天然眼鏡美人はレギュレーション違反だろ
書いてて言うほどほのぼのしてねぇなと思ったので、タグにシリアスを入れました。割合としては、ほのぼの8割シリアス2割を目指して書いていこうと思います。
下に人が少ないところを探しながら空を飛ぶこと数分、対侵略者対策支部についた。いや、別に人に見つかる分には構わないのだ。魔法少女は今や普通にテレビに出てたりしてて一般に受け入れられているし。
ただ格好がまずい。急に影ができたので上を見たら、ウェディングドレスでパンツを見せつけながら飛行する魔法少女がいた。なんて話の話題にされるのが恥ずかしく感じる程度には子供ではないのだ。多分6歳くらいの頃なら喜んでた。注目されてる!と。あの頃は何をしていただろうか。確かあの頃は、侵略者も魔法少女も居・・・。
「いてて・・・。あ、早くいかなきゃ。」
6歳のころの自分に思いをはせていたが、そんなことを考えている場合ではなかった。大型侵略者が出ているのだ。
対策支部の中に入り、私がお肉を食べ損ねた元凶である支部長のところを向かう。おそらく会議室にいるだろう。いや決して市長が悪いわけではないし、どう考えても悪いのは急に出てきた大型侵略者なことはわかっているのだが、しかしお肉は食べたかったのだ。すでにそういう口だった。畜生。
「支部長、『飛翔』です。入ります。」
ドアをノックし会議室へ。中では、眼鏡をかけた美人の支部長と、対策支部の職員たちが話し合っていた。
「あぁ、来てくれてありがとう『飛翔』。助かったわ、魔法少女が足りなくて・・・どうしたの?いやなことでもあった?」
「いえ、大丈夫です。状況をお願いします。」
今の発言で分かる通りこの人、見た目に反してちょっと天然なんだよね。大型侵略者が出ました、魔法少女が呼ばれました。こんなの私じゃなくても嫌な顔するよ。もう夜7時だし。お肉食べれなかったし。
「ありがとう。早速だけど状況を説明するわ。30分ほど前、近くの町に大型侵略者が出現しました。場所はガソリンスタンド、たまたま近くにいた魔法少女が市民の避難する時間を稼ぐため、交戦を開始。しかし、出現場所がガソリンスタンドであったこと、魔法少女の使う魔法が火を扱う魔法であったことから、二次被害の危険性があり倒すことはできませんでした。そこで、ガソリンの引火による二次被害を防ぐため大型侵略者を誘導することとなりました。」
「その誘導係に私が?」
「ええ。あなたの魔法は機動力の確保と物資の運搬に強いでしょう?大型侵略者の攻撃をよけれて、空を飛んで移動するから施設に被害も出にくい。ということであなたが選ばれたわ。お願いできる?」
「問題ないです。・・・あの、一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「何かしら?」
「少し前に、侵略者が出現する予兆を読み取る。みたいな機械が支部ごとに贈られたじゃないですか?それって今回意味なかったんですか?」
少し前、超大型侵略者と総力戦を行い、私たちは勝利した。その時に役立ったのがこの機械だったのだ。この機械がなければ、突如として現れた超大型侵略者に対応できず、下手したら町が数個滅んでいたかもしれない。
余談だが、私はこれを白兎と呼んでいる。なぜなら見た目がウサギそっくりだったから。
だからこそ不思議に思ったのだ。なぜ今回は白兎が機能しなかったのか。
「あぁあれね。あれ、まだ1代目の試作品みたいなのよ。だからかわからないけど、予兆発見機能も完全じゃないみたい。」
「そうだったんですか。なんだか変ですね。何十年も前から侵略者をはいるのに、それの出現を予知する機械はまだ1代目なんて。もっと多く作ってもいいのに。」
「それは・・・そうね?まぁでも、侵略者も魔法少女も、魔法少女の使う魔法も未知なものだったから手探りでうまくいかなかったんじゃないかしら?もう時間もないし、もう向かってもらってもいいかしら?車で送るわ。準備は・・・できてそうね。」
「お願いします。」
まぁ、準備といっても魔法少女が現場にもっていくものなんて杖しかないしね。というか、今回戦う侵略者のことを聞き忘れた。現場に着くまでに教えてもらわないと。