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ヘタレ勇者が妄想する古代都市クエスト その12

「これはすごいところにあるね」


「まったくだ」


「これは間違いなく春香向きだよね」


「そうそう春香向き」


「私もそう思う」


 春香自身もそう思うそこは、まさに春香が行きたいと駄々をこねていたこの浮遊都市の先端にあった。


「まあ、これでここがデザインされたものと確定したわけだが、どうする?ここから行くか?」


 俺の言うこことは、先端から現在空に浮かんでいるこの都市の外周を這うように設置された階段だった。


「もちろん行くよ。人はなぜ階段を下りる?それは……」


「春香、それはもういいよ。おもしろくないから」


「説得力もないし」


「まったく、つまらんやつらじゃ」


「とりあえず行ってみるか。ちなみに外側の手すりは触るなよ」


「突然ボキッと折れるから?」


「そういうことだ」


「では、オーダーを決めよう。まあ恭平は一番として……」


「私は最後でいいよ」


 そう言ったのはもちろん恵理子先生である。


 先生の考えていることなど全員がお見通しであり、いかにも揉めそうな案件のはずだったのだが、なぜかすんなりと承認された。


「いいよ。先生は最後」


「私も依存はない」


「OKです」


「では、私もそれでいいです」


「よっしゃ~」


 会心のガッツポーズを決める恵理子先生だったが、再び悪夢が訪れる。


「さて、一番危ないところを先生に押し付けたところで……」


「ちょっと待ってよ。なんで一番最後が一番危ないのよ。危なくなったら最初に逃げられるでしょう」


「まあ、先生の考えていることなどそのようなものだと思っていたよ。でも甘いな」


「まったくだ」


「どういうことよ」


「ヒロリン、教えてあげなよ」


「わかりました。先生、危なくなったら誰に頼りますか?」


「それは橘君でしょう」


「その通りです。そして、先頭を行く恭平君から一番遠いのは」


「……私」


「まだあります。壊れかけた個所があります。一人目が通ってダメージを負います。二人目が通りさらにダメージを負います。そして、六人目の先生が通る頃には限界が来ています。先生がそこを通ったらどうなるでしょう」


「……落ちる?」


「大当たりです。皆さん拍手」


 パチパチと四人分の拍手と一人分の涙。


 そして、あきれ顔の俺。


「お前たちはろくでもないことを、そうポンポン思いつくものだな」


「そうそう。顧問をイジメるとはまったくひどい生徒たちだよね」


「いや~これはやはり先生の日頃のご指導がよかったからではないですか?」


「そのとおりだな。先生の指導の賜物だな」


「まったくです。先生に感謝です」


「違うから。絶対に違うから。私はあなたたちをそんな不良に育てたつもりはありません」


「先生は、わたしたちの親か」


 異世界にふさわしくない実につまらない会話だったが、とりあえず、俺たちはそこから降りることになった。


まず13件目と14件目のブックマークをしていただいた方、ありがとうございます。

これは「小野寺麻里奈は全校男子の敵である」の番外編「小野寺麻里奈が異世界にやってきた」のさらにスピンオフ作品になります。

キャラクターの性格や立ち位置等は本編や番外編に準じていますが、主人公はタイトルどおり麻里奈から恭平となっています。


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