07
……来ちゃったよ。
ってか、なんすかその格好。
可愛い可愛い妖精さんですか。
手のひらサイズなプリティボディにひらひらワンピって、
どんだけ可愛さアピールする気ですか。
『シュークリーム、早く!』
うわっ、再会の挨拶うっちゃって最初のセリフがそれですか。
そもそも、あっちにいた頃とキャラ変わってません?
『……』
上目使いでウルウルですか……
あー、分かりましたよ。
はい、シュークリーム、どうぞ。
『『縮小』魔法……』
はいはい、妖精さんのサイズに合わせないとね。
ってことで、シュークリームを『縮小』
ついでに『縮小』したコーヒー、飲みます?
『可愛いカップでミルクティー!』
……お待たせしました。
---
なんすかね、これ。
もしもし、カミコさん。
食後の満足感いっぱいでおくつろぎのところ、誠に申し訳ないのですけど、
いくつか質問、よろしいですか?
『良きにはからえ!』
はい、せいぜいはからっちゃいますよ。
そもそもカミコさん自らがこんな簡単にこっちの世界に来られるのなら、
俺、いらない子でしたよね。
『アバター、これしか選べなかったの』
……
『妖精タイプはレアキャラだから、こっちの世界では狙われちゃって危険が危ないの』
…………
『あと、シュークリームとか自分で出せないし……』
………………
『というわけで、ボディーガード 兼 観光案内、お願い!』
えーとつまり、めっちゃ狙われやすい妖精カミコさんを守護しながら、
目立たぬよう異世界中を旅せよ、と。
『よろしくねっ』