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限界の時はノリと勢いをエネルギーにしろ

 愛さんの後ろをてくてくとついていく。向かっているグループでは、男性が3人で話していた。その横では、子供が2人ご飯を夢中になって食べている。

 

「あなた、少し話せるかしら?」


「む、愛か。兄さんと話していたんだが・・・。そちらの子は?」


「変菜絵の話していた子よ。」


「・・・ほう、君が百合さんか。兄さん、少し一人で食べていてくれ。」


 そうもう一人の男性に伝え、かなちゃんのお父さんがこちらに顔を向ける。かなちゃんのお父さんは、コンビニの店長にも負けないくらいムキムキだった。頬には2つ、ひっかかれた跡がある。


 率直に言う。超怖い。座ってこっちを見てるだけなのに威圧感が半端ない。とはいえ黙っているのもよくない。人付き合いは最初が肝心なのだ。かなちゃんのお父さんにあいさつもできない子だとは思われたくない。


「あっあの!はひめまして!」


 やばい噛んだ。終わった。


「あなた、落ち着いて。百合ちゃんは大丈夫だから。・・・ごめんなさい百合ちゃん。この人、女性と話すのがあまり得意ではないの。百合ちゃんくらい年が離れていれば大丈夫だと思ったんだけど・・・。」


 そういいながら愛さんがかなちゃんのお父さんの肩に手を置くと、それだけで威圧感が消えた。そっか、この威圧感は緊張していたからか。何か嫌われるようなことをしたのではとちょっと怖かった。てかめっちゃ緯線感じる。


「ああ、すまない愛。もう大丈夫だ。・・・百合さんもすまない。変菜絵と仲良くしてくれていると聞いて礼がしたかったんだ。私は佐藤 重三という。これからも変菜絵をよろしく頼む。」


「こちらこそ、変菜絵ちゃんにはお世話になっています。改めて、飛鳥 百合です。よろしくお願いします。」


「うん、今日は楽しんでくれ。食材が山ほどあってね。たくさん食べてくれると嬉しい。」


「はい!いただきます!」


 かなちゃんのお父さんは、見た目とは裏腹にとてもやさしい人だった。


 さて、たくさん食べていいと太鼓判をいただいたので、ありがたく頂戴する。とはいえそれもかなちゃんが帰ってきてからだ。それまで私は、()()と戦わなければならない。


 視線の先を見ると、ご飯を黙々と食べていた子供が二人、目をキラキラさせてこちらを見ている。あの輝き方は間違いない。遊び相手を見つけた目だ。


「「おねーちゃん、あそぼ!」」


「これ、お前たち。あとにしなさい。」


「あはは、大丈夫ですよ。かなちゃんが戻ってくるまで、遊んできます。ほら二人とも!私を捕まえてみろ!」


「「わーい!」」


 こうなると、お昼ご飯を早く食べたのが悔やまれる。私の体はもう活動限界だ。かなちゃん、早く帰ってきてくれ・・・!



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