ヘタレ勇者が妄想する古代都市クエスト その11
その後もまったくどうでもいい話を延々と続けたところで、俺たちはついに浮遊都市の先端までやって来た。
「どう?」
「まあ、はっきりとは言えないが、ここで見るかぎりは、やはり境界ははっきりしていたようだな。重量に耐えきれずにここで分離したというよりも、最初からここがこの都市の境界だったようだ。ほら」
俺が指さした部分は裂けたというよりも意図的に分けられたような痕跡がはっきりと残されていた。
「では、お約束の時間です。先生、覚悟はよろしいでしょうか」
「……よろしくないよ」
「そう言っても勝負の世界は厳しいのです」
「まさに弱肉強食です」
「私は食べるところはないよ」
「いいえ、食べるのは先生ではなく、先生のおかずです」
「橘君~」
すがるような眼差し。
しかたがない。
「その辺で許してやれ。それ以上やると先生は泣き出すぞ」
「そうそう、泣き出す。大声で泣きます」
……どうも納得できないが、ここで話を蒸し返すと肝心なところには日が暮れても辿りつかない。
「わかったよ。恭平が言うならそうする。でも先生、ダハシュールに帰ったら何かご馳走してもらうからね」
「ごちそうしてもらおう」
「わかった」
まるで小学生の会話であるが、こちらに来るまでは麻里奈たち全員名門北高の生徒であり、恵理子先生はその学校の教師だった。
これでも。
まったく情けないかぎりである。
「一件落着したところで、本来の目的である地下への入口を探すぞ」
「あったよ。下にいく階段」
そう言う春香が指さすところに目的のものがあった。
これは「小野寺麻里奈は全校男子の敵である」の番外編「小野寺麻里奈が異世界にやってきた」のさらにスピンオフ作品になります。
キャラクターの性格や立ち位置等は本編や番外編に準じていますが、主人公はタイトルどおり麻里奈から恭平となっています。




