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友達の親にあいさつするときにやけに緊張するのは私だけではないはず

「でっか・・・。かなちゃん、もしかしてお嬢様??」


 かなちゃんのお家についたのだが、これがとんでもない豪邸だった。BBQをすると言っていたのでそこそこ大きいのだろうなとは思っていたが、そこそこなんてものじゃなかった。なんせ庭にプールがある。おまけにお家自体も3階建てで見るからに新築だ。


「あはは、別にそういうわけじゃないよ?ちょっとおじいちゃんの顔が広いだけ。さ、きて?」


 そういいながらかなちゃんが入っていくので、気後れしながら私も入っていく。かなちゃんの家族はすでに始めていたようで、焼き台の周辺で集まっていた。


 大きなお庭にふさわしく焼き台も複数あり、いくつかグループができていた。その中の一つから、こちらに気づいた一人の女性が近づいてくる。


「あら、お帰り変菜絵。そっちの子は?」


「ただいま、お母さん。その、帰ってきたときに伝えたのがこの人なの。」


「あの、どうも。お邪魔させていただきます。」


 かなちゃんのお母さんは、子供を産んでいるとは思えないほどきれいな人だった。鳥串を持っている手の薬指には、透明な宝石のついた指輪が収まっている。もしやダイヤモンドか、すごいな。


 あとかなちゃん。かなちゃんは私の何を伝えたのかな?そんな私について伝えることなんてなくない??


 はっ。もしや入学してすぐ受けた学力テストで最下位ぎりぎりだったことか。いやでもかなちゃん。あれは仕方なかったんだよ。忙しかったの。ちなみにかなちゃんは3位だった。美人で優しくて勉強もできるとは。かなちゃんは完璧超人か?


「あら、この子が?・・・初めまして。変菜絵の母親の愛です。変菜絵から話を聞いて私も気になっていたの。百合ちゃんって呼んでもいいかしら?」


「はっ、はい。大丈夫です。これ、ご迷惑だったかもしれないけど、よかったらどうぞ。」


 そう言い、ここに来るまでに買ってきた食材を渡す。かなちゃんは気にしなくていいと言ってくれたけど、友達の家に初めてお邪魔するのに何も持って行かないのは失礼かなと思って、通り道のスーパーで買ってきた。


「あら、ありがとう百合ちゃん。変菜絵、家の中に百合ちゃんの分のお皿とお箸があるから持ってきてあげて。」


「わかった。それじゃ百合ちゃん。またあとで。ついでにお手洗いにも行ってくるね。・・・お母さん、百合ちゃんに変なことしないでよ?」


「あら、しないわよ。あなたは自分の母親のことを何だと思ってるのかしら?」


 少し不安そうな顔をしながら、かなちゃんはお家の中に入っていった。それにしても変なこととは、いったい何のことだろうか。


「さて百合ちゃん、変菜絵が戻ってくるまで少しいいかしら?旦那が変菜絵の話を聞いて百合ちゃんのことを気にしているの。よければ話してあげてほしいわ。」


「大丈夫です。お世話になるので、私もあいさつはしたいと思ってました。」


「よかった。それじゃあ案内するから。ついてきて?」


 愛さんはそう言い、BBQをしているグループの一つに近づいていく。かなちゃんのお父さん、どんな人あだろう。少し緊張するかも。


 それと、友達のお父さんにあいさつに行くのって、変なことじゃないよね?

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