛みは、その夜だけは、優しく和らいでいた。**
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【Xにて設定やイラストを補足しています】https://x.gd/vIi51




