ヘタレ勇者が妄想する古代都市クエスト その9
「恭平の意見は最後に聞くから。では、まず先生」
「私もやるの?」
「当然でしょう。どうせいつもと同じように濡れ手で粟みたいなことを考えていたのでしょう。そうはいかないよ」
「う~ん」
恵理子先生は唸りながら、あっちこっちに視線を送り、救助を求めているが、誰も手を差し伸べる者はいない。
「みんな冷たいよね」
……これはすべて、金に汚い日頃のおこないが悪いあなたに責任があります。
「先生の日頃のおこないが悪いからだよ」
またも俺の心をそっくり代弁する麻里奈であった。
「いいわよ。自分で考えるから。……よし、決まった」
不敵な笑みを浮かべた恵理子先生が出した答えがこれである。
「私は一番だと思う」
「先生が一番というのはわかりましたけど、一番というのはどのようなものですか?」
そして、そっと尋ねるまみのもっともな質問に対する恵理子先生の驚愕の答えがこれである。
「内緒よ」
「そうなのですか?」
「そう」
恵理子先生は、結果がわかってから「一番がそれ」と言うつもりなのは明確であり、俺はなかなか良い手だと思ったのだが、残念ながらことは先生の希望どおりにはいかなかった。
そう、さらに上手がいたのである。
「じゃあ、次は私です」
「ではヒロリン」
「私は二番でお願いします」
そして、博子からアイコンタクトを受けた春香が続く。
「はい、春香」
「私も二番」
「まみたんは?」
「……すいません。では、私も二番」
「私も二番。恭平も二番だよね」
麻里奈からの無言の、この場合は無言とは言わないかもしれないが、とりあえず強い圧力である。
内容はわからないが乗ることにした。
「あ、ああ」
「ということで、先生が一番で、残りは二番ということになりました」
「ねえ、ズルくない?」
「ズルくないです。では、先生とは逆の二番の代表として、恭平君意見を言ってください」
「あ~なるほど」
俺はここでようやくポンコツ魔術師の思慮遠望を理解した。
「ヒロリン。お前のずる賢さには恐れ入った」
「やった~恭平君に褒められてしまいました」
「いや、褒めていないから」
「とにかく、恭平。あんたはどう思っているか言ってみてよ」
「そうだな」
ということで、恵理子先生の恨めしそうな視線を浴びながら俺は自分の見解を述べることになった。
これは「小野寺麻里奈は全校男子の敵である」の番外編「小野寺麻里奈が異世界にやってきた」のさらにスピンオフ作品になります。
キャラクターの性格や立ち位置等は本編や番外編に準じていますが、主人公はタイトルどおり麻里奈から恭平となっています。




