『その後の関東大会』
準々決勝、準決勝
俺のプレーは不安定だった。
いつ負けてもおかしくなかった。
だが、
・・・勝ち進んでしまった。
・・・
舞浜が応援してくれる、
もう・・・それだけですべて許せた。
え、何か悪い?
我ながら情けないけど、情けないけど、力が湧いて来た。
俺の強さはあやふやだ。
その原動力・・・
その原動力は・・・
・・
・・・
・・・・
わかってるけど、わかりたくない
そんな感じ
「黒峰君、明日ついに決勝だよ、頑張ってね!」
舞浜の弾ける少し興奮気味な笑顔
直視できないが、
心の中にしっかりと刻み込んでおきたい。
「こうなったら、いけるとこまでいってしまえ!応援してるぞ黒峰!」
白馬の激励
くぅ・・・どこまで良い奴なんだこいつ
胸がちくちく痛む。
$$$
煌屋化 王子
プロに注目されるほどの選手らしい。
プロとか
これは敗けるな
ほんと白けるんだよね~
エンジョイ勢の俺なんかがここまで勝ち上がって
ガチ勢に申し訳なさでいっぱいだ。
俺は明日きっと敗ける。
スポーツは、いつだって、実力とか気持ちが正直に出てしまうものだ。
俺自身が勝ちたいと心の底から思っていない。
勝てるはずがないだろう。
敗けると舞浜が悲しむかもしれないけど
こんな事続けても意味ないし
・・・
それでもいい
そもそも、不純な動機からここまで来たんだ。
積み上げたものに何の意味もない。
やっと色々なモヤモヤから解放されるだろう