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01


 時系列的にはリヴァイス82以降。


 観光者シジマのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 気がつくと、なんだかよく分からない場所に居た。


 明るいとか暗いとか、広いとか狭いとか、周りの状況が全く分からない。


 自分が立っているのか浮いているのかすらも、よく分からない。



 ってか、そもそも俺自身がよく分からん状態なんだけど。



 俺は誰?




 ---




『聞こえてます?』


 はい、聞こえますよ、こんにちは。


 それで、どちら様ですか?



『あなたを創造した存在です』


 もしかして、神様?



『いいえ、神ではありませんよ』

『私、"神の定義"を語れるほどお利口さんではないですし』


 えーと、声の感じから察するに女性、つまり俺の母親ってことですかね。


 それにしてもかなり若いママさん……



『まだ未婚ですから、母親呼ばわりは勘弁してくださいね』

『確かにあなたを創造したのは私ですけど、出来れば対等な関係でありたいです』


 創造されたての俺と、対等でよろしいのですか。



『お友達からってことで、どうでしょう?』


 ……よろしくお願いします。




 ---




 呼び名を決めて欲しいとのことで、俺を創造してくれた女性を"カミコ"さんと呼ぶことにした。


 俺自身の名前も自分で決めるよう言われたけど、結局カミコさんにお願いすることに。



『夜次貴 志侍待 (ヤツタカ シジマ)さんって、どうでしょう』


 なんだか、変なフラグが立っちゃいそうな名字ですね。



『お嫌ですか』


 謹んで拝命いたします。


 自分の名前を決めるのが拝命で合ってるかどうかはさておき。


 それはそうと、そろそろ俺を創造した理由を教えてください。



『観光です』


 はい?




 ---




 カミコさんの世界では、新しく創世した世界の成長を観察するのが流行中。


 干渉は最小限に、なるたけ世界を長持ちさせて、面白イベントが起きるのを楽しみに待つ。


 凄く神様っぽいと思うけど、カミコさんは神様扱いされるのは不本意なご様子。



 基本的には、創生した世界を観察する権利を有するのは製作者本人のみ。


 自分が創世した世界の出来栄えを、仲間内で自慢したりするそうです。


 カミコさんは、知り合いが創世した面白そうな世界をどうしても覗き観たくて、


 そこに送り込むために創造されたのが、俺。




『本当は、よそ様の創世した世界に干渉するのは厳禁なのです』


 えーとつまり、無断で覗きに行く俺はその世界にとって異物の侵入者なので、


 バレたらヤバい、と。



『バレなければ犯罪ではないのですよ』

『なので、バレないよういろいろ工夫しましょうね、送り込む前に』


 我ながら立ち位置不安定な存在なのは重々承知しておりますが、


 不法侵入で裁かれて酷い目に遭うのはご勘弁です。



『シジマさんがあちらの世界で長生きしてたくさん観光出来るよう、私も最大限協力しちゃいますから』


 不法侵入しないっていう方向には……



『せっかくシジマさんが存在出来たことですし、少しでも楽しんで観光して欲しいのです』


 ……俺には選択肢が無さそうですし、


 バレない工夫とやらをふたりで考えましょうか。



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