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ヘタレ勇者は毎日お仕置きされながら明るい未来を妄想する  作者: 田丸 彬禰


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ヘタレ勇者が妄想する古代都市クエスト その18

「フロスト・ドラゴン、いやセレジャ。お前はなぜここにいる」


「……」


 どうやら、何かを警戒しているようである。


 だが、ドラゴン族は並外れた戦闘力もあるが知性が高い。


 まあ、例外があることは目の前のサンプルがあるので承知しているが。


 戦闘を目的でやってきたわけではないので、できれば、話し合いでなんとかしたいという気持ちは俺にはあった。


「とりあえず、言っておく。俺は確かにドラゴンスレイヤーの称号を持っている」


「……やはり同族殺しか。そして、そのチビを使役しているわけだな」


「いや、このチビは成り行きで……」


 ……ん?どういう経緯でこいつは俺たちの仲間になっているのかが思い出せない。だが、とりあえず、俺たちはこのチビドラゴンを虐待しているわけでもなく、こいつも嫌がっているわけでもないことは間違いない。


「だが、ここに来たのは、お前の首を取りに来たわけでない。これは信じて欲しい」


「では、何をするためにここにやってきたのだ」


「それは……」


 俺は、そこからこの遺跡を訪ねた経緯から始まり、偶然に偶然が重なって都市が空中に浮遊し始めたことや、単なる知識欲からここにやってきたことなどを話した。


 もちろん、このドラゴンを狩るためどころか、ここにドラゴンがいることなどまったく知らなかったこともつけ加えた。


「……というところだ」


「なるほど、勇者恭平の言葉は信じよう」


「ありがとう」


「だが……」


「だが?」


「そこのチビにはお仕置きが必要だ」


「僕?」


「そうだ。無礼なお前にはドラゴンの礼儀を教えてやる必要がある」


「いや、ちょっと待ってくれ」


「勇者恭平。いくらお前の頼みであってもここは譲れない。前に出ろ。それともお前はドラゴンの誇りもない意気地なしか」


 さすがにここまで言われてはチビドラゴンも前に出るしかない。


「恭平……」


「橘」


「これはドラゴン同士のマナーということなら、たとえ飼い主でも手出しはできない」


「うん」


「そういうことなら、仕方がないか」


「安心しろ。勇者恭平の持ちものであるこいつの命までは取らない。言ったであろう。お仕置きだと」


これは「小野寺麻里奈は全校男子の敵である」の番外編「小野寺麻里奈が異世界にやってきた」のさらにスピンオフ作品になります。

キャラクターの性格や立ち位置等は本編や番外編に準じていますが、主人公はタイトルどおり麻里奈から恭平となっています。


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