ヘタレ勇者が妄想する古代都市クエスト その8
「山に行く探検隊~山に行く探検隊~」
調子ハズレの歌を歌って元気に歩く春香の後を俺たちは進んでいる。
「春香、それは何の歌?」
「山に行く探検隊の歌。今考えた」
「私たちは山に行かないし」
「そもそも探検隊でもないです」
本人以外にはその歌は非常に不評であったのだが、作者はそのようなことには意を返さない。
「細かいことは気にしない。こういう時はノリが大事なのだから」
頭から足の先までノリだけでできている某自称探検家はそう答えた。
「それにしても、この都市の端はどうなっているのでしょうか」
「さあ、想像もつかないな。最初からこの範囲で計画されたのかどうかで……」
「それじゃ、賭けしない?」
せっかくのまみと俺の知的な会話だったが、知性の欠片もない自称冒険家が割り込んでくると、一挙に知的レベルが下がる。
「賭け?」
「そう。端っこがどうなっているかを予想しようよ」
「でも、どうなっているかと言われても……」
「だから、切り取られているようになっているか、それとも毟り取られたようにガタガタなのかということ」
「二択?」
「まあ、そうだね」
「で、何を賭けるの?」
「う~ん」
「お昼のおかずを一品。勝った人が選べる」
「いいだろう」
「よし、決まりだ。春香のソーセージは私のものだ」
「こちらこそ」
ということで、やはり、我がチームが誇る単細胞コンビが誰の了承を得ないままふたりだけですべてを決めてしまって賭けが始まった。
まず高評価をしていただいた6件目の評価をしていただいた方、12件目のブックマークをしていただいた方、ありがとうございます。
これは「小野寺麻里奈は全校男子の敵である」の番外編「小野寺麻里奈が異世界にやってきた」のさらにスピンオフ作品になります。
キャラクターの性格や立ち位置等は本編や番外編に準じていますが、主人公はタイトルどおり麻里奈から恭平となっています。




