『そして、試合結果は』
煌屋化王子は幼い頃からのエリート教育を受けた選手である。
すべてのショットが高レベルであり、華麗に使いこなす。
スピンショット
フラットショット
スライスショット
からの
アングルボレー
決まったと確信した王子は
ファンの方へくるっと向き直り、二本指を立ててキメ顔で微笑む。
「ふぅー!!!」
きゃー!!
黄色い歓声が木霊する。
パン
「ふぅ?」
「・・・」
ツーバン寸前
黒峰はそれを相手コートにはじき返す。
息が切れる様子もなく
集中力はどんどん増していく。
$$$
爆音と共にボールは相手のコートに飛んでいった。
激しくスピン回転したボールは
急激に軌道を変える。
ばきッ
無理に打とうとしたボールは弾け飛び
ラケットの芯を捕らえることはない。
圧倒的だった。
誰もが声すら出せなかった。
王子目当ての観客が黙るしかないそんな試合だった。
6-0
ほぼ危なげなく
黒峰は王子を沈める。
・・・すご
・・・あの男子すごくない?
・・・それに・・・ちょっと・・・カッコいい、かも
・・・え?
「なんかースキッとしたな!」
「黒峰さいこー」
「いや、黒峰さん最高だ!」
「黒峰!」
「黒峰!」
当然のようにいるサッカー部の面々もご満悦な様子。
・・・
沸き上がる歓声の中
冷静になった黒峰の顔は血の気が引いていく。
(何をやってるんだ・・・俺ぇえ)
そして、それは・・・
全国の猛者たちが
黒峰に注目し始める・・・まだ序章に過ぎなかった。




