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朝、気持ち良くソファーでお目覚め。
幸か不幸か、あのちっこいのは圧死も窒息死もせずに熟睡した模様。
ツェリアさんのお胸の更なる成長を切に願いながら、美味しい朝食を堪能。
片付けやら身支度やらを済ませたら、朝のまったり相談タイム。
今朝の議題は、今後の予定。
ツェリアさんは、どこか行きたいところとかあります?
「シジマさんたちの旅の目的は、この世界の観光ですよね」
「私は、どこまでもお供する覚悟です」
えーと、覚悟の必要が無い程度のユルい観光をしましょうね。
『まずは冒険者登録!』
うわっ、チミコさんが普通に真面目な提案を。
今日は雨具を用意しとかなきゃ。
『雨に濡れない快適移動手段も必須!』
ふむ、一理あり過ぎ。
じゃあ、この家を『収納』したら幌馬車でも『創造』しますか。
「家を『収納』……」
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マイ『収納』に、さくっと一軒家を入れまして、次は幌馬車を。
おっと、幌馬車もお馬さんも『創造』出来るけど、御者はどうしましょ。
『高級SUVで快適ドライブ!』
いやいや、自動車なんか出して目立っちゃ駄目でしょ。
ってか、俺、無免許だし。
「……とりあえず、次の村まで歩きましょうか」
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街道を南に向かい、みんなで、てくてくと。
ところで、ツェリアさんはメイド服姿での長旅は平気なのですか。
「メイドの矜持です!」
その意気や良し!
でも、おしゃれな私服姿も見てみたいかも。
『世界中のイケてるご当地衣装をショッピングするのも旅の醍醐味!』
今日は冴えてますね、チミコさん。
着たい衣装があったら『縮小』しますので、バンバン買ってくださいな。
『太っ腹には裏がある!』
ありませんって。
両手に華ってのも男の夢ですから。
『リア充、大爆発にリーチ!』
望むところだ!
そんな感じでのんきに歩いていたら、
異世界モノ定番のアレに遭遇。